軍人がユニフォームを着るのは、もう個ではなくなるためだ。
美術館で本を買うのが好きだ。図録も好きだし、作品に感動したら著作を買ったりもする。クリスチャン・ボルタンスキーの展示からは感じるものが多かった。壁中に吊るされた衣服、堆く積まれた黒い服。抜け殻のような、誰かが生きた証。あるいはかつてあった暴力の爪痕。その前で足が止まるのは、在るべきものがそこにはないからだ。ホロコースト、戦争。生と死と人間の愚かさが浮かび上がる。
以下は、『クリスチャン・ボルタンスキーの可能な人生』というインタビュー集から。
でも僕が驚くのは、こうし