備忘録 | 24年7月
(できれば毎月)残していきたい備忘メモ。基本は月々の振り返りになるけれど、詳しく記すというより、あくまでメモのようなものとして。
劇場鑑賞 映画
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
監督:アレクサンダー・ペイン
これが自分の好きな映画だ。どんなロジックも超えて、生理的にこういう映画に弱い自分がいる。嫌われ者の教師と、両親から放っておかれる生徒、子どもを戦争で亡くした母親。他人同士であるはずの3人が、2時間程度の時間を通して家族のように見えてくる。とりわけ珍しいわけでもないプロットだけれど、だからこそ映画ってこれでいいのだと思えてくる。
リッカーショップの店内をぐるぐると動きながら、教師が昔話をする長回しのワンカットは本当にすばらしかった!
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
監督:トッド・ヘインズ
人間1人の人生を、安易に「ストーリー」として消費してしまうことが如何に愚かしいか。編集者・ライターはまさに「消費を仕向ける側」であることが多いので、とてもドキリとする作品だった。
熱帯魚ショップで、ナタリー・ポートマンが一人で奥へと進んでいくカットから漂う、引き返せない=ポイント・オブ・ノーリターン感が凄まじかった。また鏡の前にナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアが2人で並ぶ場面はどれも緊張感が張り詰めていて、恐ろしかった。
『密輸1970』
監督:リュ・スンワン
『ホールオーバーズ〜』やドラマ『ポーカーフェイス』からうすうすと感じていたが、1970年代は流行っているのだろうか。本作を彩るファンクミュージックが、当時のアメリカ犯罪映画で流れてくるものと似ていて、70年代は韓国でもファンクが流行していたのだとわかり、うれしくなった。
エンターテイメント作品として間違いなく超一級のおもしろさを備えた1作。
『墓泥棒と失われた女神』
監督:アリーチェ・ロルヴァケル
『幸福なラザロ』に続いて、今作も素晴らしい作品だった。ただし設定は相変わらず奇妙で、その時点でキャッチーだ。ダウジングで墓を探り当てると、画面の上下が反転してジョシュ・オコナーがグーッと地面に引き寄せられる。
どれだけおもしろくても、アリーチェ・ロルヴァケルという名前はなかなか覚えられなそうなのだけが残念だ。
ドラマ
『1122』
当初の設定からポリアモリーの話に展開していくのかと思っていたが、さすがにタイトルが示すように最後まで夫婦の物語であった。夫婦をどう再構築できるか、2組の夫婦の姿から描かれる。前半は「サイコパスみあるな」と感じていた岡田将生が最終的には「いい人だなー」に変わる。
『一流シェフのファミリーレストラン S3』
S1で「BEEF」メンバーの関係性を立て直し、S2で新しく「BEAR」がオープン。さすがに店を開店させるまでが一番のドラマらしいドラマになるからか、S3ではほとんど話は進まない。海外で不満の声が多かったのも理解できる。それでもティナのエピソードは最高だった。そして唐突なジョン・シナの登場は笑った。
プレイリスト
今月の、というか今年一番アガったアルバムがJay WorthyとDaM-Funkの『Magic Hour』だ。DaM-Funk印のレイドバックしたG-Funkトラックは現状、2024年No.1!
今年リリースされたFARMHOUSEの曲はすべて刺さった。今回の「kappa」もMV、曲いずれも好みだった。またMFSのワンマンライブで披露された新曲「Don't」も「COMBO」同様のダンスチューンでアガる曲だった。
ワーク
長内那由多×木津毅 対談 - NiEW
取材執筆・編集:浅井 剛志
ある程度、まとめて映画を語ることで見えてくることがあると思っているので、こうした企画を提案してみました。単に上半期おすすめの映画を知りたい人にも、今の映画の特徴・動向を知りたい人にもおもしろい内容になったのではないかと思います。