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【はじめての広報・PR】 考え方と4つのステップ | “危機管理広報” の基礎 #1

こんにちは。ごさとです。
今回は危機管理広報についてお届けします。

本当はもう少し後ろの回で書こうと思っていたのですが、新型コロナウイルスの感染者数が再び増加に転じていること、それに伴って「何か準備しておきたいけど、どこから手をつけて良いのか・・・」という相談もまた増えてきたことを踏まえて「組織の危機(もしくはその手前の状態)」において広報担当が準備しておくべき心構えを整理してみます。

僕がはじめて経験した危機管理広報は、当時働いていたNPOがフェイクニュースを流され脅迫や誹謗中傷を受けたケースです。
「危機管理広報」という考え方も知らなかったので、当時は右も左もわからず、困惑しながら対応していました。

そこから「事前に何を想定しておくべきか」を知っていると落ち着いて臨めるのではないかと考え、今もクライアントには平時からの備えの大切さをお伝えするようにしています。

● まずは “守り” への切り替えと役割の再認識から

事故、不祥事、SNSでの炎上、大規模災害や新型コロナウイルスのような感染症など、本当に様々なリスク・クライシス局面に晒される事態が増えていて、スマートフォンやSNSの普及により、その対処には組織的な機敏さが必要となりました。

そのような局面において組織の中にいると、その “事象” にいかに対応するか、といった視点(虫の目)になってしまいがちで、その “対応方法や姿勢” を「外の目=社会」がどのように受け取るか(※)、ということまで俯瞰した視座(鳥の目)で見るのは難しいケースが多いように思います。

※これがレピュテーション(評判)やブランドに影響します。
情報の受け手となる人々が「受け取った結果としてどのような認識・思考・感情の変化を起こすのか」まで想定してコミュニケーションを設計することが大切です。

そこで組織の内にいながら、外の目を持って客観的に事象に対峙する役割が「Public Relations=社会との関係構築」を担っている広報・コミュニケーション部門です。

守りが必要となる「有事(リスク・クライシス局面)」の際、広報担当は「世の中の流れや論調(今現在、どのような認識・思考・感情が大勢を占めているか)」を客観的に分析・判断し、組織としての意思決定に示唆を与え、目的を持って適切に情報を扱います。

それによってステークホルダーを守り、また時には対峙することで事態を収拾させることが役割です。つまり黒子として組織内外を橋渡しすることが求められます。

まずはこのように「日常業務とは異なる状況に置かれ、期待される役割も変わる」ということを認識することが第一歩となります。

それができないと、断続的に発生するメディアの問い合わせに逐次対応した結果、報道が報道を呼び、様々な書きぶりの情報が拡散してしまう・・・という負のスパイラルに陥ることも往々にして起こります。
(メディアは「世の中に報じる」ことが役割ですので、過度に恐れることなく、「間違いなく情報を届ける」ために協力しあう関係と考えると良いと思います!)

● 危機管理広報の4ステップ

守りの広報・コミュニケーションには “型” や “基本原則” のようなものがあり、それに準じて考え、進めていくと失敗が少なくなると思います。

【危機管理広報の4ステップ】
①リサーチ(初期の情報収集・状況把握)
②リスク判断・対応方針策定
③広報・コミュニケーション対応
④モニタリング(対応を経ての情報収集・状況把握)

①リサーチ(初期の情報収集・状況把握)
はじめに行うことは、TVや新聞などメディアでどのような報道がなされているかを調べたり、SNSやブログなどのオンライン上でどのようなコメントが展開されているかを確認したりする情報収集や状況把握です。

特に近年は、SNS上で火種ができる → 少しずつ燃え上がっていくにつれてまとめサイトができる → オンラインメディアが記事を掲載する → それがマスメディアの情報ソースになるというパターンが増え、そのサイクルが早まっています。

②リスク判断・対応方針策定
状況が把握できたら、組織としての危険水準を判断して対応方針を立てます。
リスク・クライシス局面で意識したいのは4つの判断基準です。

・重篤性(事象による被害の有無やその規模)
・拡大可能性(事象が今後も継続したり、同時多発的に発生しうるのか)
・組織にとっての影響度(事業活動、それに関係する顧客や取引先、その結果として業績への影響)
・社会にとっての影響度(生活者、その集合体である世の中への影響)

対応方針は次のようなポイントを整理して考えます。

・現時点で分かっていること
・引き続き実態解明が必要なこと

・組織としてのスタンス
・考えられる打ち手
・打ち手のメリットとデメリット

③広報・コミュニケーション対応
対応方針が定まったら、世間やメディアに対して何らかのアクションを行います。
例えば次のようなものが代表的です。

・静観する(引き続き情報を収集しながら情勢を伺う)
・ホームページなどでステートメントを掲載する
・プレスリリースを出す
・記者との個別取材に応じる
・記者会見を開く

④モニタリング(対応を経ての情報収集・状況把握)
最後に、行ったアクションに対してメディアやSNSなどでどのような反応があったのかを再び情報収集・状況把握して、今後の対応を検討します。

● 組織のなかで4ステップを “共通認識” とする

僕もごく稀に遭遇するのですが、いろいろな部門から様々なレイヤーの人が招集された「対策本部」が立ち上がり、情報と意見が飛び交うけれど意思決定がなされない会議が続く・・・ことになると、組織の仲間たちも、世の中の人々も、誰も幸せになりません。。

リスク・クライシス局面は不確かな状況、限られた情報で素早く意思決定を行なっていく必要に迫られます。そこでは、いわゆる “PDCA” ではスピード感を失ってしまうため用を成しません。

そのため、4ステップのなかでも「①リサーチ」で素早く状況を捉えて「②リスク判断・対応方針策定」に早めに移行できるかが非常に重要となります。

そこで今からできる準備として、4ステップを “組織の共通認識” としていただくこと、その際の “役割分担” と “意思決定ルート” を取り決めておくことをオススメします。

今回も最後までお読みくださりありがとうございます。
皆さんの参考になれば幸いです。

※続編もありますのでよろしければご覧ください。
【はじめての広報・PR】実践で使えるツールやフレームワークの紹介 | “危機管理広報” の基礎 #2

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ごさと
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