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沖縄県北大東村を踏破 その4<日本全市町村踏破(制覇)>

2018年4月28日。ゴールデンウィーク沖縄未踏市町村集中踏破第一村、北大東村。
北大東島の東端から、島の南側沿岸をクルマで走って来て、西端へとやって来た。
西端には燐(リン)鉱石貯蔵庫跡がある。名所らしいのでどんなものかと思い訪ねて見ると……。

わっ、凄い。これはアクロポリスかフォロ=ロマーノか。
アーチや柱、壁の形状や崩壊、残存具合など、ギリシア、ローマの遺跡を彷彿とさせる。

建材が灰色のコンクリートでなく、白亜の大理石だったら、本当にギリシア、ローマの遺跡と見紛うだろう。

離島の沿岸というロケーションなど、いかにもギリシア的だ。

港まで降りてくると、正規の入口があった。

北大東島では、リン鉱石の採掘が基幹事業であった。そのため、玉置商会や東洋製糖など、これを運営する企業が島を所有していた。個人の土地所有が認められたのは、戦後、アメリカ統治下になってからだ。

また、戦前のリン鉱石の採掘は、鉱石の潤沢な箇所を手掘りしていたが、アメリカ統治下では機械が導入され採掘量は増大したものの、品質が低下し、資源も尽きた為、1950年代には終了したということである。その頃から、この貯蔵庫は廃墟となっていったのだろう。

リン鉱石を運んだ貨物軌道の跡も残っている。

燐鉱石貯蔵庫跡の周辺には、他にも関連施設の廃墟や遺構が多数残っており、「一大遺跡群」となっている。まさに、アクロポリスかフォロ=ロマーノかというところ。

この「一大遺跡群」の中にあって、一軒だけ、他の廃墟と共通した様式でありながら、明らかに新しく、現役の建造物がある。

この建物は、旧東洋製糖北大東出張所の遺構を復元したもので、内部は資料館になっている。また、その一角は、「島人酒場トロっこ」という居酒屋になっているそうだ。

近くの丘には、北大東島開拓の父、玉置半右衛門を称える碑が立っている。

この丘からは、海も良く見える。草木に遮られてほとんど見えないが、写真の右下あたりに、燐鉱石貯蔵庫跡等の遺構群がある。

丘の麓では、アサギマダラらしき蝶が、オレンジ色の花の蜜を吸っていた。アサギマダラは、渡り鳥のように長大な距離を移動する蝶で、北海道から与那国島まで日本の全土、台湾、中国本土などの数千キロを移動する。ここ大東諸島でも、高知でマーキングされた個体が確認されている。アサギマダラは、暖かくなって来ると北上するので、この個体も間もなく北へと旅立って行くのだろう。

市町村踏破数は前回投稿から変わらず。

沖縄県全41市町村のうち、30市町村踏破、残り11市町村、達成率73.2%。
九州・沖縄全274市町村のうち、262市町村踏破、残り12市町村、達成率95.6%。
日本全国1741市町村のうち、1722市町村踏破、残り19市町村、達成率98.9%。

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高橋御山人
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