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北千住の記憶
高速で線路を滑る鉄塊の中、私はまだ東京に気持ちを置いてきているようで、東に心が持っていかれそうで。このまま「よし!日常!」と、大阪に戻れるのだろうかと不安になっている。
ふわふわと浮いた気持ちを落ち着かせようと、友人に渡し損ねた本を手に取った。その本の最後の章の言葉がすうっと入ってくる。
「自分がほんとうに必要としている言葉は自分が書き得ることを、私たちは忘れているのではないだろうか」
ああ、そうだった、自分に自分の言葉を贈る感覚だ。文章を書く時の感覚を必死で思い出し、私の頭はいつものリズムを取り戻したな、とこのnoteを書き始めました。
新幹線チケットでもらえる無料ドリンクの残量は半分で、いつのまにか大阪まで半分の地点に来ていた。
北千住の記憶
5/21、東京の北千住という、その街だけの時計があるような、おっとりとしたリズムの中で刊行イベントをしました。
この企画がたちあがったのは、4/11。伊丹の刊行イベントから数日経った日。そして、横浜の本屋さんに納品が決まり、嬉しくて嬉しくて飛び上がった日だった。
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あれから1ヶ月と少し。当日は、20人以上の方々が、私たちとの時間を選んで、来てくれた。それがどれだけ奇跡的なことか、ずっと想像していた。
5月は、新しい生活、新しい会社、新しい学校に慣れるのも大変な時期だ。最近ぐっと高くなった気温に適応するのもやっとのこと。仕事の合間に来てくれた友人もいたし、わざわざ東京滞在を1日延ばしてきてくれた友人もいた。1人1人、事情がある中で、それら全部をお互い知らない中で、「北千住に行こう」と思ってくれたこと、それは決して当たり前ではない。可能ならば、来てくださった1人1人と、瞳を合わせて話したかった。
あの場にいてくれた、あの場を選んでくれた皆さんへ。本当に、本当に、ありがとうございました。
感性オバケ集団
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