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本について03 『あられもない祈り』島本理生
半年前だったでしょうか。人生で初めて恋愛小説にはまり、手に取る本がことごとく恋愛小説だった時期。
今もその熱が収まったわけではないのですが。
慣れないからか、買ったはいいものの、読みきれない本が溢れています。1冊ずつ読んでいきたいな。
島本理生さん
島本理生さんの本で初めに読んだのは、『2020年の恋人たち』。すごく好きな雰囲気で、他にも読んでみたいと、何冊か買い足しました。一人でバーに挑戦したりもしました笑
印象に残ってるのは『ファーストラヴ』です。恋愛小説ではなかったけど、どんどん鮮やかになっていく主人公たちの人物像に惹き込まれて。読み進めるにつれて、登場人物のことが好きになっていくのが、とても楽しかったです。
あられもない祈り
好きか嫌いかって言われたら、よくわからないかもしれない。
文章自体は読みやすいのに、気づくと迷子になっている。
物語自体をあまり理解できなかったです。私には早かったのかなと思ってしまいました。
その難しさの理由を、西加奈子さんの解説が教えてくれて、とても納得。
恋愛小説が恋を描くのは当然だと思うかもしれないが、実は大抵の恋愛小説は「恋をする個々」を描いている。だから先述したような補填が必要なのだし、それによって読者をひきつけるのだと言える。だが、この小説は、個を描くのではなく、「恋そのもの」を描いている。
まさに、半年前にはまっていた恋愛小説は「恋する個々」を描いた恋愛小説でした。そして、私はそれが恋愛小説なんだと認識して、そんな恋愛小説を好きになった。
恋だけではなくて、一人の女性の人生。仕事や家族、友だちなど、その人自身に共感して読書を楽しんでいました。
でもこの本は「恋そのもの」。私はまだ、本当の恋をしてないのかな。
『あられもない祈り』島本理生
相手のことが好きだから一緒にいるのか。自分のために一緒にいるのか。
恋愛ってものすごく難しいです。泣いちゃう。