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じぶんが不機嫌ハラスメントをしていると気づいたら?不機嫌ハラスメントを卒業するためにできること

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わたしはずっと不機嫌ハラスメントをやってきた。

今でこそ、こんなに穏やかに暮らしているわたしだけど、元はささいなことでしょっちゅうイライラする人間だった。

それは今考えればおそらく生理前のPMSだったり、睡眠不足や体調不良、空腹、低血糖、低気圧、そんな生理的な理由からくる不調、もしくはわたしの中の思い込みや観念、幼少期の傷が発動した結果だったのかもしれない。

でも当時のわたしは、自分がどんなときに不機嫌になるかなんて考えたことはなかった。なぜならわたしの不機嫌はいつの目のまえの相手のせいだったから。

わたしはなんの疑いもなく、自分の不機嫌を相手にぶつけてきた。
それも直接言葉にはせず、雰囲気で不機嫌をアピールした。
わたしがイライラしているは相手のせいなのだと本気で信じていた。


わたしはこのやり方を父親から学んだ。
父親は仕事から帰ると、酒を煽っては家族に当たり散らした。父親は不機嫌で家族を支配した。ひどい時にはお尻を叩かれて外に出されたり、部屋に閉じ込められたり、ごはんを抜かれたりした。わたしたちは一生懸命謝ったり反省したりして、父親に許しを請わなければならなかった。

父親はなぜ怒っていたのだろう?
当時はじぶんが悪いから怒られているのだと信じていたけれど、今となっては幼いこどもをそこまで叱る理由が皆目わからない。
おそらく父親自身も本当はなぜじぶんがこんなにイラついているのか本当には分かっていなかったのだろう。分からないから、目のまえの相手にそれをぶつける。たんなる八つ当たりだ。

父親は家のなかでは暴君だったが、外では優しくて温厚で人当たりの良い、いわゆる『いい人』だったらしい。
そうやって外で他人に気を使いまくって溜まったストレスを、家族にぶつけて発散していたのだろう。



自分がそうだったから分かるのだけど、不機嫌ハラスメントをする人は自分の気持ちが分かっていない。自分の「気持ち」を省みるという習慣がそもそもない。

長いあいだ周りを優先して自分の気持ちを無視して生きてきたから、もはや自分の気持ちをキャッチできなくなっている。
いつも他人を優先して、自分をだまして、自分に嘘をついて、自分を蔑ろにしてきたから、腹の奥にはマグマのように怒りが溜まっている。
他人にはニコニコしながら、心の奥では怒っている。


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うれしいです!!!!