生成AI活用の社会が垣間見えた「AI博覧会」見学報告(AIsmiley主催,2024年3月14‐15日開催)
2024年3月15日、お茶の水ソラシティカンファレンスセンターで開催されたAIsmiley主催のAI博覧会を見学しました。このイベントでは、70を超える企業が展示を行い、前日の14日を含めた2日間で16の講演が行われました。主催者発表では見学者は4千人に上ったそうです。私が特に注目した展示内容について概要を紹介します。
特に注目した展示内容
株式会社豆蔵の「おしごとモデルズ」(図1)
概要: ChatGPT4を活用し、現状の業務フローをモデル図にして可視化し、業務改善の提案まで行うサービス
特徴: 現状の業務プロセスを簡単なフォームに入力するだけでモデル図を自動作成し見える化してくれます。これは、ビジネスの要求に沿った適切なシステムを迅速に開発・導入するため、システムに要求される要件を定義するために開発されたサービスで、更に、業務プロセスの問題点を素早く発見し、それに対する複数の改善案を提示する機能もあります。
株式会社ピアズの「ロールプレイトレーニングAI mimik NEST」 (図2,3)
概要: 営業や接客時の表情、仕草、声のトーン、話の内容を評価し、点数化するAIシステムです。
特徴: 従来の指導員によるロールプレイトレーニングをAIで代用する革新的な取り組みです。このAIを顧客に見立てて、営業のロールプレイを行うことで、表情、仕草、声のトーン、話の内容がどれだけ顧客に伝わるものなのかを評価し、点数化することができます。これにより、従来の人間による指導やフィードバックに頼らず、客観的で迅速な評価が可能になります。特に、企業の営業ノウハウを人に依存せずに継続的に蓄積し、活用することができる点に注目しました。
イベントの印象
展示会の盛況: AIを活用したサービスや企業数の拡大とそれに対する見学客の期待の大きさを実感しました。
大規模言語モデル(LLM)活用の深化: ChatGPT4などの技術を単なる情報検索やチャットに使うだけでなく、更に多様なサービスが実用化されつつあり、LLM活用が深化していると感じました。
教育の重要性: AIを活用するための教育プログラムやトレーニングサービスも多く展示されており、AI人材の育成が重視されていることがうかがえました。
まとめ
今回初開催のAI博覧会は、AIを活用した革新的なサービスや製品を一気に見学できる貴重な機会でした。次回以降のAI博覧会にも期待が持てます。主催者によれば、次回は8月29日、30日に渋谷での開催だそうです。今回の展示で特に、株式会社豆蔵の「おしごとモデルズ」と株式会社ピアズの「ロールプレイトレーニングAI mimik」は、従来の業務やトレーニング方法に革新をもたらす可能性を秘めていると感じました。他にも、「生成AI」、「リスキリング」、「営業支援」、「画像認識」、「データ分析」、「エッジAI」、「OCR」、「感情認識」等の各エリアに区分けされた展示があり興味深かったです。今後もAIの技術革新と社会への影響に注目したいと思います。