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dancefirst
「45歳(独身)、どんな感じ?」
昨年11月末に発売になることを知り、Kindle版が出た際に、迷わず買った。
この本の書き手は、会社員などを経験し、紆余曲折を経て、45歳フリーのイラストレーターとして活動している。
45歳になってからの日常、加齢、そして更年期を迎えて、戸惑うことも多いよう。
一方、見ず知らずの人と協力しあったり、免許証の写真で落ち込むと思っていたら、意外と良かったなど。年齢を重ねることに対して必ずしもネガティブではない場面も。
40代になってからの恋も取り上げてられており、揺れる気持ちも正直に書かれているので、好感が持てる。
緩いエッセイと見せかけて、人生訓的な要素がたくさんある。
個人的に好きなのは、おひとりさまインタビューを受けた後のエピソード。
インタビューで、おひとりさまの成功の秘訣を聞かれた際に、一瞬戸惑いつつも、なんとか回答する筆者。
インタビュー終了後、もやもやした気持ちを引き摺らないため、筆者はデパート(西武池袋百貨店)の屋上に寄り道する。
うどんを食べつつ、周りの人達を観察したり、風景を楽しんだりするなかで、こんな言葉が出てくる。
「成功の秘訣は知らないんですけど
落ち込んだ時に元気になれる場所は知ってます」
日常の中で、しょっちゅう落ち込むことはあるし、時々ズーンと落ち込む時もある。
そんな時、少し自分を回復させてくれる場所や、モノ、そして人という
いろんなリソースをどれだけ持っているか。
中年期に足を踏み入れた今、そのことがとても重要なんじゃないか。
この本の帯には、こんな言葉が書いてある。
「腹を括ったら、あとは自由」
まだそこまでの気持ちには至っていないけど、
少しずつ45歳になる気持ちの準備をしていければと思う。