おとなの進路教室
「おとなの進路教室」
この本を手に取ったのは20代後半。仕事にも慣れてきたものの、「この仕事(SE)は向かないのかなあ」と思うことはたびたびだったし、そのころは同期の3分の1は退職し、自分も転職した方がいいのかなあと思う様になっていた。でも先輩たちに助けられながら、なんとか日々の業務をこなしていた。
その頃から「ほぼ日」のサイトを見る様になり、そこで連載していた「おとなの小論文教室」も読む様になった。この本はその連載をまとめたもの。
教育関連の出版社で編集者として、小論文の指導をしてきたが、会社の方針が変わったことをきっかけに退職、フリーランスとなった。
フリーランスといっても最初の数年は泣かず飛ばずの状態だったという。それでもコツコツとインターネットの中で文章を書き続け、その後、山田さんは、ほぼ日刊イトイ新聞で「おとなの小論文教室」でコラムを書くようになり、そのコラムが書籍として私のところにやってきた。
よくあるビジネス本と違って、「自分(私)」を掘り下げて、書く、表現することをとことん重視している。またサイトにメールを送る読者もまた、自分の中を掘り下げて、真剣に思いを文章にしている。そのため、読むたびに「私はこんなに掘り下げられるのかなあ」と思わせられる。
転職や進学、結婚といった大きなイベントでなくても、日常生活の中でしっかり考えなければならないシーンはあるけど、この本は少しずつそのやり方を一緒に考えてくれる。先生というよりも、伴走者の様な本だと思う。
私が手に取ったのは、単行本版。
本ではなくて、ポットキャストだけど、こちらも良いので、ぜひ。