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【文化人類学】「文化の違い」って?(ラテンアメリカと日本)

こんにちは、masaです。
今日は、いわゆる「文化の違い」について書いていきたいと思います。

皆さんは「文化の違い」と聞くとどんなことが思い浮かびますか。すぐに思い浮かぶものだと、言語や食べ物といった自分の文化とは違うなとすぐに認識できるもの。そのほかには、ビジネスにおけるマナー等、その場に直面して初めて知るといったこともありますね。留学や海外旅行をしたことがある人は海外で感じたことがあるでしょう。

そんな「文化の違い」について、アメリカの文化人類学者である、エドワード・ホールによる興味深い研究を知ったのでご紹介します。

1 エドワード・ホール (1914-2009)ってどんな人?

アメリカ合衆国の文化人類学者であり、異文化コミュニケーション学の先駆者とも言われる。文化を背景とした、空間と時間のとらえ方についても言及していることで有名。

2 空間感覚の違いってなに?

この空間感覚というものをイメージすることはできますか?これは、人と人との距離の感覚のことで対人距離と呼ばれています。

エドワード・ホールによると、

アメリカ人は見知らぬ人が50cm以下の距離近づくと脅威を感じます。その一方で、ラテンアメリカの人はもっと近づかないと親密さを感じない

たしかにラテンアメリカの、たとえばブラジルの人は、話すときの距離が近く親密な印象を受けたことがあるような。

3 時間感覚の違いってなに?

次に時間に関する感覚。これはイメージしやすいのではないでしょうか。例えば、日本の電車やバスが時間通りに来ることは世界的に有名ですよね。予定された時間に対しての感覚というのが、この時間感覚。

エドワード・ホールによると、

アメリカ人は予定時間を過ぎて15分経っても待ち合わせた人が来ないといら立ってしまい、45分待っても来ないと怒ってしまう。

(日本でも45分の遅れていて、何も連絡がなければ心配になりますよね)

その一方で、

ラテンアメリカでは45分の遅れはほとんど問題にならない

時間感覚が全然違いますね。これは時間にルーズだということではなく、「文化」が背景にあるのです。

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4 これが文化の違い

4-1 ラテンアメリカの文化
ラテンアメリカでは、一度に複数のことをする「多元的時間」(ポリクロニック)観念という文化があります。1つ例をあげる、2人と別々の約束をしている時に前の約束の人が来ず、次の人の約束の時間となっても、前の人との約束を打ち切らずに待ち続けるというものです。つまり、1つの時間軸の中で、2つの約束を進行させることが可能だということです。

4-2 日本・北アメリカの文化
日本やアメリカの文化は一度に1つのことに集中する「単一的時間」(モノクロニック)観念を持っており、ある時間帯に2つの約束を入れることは御法度になります。(いわゆるダブルブッキング)

5 知ることが理解につながる

僕も留学中、待ち合わせには初め戸惑うことがありました。たとえば19:00からのパーティーがあったとすると、皆さんはその5分ほど前の18:55やちょうどの19:00に着くようにするのではないでしょうか。

ですが僕がいたオランダでは、19:00ちょうどに集合することはほとんどありませんでした。みな集合の15分後ころから集まりはじめ、本格的にパーティースタートするのは20:00ころ

つまり19:30から20:00にいけばちょうどいいという感じ。なれてきた頃には、スタート時間よりもすこし過ぎたあたりにいけばいいと余裕ができました。

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6 先人の言葉はやっぱり偉大

何かをするとき、相手に変わってもらうことや相手に合わせてもらうことは難しいところがあります。そんなときは自分が相手の文化に浸ってみる。そうすると、うまくいくことが多くあるのではないでしょうか。

「郷に入っては郷に従え」

特に相手の文化圏にいるときには、その文化を知ること、理解することがよい関係の構築を生みます。先人が唱えたこの言葉を大切にすれば、今世界で起きていることの多くが、緩和され解決へと進むんじゃないか。そんな風に僕は思います。

参考:日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版(翔泳社)

ここまでお読みいただきありがとうございました。それではまた!

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