おとうちゃん、必ずおうちにかえるよ
緊急入院だったため、ろくに娘とお別れができないままに1ヶ月以上が経ちました。病院の面会は「12歳以下(中学生以下)の面談禁止」ルールがあるため生後8ヶ月の娘とは会えませんでした。妻が近況を教えてくれたり、フォトフレームに入れて写真を持ってきてくれたりして勇気づけてくれました。
後日知ったのですが、この頃、面会に来てくれた母親は僕が繰り返しこう言っていたそうです。
「絶対に先に死なないからね」。
会うたびに天井を見ながら僕は言っていたそうで母曰く私(母)に言っていたのではなく自分に言い聞かせている様だったと教えられました。当人の僕は全く記憶になくこの話は後日聞いて驚きました。振り返りますとこのまま万が一にでも娘と会えずに人生を終えられない気持ちは強かったと思いました。
大腸全摘出後の入院生活
大きな手術のため、1回では終えられず僕の場合は全2回の内、これが1回目の(手術の)位置づけでした。8割の大腸を摘出し、小腸を外に出して人工肛門にしました。術後は発熱、めまい、傷口の痛みで難儀しましたが外科手術前ほどの“絶望的な痛み”ではなくトンネルビジョンから抜けられる感触はありました。術後ハードだったのは以下6つでした。
①リハビリ(歩く):
⇢ 僕の場合、めまいがひどくもちろん、傷口が痛むため1日受付回りを12周目標でがんばりました。とにかく医師、看護師からは歩くのを指示されます。
②食事:
⇢ 1ヶ月以上エレンタール(プロテインみたいなもの)以外は経口摂取をしていなかったので食べると気持ち悪くなりました。僕は吐き気止めの点滴をしながら食べていました。
正直、食べたくなかったですが食事も治療と自分に言い聞かせて、ねこまんまにするなどとにかく“口から胃に入れる行為”をしていました。
③注射:
⇢ 術後、血栓予防の注射を確か1週間打ちました。これが痛いのです。
しかも朝と晩、毎日2回打ちます。憂鬱でした。
④シャワー:
⇢ 術後すぐにはシャワーは浴びれません。血がついたままで気持ち悪かったです。数日すると体を拭いてくれますが、問題は髪の毛です。術後5日経過し看護師さんが洗髪してくれた時は大げさではなく感動しました。
⑤ストーマ(人工肛門):
⇢ 自分の真っ赤な小腸が外に出ているのを見た時のあの衝撃は今でも忘れられません。5日の1回装具を交換するのですが、そもそも自分の小腸に触れるのがめちゃくちゃ恐怖感がありました。
術後は回復していく感覚があり、体はボロボロながら復帰に向けてマインドの変化も起こり始めました。次回は、退院までの2週間について触れます。
つづく
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