元コンサルのSaaSスタートアップ転職記【転職活動編】
はじめまして、Goodman.LGと言います。
本記事を読んでいただきましてありがとうございます。
掲題の通り、転職活動を通じてコンサルファームからSaaSスタートアップに転職をしました。
転職時に色々な情報を検索したのですが、転職の当事者でない人(採用側やエージェント)が書いているバイアスのかかった情報や抽象度の高い情報しかなく、正直あまり参考になる情報がないという課題感を感じました。
よって、本記事は転職の当事者として自身の転職体験をできるだけ赤裸々かつ具体的(ぎりぎり個人が特定できないレベルで)に記載することで、同様に転職を考えている方に参考にしていただく、または心の支えになることを目指して筆をとりました。
下記の2部構成で自身の転職経験を読者にお伝えてできればと考えています。
転職活動編:転職活動全体として何を考え、何をしたのか?(本記事)
面接対策編:面接において何を聞かれ、何を回答したのか?
読者としては下記のような方を想定しています。
コンサルティング会社に在籍していて、次のキャリアとしてスタートアップへの転職を考えている方(20代後半 - 30代前半)
コンサルティング会社を経由して起業やスタートアップへの転職を考えている若手社会人(20代前半 - 20代後半)
ポストコンサルの方の採用を検討しているスタートアップの人事担当者
転職エージェントの立場からコンサルタントの転職を支援している方
転職をする当事者だけでなく、選考を受けている候補者から自社の選考プロセスがどう感じられるのかという点で採用側にとっても示唆のある記事となれば幸いです。
少し長くなりますが、お付き合いください。
基本情報(前提)
筆者の基本情報
本記事(転職記)の主人公となる筆者の基本情報は下記の通りです。
良くも悪くも様々なテーマ、フェイズのプロジェクトを経験してきました。
大手ファームのコンサルタントとしての立場だけでなく、中小ファームやスタートアップの役員としても仕事をしてきました。
よく言えば"ジェネラリスト"、悪く言えば"器用貧乏"な経歴であると自己認識しています。
性別:男性
年齢:30代半ば
年収:1,000万円程度
履歴:
MARCHの文系学部を卒業
カナダへの留学経験あり(1年弱)
新卒で総合系の大手コンサルティングファームに入社
第2新卒で新興系のブティックファーム(主にアクセンチュア社のOBが多く在籍)に転職
第2新卒で転職した会社の子会社に役員として転籍
フリーランスとして1年ほど活動
再度、別の新興系のブティックファームに就職
副業:予備校講師(ビジネス講座)、たまにライター(Web3関連の記事など)
筆者の職務経歴
SAPの導入プロジェクトに複数従事
新規事業の構想策定(メタバース、アパレルEC、スマホ関連、物流)を複数経験
DXプロジェクト(特定のテーマに伴う、システムとオペレーションの変革)を複数経験
SaaSのアジャイル開発マネジメントの経験あり(1 - 1.5年)
food-techスタートアップの役員 兼 COOとして事業立ち上げやアライアンス推進、飲食店のM&Aや運営の経験あり
ケイパビリティ
プロジェクトマネジメント
アジャイル開発マネジメント
財務シミュレーション(PL/CF)
オペレーション構築・改革
マーケットリサーチ
デザインリサーチ
コンテンツ開発(研修/WS)
事業戦略/計画の策定
転職理由
転職前に所属して会社には、もともとコンサルティング業の傍らで新規事業をするから一緒にやらないか?と誘われてジョインしました。
親会社からの期待値や財政的な理由からジョインから2-3年経っても本格的に新規事業やプロダクト開発に着手できず、いつの間にか新規事業やプロダクト開発が中長期経営計画から外れていました。
この時に自身のキャリアの方向性と会社の方向性がいつのまにかズレてしまっていることを実感したため、転職をすることを決意しました。
転職で目指すポジション・転職の軸
広義のモノづくりという意味で、いわゆるプロダクト(主にAI SaaSを想定)を提供している会社の事業開発(BizDev)またはPdMのポジションを目指して転職活動を行いました。理由(転職軸)としては
これまでのキャリアで培った経験やスキル(構想策定・業務構築・アジャイル開発)を活かせる
様々なプロジェクトを経験する中で一番、楽しいと感じた広義のモノづくり(プロダクト開発・オペレーション構築)を主業務にできる
市場価値の高い方向(AI × SaaS)に自身のキャリアを尖らせることができる。(SaaSのみでもOK)
を考えながら転職活動を行いました。
転職活動の進め方
数年前に転職活動をした際にお世話になったエージェントと知人の起業家の方が事業を売却したのちに転職エージェント事業を始めたとのことだったので、このお二方にお声がけをして転職を支援していただくことにしました。
何社かリファラルや自身で直接、応募した会社もありますが、ほとんどの企業はエージェント経由で応募をしました。
私の大まかな転職活動の進め方は以下の通りです。
要件(転職軸や目指すポジション)の整理 & エージェントとすり合わせ
2-3ヶ月を1ロットと定め、7 - 8社ほど要件に合う会社をリストアップ
選考を受ける
選考の結果(どんな会社が最終面接まで進んだか、どんなフィードバックを得られたか)を踏まえて、要件や面接の想定回答をチューニング
改めて次のロットで選考を受ける会社をリストアップ
ロットに分けて選考を受けたことは、とても良かったので推奨します。
具体的には以下のメリットがありました。
選考を円滑に進めやすい
スピード勝負、タイミングが命みたいな側面がある転職活動において他社の選考の結果を待ってほしいは時に命とりになります。
同時期に選考を開始して、同じ時期に結果が出揃うように選考を進めた方が選考日程を組むのが楽で、また内定を頂いた際にもタイムラグなく意思決定ができます。まとめて振り返りをすることができる
個別の選考は実に様々な理由で落選、または辞退をすることになります。個別の選考ごとに都度、振り返りをすると訳がわからなくなってくるので、一定のボリューム(7-8社)ごとに振り返りをすることを推奨します。
エージェントについて
今はひと昔前に比べてリファラルやダイレクトリクルーティングなど、転職パスも多様化してきましたが、私は昔ながらのエージェント経由での転職活動を主軸にしました。
エージェントは下記の役割を果たしてくれたため、それなりに忙しい身としては大きなメリットを感じました。
エージェントの支援がなければ、短期間でここまで多くの企業の選考を受けることは出来なかったと思います。
結局のところ営業活動などと同じで転職活動も"数をこなす"ことが非常に重要です。そういった観点からも我々から見れば無料で長期に根気良く転職活動に伴走し、下記の業務のアウトソースを受けてくれるエージェントは積極的に活用すべきと考えます。
選考日程の調整
転職軸を満たす企業のサーチ
面談の素直なフィードバックの提供
想定回答の壁打ち相手
気まずいコミュニケーションの仲介役
直接応募の場合だと、先方が選考の結果・評価を率直に教えてくれません。先方からすれば候補者は一見さんであるため、わざわざリスクを取って相手の気分を害する可能性のあることを言うインセンティブがないからだと考えられます。
一方、エージェントには今後の候補者提案の参考のために選考の結果・評価をかなり具体的にフィードバックすることが多いため、間接的に評価を教えて貰うことはPDCAを回す上で非常に重要です。
また、会社にもよりますが選考ステップが整っていなかったり、いつの間にか当初アプライしていたポジションとは別のポジションに話がすり替わっていたりということが発生します。
候補者の立場からだと自身の印象を害してしまうリスクが気になって、なかなか強く言えないのですが、きちんとしたエージェントであれば候補者の"剣となり盾"となり、気まずいコミュニケーションを代行してくれます。
もちろんエージェントにも様々います。
会社によって、または同じ会社でもエージェントによって、かなり得意領域や支援スタイルが様々です。
かなり主観ではありますが私と同じような転職軸をお持ちの方には下記のタイプのエージェントはあまりおすすめしません。
外資系の転職エージェント
当然ながら外資系の会社とのネットワークが強く、年収や条件について強い交渉力を持っています。上場前や直後のスタートアップに対しては会社にもよると思いますが、それほど強いネットワークはない印象です。
成果主義が強すぎるせいか、候補者を自身のクライアントに一通り提案して採用が決まらなければ普通に連絡が取れなくなったり、私ではお力になれませんと辞退してきたりします。なので中長期的にPDCAを回しながら戦略的に転職活動をするパートナーとしては向かない印象です。
大手の転職エージェント
人材エージェントのビジネスは労働集約的でエージェントの数と売り上げが相関するため、大手の転職エージェントの多くは若いエージェントが求人と候補者を求人票と職務経歴書だけでマッチし、割と機械的に選考日程の調整だけを代行してくれる印象です。想定回答の壁打ちや選考結果を踏まえた応募戦略などを相談しても、当たり障りのない回答が多く、正直少し頼りないと感じがします。
なお、筆者の転職活動を支援してくれたエージェント様には許可をいただけましたので連絡先を掲載します。
特に筆者と同じコンサル出身者でSaaSスタートアップへの転職を希望される読者の皆様は良き相談相手であり、伴走者になってくれるお二人だと思うので気軽に連絡してみてください。
選考を受けた企業
具体的に選考を受けた(より厳密には書類選考以降のプロセスを受けた)企業を挙げます。(順不同)
面接時に聞かれた質問は別記事にて詳細を書きますが、それらは下記の企業の選考にて実際に聞かれたリアルな質問です。
IVRy / ACES / 弁護士ドットコム / JDSC / PKSHA / Cloudbase / イタンジ / Preffered Networks / ABEJA / エムスリー / WORK HERO / Layer X / TXP Medical / グラファー / ジョーシス / パーソルキャリア / freee / リクルート / DeNA / マネーフォワード / エクサウィザーズ / カミナシ / オルツ / イライザ / ANDPAD / ログラス / TVer / FLUX / シナモン / etc
一部、例外はありますが、基本的にはどこも要件通りSaaSのプロダクトを提供している企業であり、事業開発(BizDev)またはPdMのポジションを募集していた企業です。
特に要件に入れていたわけではないのですが、やはりAI×SaaSの領域は大企業よりスタートアップ、または上場したての元スタートアップ企業の方が動き出しが早いので、そういった企業を中心に選考を受けることになりました。
他の転職者がどれくらいの社数を受けているものなのか正直知らないのですが、私は30社以上受けました。
つまりは30社以上普通に落とされています。
今はスタートアップにとってあまり風向きが良くない(資金調達状況が芳しくない)から採用が厳しい時期とエージェントに言われた(慰めてくれた?)ので、時期ににもよるかとは思うのですが、もし数社落とされて落ち込んでいる方がこの記事を読んでいたらぜひお伝えしたいです。
なお、参考までにですがこれらの会社を筆者が落選した理由は下記の通りです。
正直、私の能力に関係ない理由や事実無根も甚だしい理由で落とされたケースもあります。
業界に対する思い入れや、その課題を解決したいという強い意志が欠如していると判断された。
社長に首を縦に振ってもらいたい別候補者の採用を提案する際の当て馬だった。(そもそも採用する気もあまりなかった)
採用枠が1つしかなく、純粋に別候補者との比較で負けた。
クライアント課題を深掘りする姿勢が欠如していると判断された。
選考時に想定していたポジションについて、別候補者にオファーを出してしまった。(選考途中でポジションがクローズした)
基本的な思考力や言語化能力が求めているレベルに達していないと判断された。
"for the client"の姿勢が足りないと判断された。
AIに関わる経験が薄い。
能力は問題ないがカルチャーフィットしないと感じた。現職に対するネガティブな発言が多く、悲観的な人柄が気になった。
寝起きのようだった。
(弁明すると当然、寝起きではありませんでした。なんなら面接開始の3時間前には起きて、レッドブルを飲んで気合いを入れて臨んだ面接のフィードバックだったのでショックでした。)
選考を受けながら見えてきたこと、チューニングしたこと
20 - 30社も選考落ちするとどうなるかと言うと、割と普通に自信がなくなります。自信がないかと思いきやたまにランナーズハイのように、なぜが逆に自信が湧いたりする瞬間もあります。要は少し不安定になります笑
しかし、落ち着いて各社の選考結果とエージェントが教えてくれた評価を振り返って見るといくつかの考察とチューニングポイントが見えてきます。
見えてきたこと(考察)
ノックアウトファクター(地雷)の存在
面接による選考はシンプルな総合評価ではなく、特定のノックアウトファクター(地雷)を満たしてしまうと自動的に落選になってしまうタイプの選考方法です。人柄がネガティブであることや、地味で泥臭い仕事が嫌いそうなどと判断され、地雷を踏んでしまうと他でいくら評価が高くても自動的に落とされます。なので、いかに自身を良く見せるか(加点を狙いに行く)以上にノックアウトファクター(地雷)を踏まないように注意することが重要です。プロトコルや価値観の違い
コンサルタントという仕事は、分かってはいたつもりだったのですが、やはり特殊な仕事のようで、コンサルタントという仕事を経験したことのない方が面接官の場合には想像していた以上にお互いのプロトコル(会話の前提となる知識や経験、価値観)が違うのだと痛感しました。
同じコンサルでも、いわゆる戦略コンサル(MBB)と総合系(big4)でもかなり隔たりがあります。
結果、私の場合では面接官が同じ総合系ファーム出身者の場合は明らかに高い評価を頂ける傾向にありました。選考者の評価観点(タイプ別)
2にも関連してきますが、面接官のバックグランドや現職によっても面接時の重点評価ポイントが異なります。私の経験から、下記のような傾向があるように感じられました。
戦略コンサル
いわゆる地頭力的な要素をかなり重点的に見てきます。結論ファーストで喋れるかどうかや、説明が構造的かどうか、言語化能力の高さなどを見てきます。質問は簡単に言うと"WHY WHAT(なぜ、それをするのか?)"系の質問をしてきます。
総合コンサル
自身も総合コンサル出身であることからバイアスが掛かっている可能性はありますが地頭力や経験、スキル、マインドなどをバランス良く見てきます。コンサルから事業側に転身する際の適正の有無(泥臭いことができるか、アンラーニングができるか)などもよく見てきます。戦略コンサルと比較すると総合コンサル出身の人は"WHY HOW(なぜ、そのようなアプローチをとったのか?)"系の質問をしてきます。総合コンサル出身者は戦略立案だけでなく、プロジェクトマネジメント(戦略で決まったWHATをやり切る)を仕事として経験してきた人も多いため、このような違いがあると推察します。
PdM
名前の通りプロダクトオリエンテッドな方々なので、クライアントの課題を深掘りする姿勢やエンジニアとどのようにコミュニケーションを取る人なのかを深掘りしてきます。PdMの最も重要な仕事の一つであるプロダクトロードマップ策定の考え方なども問われます。
カスタマーサクセス
こちらも名前の通りクライアントオリエンテッドな方々なので、"for the client"の姿勢の有無を重要視されています。どのようにクライアントの問題を解決したのかや、クライアントのためにどこまでコミットできる人なのかを見ています。
事業会社(主にリクルート出身者が多い)
一定の地頭力×フットワークの軽さがあるかどうかを見ている印象です。筆者の主観で恐縮ですが、リクルート出身の方は地頭力とフットワークの軽さを兼ね備えた方が多いので、同じ人種の人かどうかを重点的に評価していると考えます。"WHY"というより、どんなマインドや価値観を持っている人なのかを探る質問を多くしてくる傾向があります。自身の市場価値(立ち位置)
最終面接で落とされているケースや同じ選考を受けて内定が出た人の経歴を分析すると下記が見えてきました。総合系ファームの規模が急拡大し、総合系ファーム出身者がコモディティ化しつつあるためか戦略ファーム出身でないというだけでほぼ門前払い状態(書類が通らない)ことがしばしば。マネジメント層に戦略ファーム出身者がいる会社は、コンサル = 戦略ファーム出身者でないと採用対象でない傾向が少しあるのでこういった会社の採用を突破することは自身の経歴だと難しい。
主な競合相手は事業会社やスタートアップ経験のある人材。採用側にコンサルファームの経験がない場合、やはりコンサル出身の候補者は事業会社で活躍できるかどうか不安が残るらしく、分かりやすく事業会社での経験や実績のある方との比較だと負けがち。年収的にもコンサルは比較的高いので、そういった意味でも事業会社の出身者の方が有利です。
AIやSaaSなどのホットな領域には優秀な人材が集中しているため、シンプル転職難易度が想像以上に高い。AI × SaaSを事業として行なっている会社なら、おそらく尚更。このレッドオーシャン?な企業の選考では1次か2次面接で落ちるケースがほとんど。
補足:
ノックアウトファクターの存在が転職活動を通じて発見した重要な示唆の一つですが、別記事にてより詳細に解説しています。
こちらの記事もぜひ、合わせてご覧ください。
チューニングポイント
前述の見えてきたことを踏まえて、下記の点をチューニングしました。
想定回答の準備・見直し
面接で聞かれる質問はだいたい同じなので、想定回答を準備していたのですが、ノックアウトファクターを満たさないように内容を見直ししました。詳細は後述しますが、特に強み・弱みに関する質問や転職理由、困難(ハードシングス)をどう乗り越えたか?みたいな質問への回答の際に気をつけないとノックアウトファクターを満たしてしまいそうなので、特に注意して見直しをしました。転職戦略/応募ポジションの拡張
事業開発/PdMのポジションを目指していたものの、直接そのポジションに転職するルート以外にカスタマーサクセス経由で事業開発/PdMに移るルートを検討しました。現在、カスタマーサクセスのプロフェッショナルサービス化(導入をある種コンサル的に今まで以上に手厚く支援する)が業務SaaS領域でのトレンドらしく、コンサル出身者を優遇しているようだったので、そちらのポジションにも応募をしました。
補足:
ちなみにこの打ち手は振り返ってみると少し微妙でした。ポジションが変わると当然、面接官として登場する人のバックグランドが事業開発/PdMの時と異なり、聞いてくる質問や会話プロトコルが異なるため、改めて1から想定回答などの準備をし直す必要があると感じました。選考企業のリサーチ時の要件見直し
AI×SaaSが転職の要件で"AI"にも拘りたかったのですが、現状の勢いのある生成AI関連のSaaS企業(または現状は生成AIに関わるコンサル業メインだが、将来的にSaaS事業を興す予定の会社)はどこも東大の松尾研究室と関わりがあり、戦略コンサル出身人材との距離が近いことから、総合コンサル出身の自身のキャリアでもハードルが高いと感じました。よって、"AI"への拘りは一旦、捨てることにしました。
ちなみに20 - 30社も落選すると段々と自信をなくしてきて、兎にも角にも内定を貰うために転職基準を下げたくなってきます。
幸いにも私の場合は現在の仕事を一刻も辞めたくなるほど、現在の仕事が耐えられないという状況ではなかったので、見直すべきポイントの見直しや多少の要件の緩和("AI"への拘りは捨てる)はしましたが、それ以外の要件についてはグッと我慢して維持することを心がけました。
転職活動の結果
具体的な会社名は伏せさせていただきますが、最終的に私はSaaSスタートアップの新規事業室のポジション(大きな括りではBizDev)に転職することとなりました。
できるだけ年収は維持したかったものの、少し年収は落とす結果になりましたが、かなり理想に近い会社とポジションに転職することができました。
また人事曰く、オファーを頂いたポジションは相当数の候補者が選考を受けたにも関わらず、誰も内定を得られなかった難関ポジションだそうです。
上記を踏まえると、結果的には成功と言って良い転職結果だったのではないかと考えています。
振り返り
結果的に4-5月間ほど転職活動をしました。(正直、当初想定よりは長かったです。)
四苦八苦しながらも最終的に自分で"成功"と思える結果が出せた要因を振り返ってみます。
自身を信じて転職軸・ポジション・自身のスタンスを維持し続けた
20 - 30社も落とされると自身を失いそうなものですが(実際、結構落ち込んだ瞬間もあります)、他人にどう見えようと、これまでのキャリアでそれなり修羅場を潜ってきた自負と自身の能力への自信はありました。
また内定は頂けなかったものの、7-8社に1社は最終面接まで進んでいた(多分、そこまで悪くない打率)ため、自身を信じて基本的な転職軸・ポジションは貫き続けました。
転職市場は生き物で1ロット(7-8社)の選考が終わるころには、これまで募集のなかった新しいポジションがオープンしていますし、1-2年のスパンで見れば新しいスタートアップが彗星のように現れて採用をしていたりします。
なので選考に落ちた会社は縁がなかったと割り切り、大筋の自身のスタンスは変えず、粛々と転職活動を続けたことは大きな成功要因であったと感じます。期限を設けず、腰を据えて転職活動ができた
転職活動には交渉ごとの側面がありますが、交渉は期限がある側が圧倒的に不利になります。期限内に何としても内定を得るため年収希望を下げたり、内定を得られる確度が高そうな会社にランクを下げたりする必要が高まります。面接でもおそらく切羽詰まった感じが必要以上に滲み出てしまい、人材としての魅力度が下がる可能性があります。
そんな中で筆者の置かれた状況は必ずしも切羽詰まったものではなく、場合によっては現在オープンになっているSaaSスタートアップの募集ポジションがすべて受けきってしまったとしても、他のポジションのオープンを待つ余裕はあったことが年収やその他の要件を変に下げずに転職活動を続けられた根底にあります。
重要な学びでしたが、転職活動は"必要に駆られている状態"でやると圧倒的に不利なのです。エージェントに根気強くサポートいただくことができた
自身のスペック(実際能力というより履歴書的な見え方)ですが他候補者に比べ、決してずば抜けているわけではないと思います。コンサルとは言え大手のファームに在籍しているわけでもなく、30代半にして事業会社での明確な実績があるわけでもありません。
それでも難関ポジションに内定を貰えたのは要因は2つで、どちらも、エージェント様に根気強く伴走頂けたからこそできたことだと考えます。何よりも"数"をこなした
率直なフィードバックを得て地道にPDCAを回した
補足
ここまで自身の主観的な観点から転職体験をまとめてきましたが、少し客観性を担保したいと考えて転職を支援してくださっていたエージェント様の視点から私の転職が客観的にどう見えていたのかをコメントいただきました。
よかったら、ご参考ください。