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PR戦略の教科書:理想の企業イメージを築くためのロードマップ ver1.0
はじめに.知見を共有し、みんなと次のステージへ
<当記事を書いた理由>
30代も終わりに差し掛かり、一度、自分の経験や知見を棚卸しして次のステップを目指したい
いろんな経営者やPRパーソンと出会ってきたが、意外とPR戦略の考え方を知っている人は少ない
もっといろんな人と同じような視点で話せることによって、自分の考えを深めて、みんなで次のステージを目指したい
<当記事の使い方>
主にアーリーフェーズのスタートアップ向けの経営者やPRパーソン向けで書いています
上記以外の業界 / 業種のヒトでも、PRを理解するうえで、引き出しを増やすきっかけにどうぞ
伸び悩みを感じているPRパーソンのブレークスルーのきっかけにどうぞ
ということで、このnoteが誰かのgoodstoryに繋がったら嬉しいです。
ぜひ、困っている人や悩んでいる人、もがいている人がいれば、シェアしてもらえると嬉しいです。
Step0.会社と事業の”ありたい姿”を理解する
まず、はじめに知っておいてもらいたいことは、PRはあくまでも、
経営や事業が有利になるための環境づくりをするための手段のひとつであるということです。PRで何かを成し遂げることもなければ、ゴールを設定することはできません。あくまでも、マーケティングの手法のひとつであることを理解してください。
これから、ご紹介するステップでは、課題の把握から、施策の設計まで、順を追って説明しますが、会社や事業がたどり着きたい”あるべき姿”を理解しない限り、クリティカルな戦略とはなりません。
そのため、下記の事項をまずは、正確に把握してください。
□経営計画
(1-5カ年の計画:各年度ごとにどのような状態を目指しているか)
□各事業部の事業計画
(1-3カ年の計画:各年度ごとにどのような状態を目指しているか)
□半期毎の事業計画
(半期毎の計画:半期ごとにどのような状態を目指しているか)
ポイントは、ヒアリングをする際に、より具体的な言葉で整理・表現できるか?ということです。
そのために必要となる能力は、「理解力」と「表現力」です。
経営者やリーダーの誰しもが、具体的な言葉を持ち合わせているわけではありません。
頭の中にある情景を伝えてくれるのですが、それを誰もが理解できる言葉で表現することが得意な人もいれば、そうでない人もいます。
PRパーソンに必要な表現する力で、ヒアリングの中で、抽象的かつ曖昧な表現になっている事項は、理解力や想像力をフル活用して、より深く掘り下げたり、補足したりして、具体的な言葉に置き換えてください。
そうすることで、今後の戦略の具体性や解像度がグッと変わってきます。
このStepを既に終えている方は良いのですが、そうではない方は、まずはトライしてみてください。
Step1.PRを展開していく上で解決すべき課題(理想と現実のギャップ)を把握する
まず、”解決すべき”と書いたのは理由があります。
それは、事業を展開していくにあたり、無数に存在する課題や課題らしきものの中から、解決することで、会社や事業の立ち位置が最も有利な状況になる、インパクトの大きな課題を選りすぐることが大切となります。
ただ、みなさんがやるべきことは、とてもシンプルです。
引き算をしてください。
式は下記の通りです。
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=
理想の状態 - 現在の状態 = 差分
<式を解くためのPOINT>
1.Step0で具体的な言葉にした理想の状態を定義する
2.現在の状態を客観的かつ具体的に言語化する
3.差分の中で、理想の状態への妨げとなっている”壁”を具体的な言葉で定義する
=
イメージで言うと、どんな障害を越えると、一足飛びに目標まで飛び上がれそうか?です。
もっとも大きな障害を課題として設計しましょう。
Step2.動かしたい対象を明確にする
課題の設定ができたら、次は、誰を動かすと、課題解決が有利に働くか?を設計します。
よくPRというと、「パブリック=社会全体」という誤解をする人がいます。
あくまでも、PRはマーケティングの中での一つの手法です。
PRとマーケティングを分ける人が多いのですが、前述の前提に立ち、
動かしたいステークホルダーを、コミュニケーションの対象者を明確に設計します。
<コミュニケーション対象者設計のポイント>
1.目的に応じて対象を設計する
PRの目的に応じて、誰を動かすか?は、変わります。
目的や解決すべき課題に応じて、最適な対象者を設計してください。
2.コミュニティから逆算して対象を設計する
対象を設計する際、だいたいは個を想像しがちですが、
PRという情報戦略、マインドシェアを変えるという手法の場合、
個からではなく、コミュニティから逆算して考えていく方が有効です。
3.誰が聞いても、頭の中で同じような人物が描けるように具体化する
ここはもうこの通りで、誰に話しても、想像ができるようにすること。
共通認識が持てるくらい具体化=言語化しましょう。
ポイントは、どのようなコミュニティに所属していて、
そのなかで、どのような役割、ロールを演じているのか、
または求めているのか、を考えていきましょう。
これこそが、PRにおけるインサイトを探ることであると僕は考えています。
参考図書
スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る
Step3.PRで実現したいゴールを明確にする
Step1-2で、どんな経営・事業課題を、
誰を動かすことで、解決に導くか?に関して、
解像度を高めたと思います。
次は、具体的なゴールを設計することで、
実行しようとしているPRが向かうべき方向性を固めます。
ここが、固まると、いわゆる「戦略」に関して、
設計を終え、次に「戦術・施策」の設計に入ります。
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=
<PRで実現するゴール>
◯◯な自社・事業を△△な自社・事業の認識へ変える
<必要なファンクション>
変化に必要な体験を3つほどに絞って端的に書く
・XXXXXX
・XXXXXX
・XXXXXX
=
<注意点>
このゴールが不明確だったり、
抽象的だったり、的外れな場合、どんな戦術をとっても、
効果的であるといえません。
だからこそ、設計したゴールの状態になれば、
「本当に課題を解決できるのか?」
「経営・事業へのインパクトを出すことができるのか?」
「自社を有利な状況下におくことができるのか?」
を冷静に検証するようにしてください。
Step4.コンセプトをシンプルかつ明確に設計する
次に、戦略を施策に紐づけるために、コンセプトを設計します。
コンセプトに沿った体験を設計することで、
ぶれない情報戦略の展開につながります。
このコンセプトの設計は、コピーライティング力、
言語能力が試されます。
しかし、それは美しい言葉である必要はありません。
本当に必要なのは、
何を、どのようにするのか?が、
明確にわかることです。
参考図書
コンセプトの設計方法に関しては、クリエイティブディレクターの細田さんの本を読むと、わかりやすく解説されているので、興味のある人は。ぜひ、読んでみてください。
↓↓↓
Step5.施策をプロットする
PRの施策をプロットしていくにあたり、
前提としてほしいことがあります。
それは、
・少ない工数で
・最大かつ深いインパクトを与えられる
・コミュニケーションの対象者の口の端にのる
施策をいかに考えられるか?です。
<情報チャネルの設計>
多くのPRパーソンは、アウトプットの手法や情報チャネルをパブリシティを獲得することを第一優先にしがちなのですが、それも正しくはないと思います。Step2で明確にした対象が最も動くメディア・情報チャネルはなにかを再度、見直してください。
その上で、パブリシティが有効であれば、リソースを割くべきだと思いますが、人によって取得する情報が細分化されている現代社会では、正解ではないケースも多分にあります。
参考図書
ここら辺の話は、高広さんの本が勉強になるかと。
↓↓↓
次世代コミュニケーションプランニング
<インパクトファーストで考える>
地道な情報発信も大切ですが、
情報が溢れている中で、そのすべての情報をキャッチしてもらうことは不可能です。
第一に考えるべきは、いかに頭に残るか?と残り続けるか?です。
もちろん、1年のうちに何度も、このようなことをするのは、難しいことです。なので、半期に1回、大きなインパクトを残すことを目標にすると良いかもしれません。ただ、それだけをやるわけではなく、地道な活動も続けた上での話です。
戦術や施策の設計に関しては、僕よりもプロな人が多いですし、
文章量が多くなるので、今回は書きません。
リクエストが多かったり、時間ができたときにまたぜひ。
実はめっちゃ大事なこと
施策の主役は、あくまでもコミュニティケーションの対象にすることです。
プレスリリースでは、自分たちが主語となるのですが、ファンクションとして、あくまでも、自分たちはサポート役です。
「誰のための何をどのように変えるのか?」を意識して設計してみましょう。
もっとも重要なこと.完璧を求めないこと
こんなつらつら書いてきて、あれなんですが、実は、PR戦略を考えると沼にはまり、時間だけがすぎていくという地獄が待っています。
事業成長にとってもっと大事なことは、時間を有効活用して、貢献することになります。
なので、ある一定まで考えて煮詰まったり、どうどう巡りを始めたら、まずは”えいや!”で活動を始めるのが良いかと思います。
幸か不幸か、戦略があっていても間違っていても、何かしらのラーニングは得られます。特に間違っている場合は、反応がなかったり、無風のケースもあるので、適宜、修正していくことが有効だったりします。
まずは、難しく考えすぎず、自分のレベルに合わせて、戦略を設計し、活動し、自分の成長と共に深めていくぐらいが良いと思います。また、ときには、PR戦略をちゃんと設計できるひとにサポートを頼んでください。
正解がないものだからこそ、無理せずに。
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このnoteが、あなたや困っている誰かのgoodstoryにつながることを願っています。
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