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私を救った音楽(5)マルセル・メイエのラモーのクラブサン曲集

うつ病で自宅療養しているある日、いつものように、ゴロゴロしながら、何気なくスマとホでYouTubeを眺めていたら、たまたま見つけたのが、フランスのピアニスト、マルセル・メイエ(Marcelle Meyer 1897-1858)の弾くジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)の鍵盤音楽でした。

この音楽に強く魅かれ、何度も再生しました。

昨年CDを入手し、あらためて聴き直しました。2枚組CD(ERATO)。収録された楽曲のだいたい3/4が1953年の録音、残りが1946年です。デジタル・リマスタリングされた音源(24bit/96kHZと表記あり)。モノラル音源ながら、ノイズも抑えられていて聴きやすい音質です。

マルセル・メイエは、エリック・サティと親交があり、フランス6人組と交流から、プーランクの作品の初演も手掛けています。ジャック=エミール・ブランシュの「6人組の面々」という絵画の中央にメイエが描かれています。その存在感は際立っていますね。

リマスタリングのせいでしょうか、低音が良く響きます。メイエの奏でるピアノには芯があって、トリルが歯切れよく力強い。ピアノに可能な強弱のコントラストをあえてつけず、過度に情緒的な方向に流れません。真摯で率直な表現です。

メイエの確かなテクニックは、新進気鋭の作曲家たちのイマジネーションを高めたかもしれません。

メンタルが弱くなっていた時期の自分にも、ラモーのエッセンスがしっかり伝わってきました。ホ短調の組曲は荒れた心に滲みました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。




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