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コスモスモア 社内デザイン賞レポート  ~社内表彰って必要?~



2022年9月、デザイン賞をリニューアルしました

こんにちは。マーケティング統括部吉町です。
9月。
コスモスモアの全社表彰の一つ、優れたデザインをした設計者へ送る社内デザイン賞をリニューアルしました。

どんな建築をつくっているのか?施工事例をぜひご覧ください!

この記事で伝えたいこと

新デザイン賞は我々マーケティング統括部中心に企画運営しました。
社内表彰の中でデザイン賞は唯一自薦です。応募用に資料をまとめ、応募してもらいます。日々忙しい中で手間であったかもしれません。ですが結果、想像以上の反応と学びを得ることができました。

オフィスも集合住宅もマンションギャラリーもインテリアコーディネートも。
コスモスモアのデザインが一堂に会する。
個人的に面白い結果になったなあと思っております。なぜデザイン賞を新しくしたのか。運営の裏側も含めて、本記事でお伝えさせてください。

偏りつつあった「デザイン注目案件」

新社内デザイン賞の変更点は大きく3つ。設計部門とマーケ部門のマネージャー陣で3回ほど議論を重ね、変更の方針を決めました。


  • 成瀬・猪熊建築設計事務所の猪熊純先生を審査員へ。

  • 審査をオープンなものに。審査フローに従業員投票公開プレゼンを導入。

  • 案件の規模や種類別ではないインテリアもオフィスデザインも大規模新築案件も同じフィールドで審査する。

解決したかったことは下記

1.大型案件以外も評価したい
2.全社のデザインへの興味関心を高めたい

これまでコスモスモアではグッドデザイン賞や海外三大デザインアワードのiF design awardなど受賞歴がありますが、受賞できるのは社会的意義・新規性・デザイン性が備わった案件。必然的に受注額も大きく、応募できる案件が年に1、2件出るかどうかが実情です。ですが、アワード向きかどうかは別でいい作品はたくさん生み出している。様々な角度からデザインへの姿勢をみんなで学ぶ機会にしたいなと思いました。

デザインアワード受賞作品の一部

審査員は「コスモスモアの設計者、デザイナーたちは誰に評価されたら嬉しいか?」などの観点で設計部門と考え、猪熊先生の事務所の門を叩きました。
「面白い取り組みです」とご多忙にもかかわらず引き受けてくださいました。実は二次審査をプレゼンにすること、従業員投票については猪熊さんのアイデアです。プレゼン審査は半日がかりになってしまい、お忙しい猪熊さんにお願いするわけにはいかないと考えていたのですが、猪熊さんからご提案いただき、本当に感謝です。

審査フロー。一次審査は書類審査、二次審査はプレゼン審査です。

応募総数は20件。応募いただいたみなさま、ありがとうございます!

応募期間は夏季休暇を取る人も多い8月。この応募期間はハラハラして過ごしました。応募フォーマットはシンプルにしましたが、それでも資料作成の時間は必要です。誰も応募してくれなかったらどうしよう…

建築案件 7件
インテリア案件 4件
オフィス案件 9件

想定を超える応募数!お忙しい中、応募ありがとうございます!

応募資料の一例

そして従業員投票。60名に投票いただきました。
投票理由は応募者へフィードバックいたしました。
普段業務では交わらない別部署の人からのコメント、竣工写真からでは見えづらいストーリー設計の部分を評価されているコメントは励みになるのではないか?との想いからオープンにしました。

✍︎コメント一部抜粋

【目立たないが内容は面白くこの様なアプローチは社内であまり取り上げられないが大事と思う】
【ビジネスプロポーザルとして、論理的な構成で適切なストーリーができている】
【提案の基本に立ち戻り、顧客を調べ、顧客の要望に沿い、形にするという、理想的なスタイルが実践できていると感じた】

様々な視点がありました

応募概要にページ数を指定しなかったため、想定より多くの資料が集まり、審査資料が膨大なページ数になってしまいました。(300ページ超え…)一通り目を通すのも大変なボリュームになってしまったことは次回への反省点です。にも関わらず、丁寧に読み込み投票してくださった皆様には重ねて感謝申し上げます。

7分間のプレゼン審査。引きこまれる発表が続きます。


猪熊さんにコスモスモア本社までお越しいただき、セミナーで二次審査を開催しました。プレゼンの様子はZOOMで配信、会場も出入り自由としました。

今回、プレゼン審査を組み込んで良かったと思います。❝なぜこのデザインテイストなのか ❞ 、❝ このコンセプトは誰がどうやって導いたのか❞ 、など応募資料では読み解けない意図が明らかになり、より作品を理解することができたからです。質疑応答では「なるほど、ここが審査で迷ったポイントだったのか」などともわかりました。
社内の設計者同士でも意外に互いのプレゼンを聞く機会はありません。
コンペに参加することも多いコスモスモアにとっては、プレゼンの技術を磨くことは必要不可欠です。その意味でも上手なプレゼンを聞いて学べるいい機会でありました。

非常に選ぶのが難しい…と悩まれながら、2点を選出いただきました。


受賞作品の審査コメント

\ 最優秀賞 /
マンションモデルルームのインテリアコーディネート

インテリアプラニング課コーディネートチーム 市村さん

 変化の少ない業界に革命的なデザインを提案し、実現している。小物のコーディネートまで含めてマットで渋いグリーンを取り入れているのはとても踏み切った取り組みであり、よくぞ提案した、と思いました。デザイナーの側から提案し、業界を変えていくことができる。一見ささやかなプロジェクトに見えるが、プロジェクトの規模に関係なく、こんなことができるというのが大きなコンセプトになってくる。小さなデザインではあるが大きな一歩である。これをコスモスモアが手掛けていることが革新的です。手を抜かなければきっとだれかが見ている。そんな想いも含めて最優秀賞に選びました。

猪熊さんコメント

☞受賞時の市村さんコメント
そうそうたる20プロジェクトのなかでまさか受賞できるとは思っておらず、本当にありがたくおもっています。規模ではなく、デザインの部分で受賞させていただいたこともうれしいです。育休復帰から5年間、毎回応募していたのですがコーディネートが受賞できる機会はなかなかありませんでした。今回のデザイン賞の形式で初の受賞ができ、本当にうれしいです。


\ 優秀賞 /
食品メーカー様 テストキッチンリニューアルプロジェクト

ファシリティ事業部ストラテジックデザイン課 高田さん

キッチンではあまりやらない見られるキッチンを堂々と作り上げあっというまにファンになってしまう特殊なデザイン。竣工写真をみてもパースより作りこまれており、手札の多い設計が素晴らしい。それに加え、プレゼン・資料の作り方にシンパシーを感じました。クライアントが気づいていない良さを引き出すために掘り下げていく姿勢はプレゼンとして成功しており、プレゼンを通じた顧客との信頼作り、そこから作品を生みだしていくプロセスが設計者のスキルとして高い。

猪熊さんコメント

☞受賞時の高田さんコメント
この物件はお客様の思いやこだわりがたくさん詰まっていて、それに応えるべくプロジェクトメンバーみんなで取り組んだものなので、優秀賞をいただくことができて、本当に嬉しいです。
初の試みのプレゼンでは猪熊先生と直接お話する機会もあり、今後の設計業務においてもとても励みになりました。


従業員投票1位の作品には審査員特別賞が送られました。

\ 審査員特別賞 /
オフィス移転プロジェクトのコンサルティング・オフィスデザイン

大阪支店ストラテジックデザイン課 岩本さん

各エリアの設計密度が高く、場所ごとの設計テイストの幅が広く設計スキルが高い。特にVIPエリアのデザイン性の高さとワークエリアの柔らかい感じの両極端の使い分けがうまい。様々なクライアントに提案するコスモスモアで顧客の要望に合わせてデザインができる幅の広さがあることは大事なことであると思います。

猪熊さんコメント


受賞時の岩本さんコメント
皆さんから自分の設計が評価していただけたことが非常にうれしいです。
自分らしいデザインができるように今後も設計力を磨いて精進します。
皆さんありがとうございました!


これからのコスモスモアデザイン賞

プレゼンからあふれ出るクライアント様への想い。素材やディテールの一つひとつに理由があり、狙いがある。案件と向き合うひたむきな姿勢を知ることができました。
受賞された市村さんと高田さんはコスモスモアでの経験も長いベテランです。実力派であることは私も重々承知でしたが、お二人とも子育て中のママさんでもあります。時間に追われる日々のなかでもトレンドをキャッチしての設計、デザインの技術を磨き続けていることに尊敬しました。

さて、当初解決したかったことを振り返ります。

1.大型案件以外も評価したい
2.全社のデザインへの興味関心を高めたい

1.は達成できました。
2.は一朝一夕にできるものではありませんが、一歩を踏み出せたと思います。

今回審査基準を細かく設定しませんでした。
従業員投票にも「『満足を超える感動』にふさわしいデザインはこれだ!と感じる作品に1票投票ください。」と書いたのみです。投票する際迷った方も多いと思います。
デザインテイストだったりコンセプトメイキングだったり、投票の決め手は様々だったようです。それぞれが考える「いいデザインとはなにか」に触れられたのは興味深かったです。

コスモスモアはいい場づくりをする企業です。営業、PM、施工、設計とそれぞれの領域でこだわりと信念を持って場づくりをしています。この新社内デザイン賞がデザインの力を発展させる文化の一つになるといいなと思います。

審査会での猪熊さんのお言葉が印象深く心に残っています。

デザインから業界にインパクトを与えることができる。要望に応えておしまいではなく、その先を目指す。手を抜かなければきっと誰かが見ている。

改めて、審査を引き受け、多大な学びを与えてくださった成瀬猪熊建築設計事務所の猪熊純さま、応募した設計のみなさま、投票した従業員のみなさま、ありがとうございました。

本日の書き手:吉町




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