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vol.04 Little People in the City...アニメとゲーム、窓で旅する世界、オープンデータ

2020/07/22 配信記事
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今日からオリンピックだったんだなぁ...。
そう思うと、あまりにも違ってしまった現実の風景に、改めて今回の出来事の大きさを痛感する。

日常生活はというと、意外と変化に順応していくもので、すっかりリモート生活も板に付いてきた。家の中で本や映画などを観て、想像の世界に浸ることで、ちょっとした旅に出た気分になってみるのも、それはそれで豊かだ。現実がはちゃめちゃになればなるほど、虚構の世界に惹かれていくのも不思議とわからないでもない。最近では、それが虚構で終わらず現実世界に多大に侵食してきているのも面白い現象だと思う。コロナ禍で流行した「あつまれ動物の森」では、ついに仮想空間上で会社説明会や面接を行う企業も出てきたという。「現実は小説より奇なり」という言葉があるが、虚構だったはずの世界の方がずっと安全で居場所を感じられるのかもかもしれない。そんなことを考えている私たちの頭の中を、今週もご紹介していく。

by Yukako

🎧 Podcast New Release

【#16】都市とアニメ・ゲームについて
👉https://is.gd/edC7RZ

在宅ワークや外出自粛が続く中で、アニメやゲームなどのエンタメに救われた人もいたのではないだろうか?今回のポッドキャストでは、都市・建築の観点から、ユニークなアニメやゲームを紹介していく。ある都市を舞台にしたアニメや、都市計画の仕組みを学べるゲームなど、アニメやゲームに精通していない我々なりに、アンテナに引っかかったトピックを取り上げてみた。

👀 Good News of the Week

「窓」から世界を旅する。知らない誰かさんの窓を覗ける、WindowSwap
家で過ごす時間が増えた今、自宅の窓から見える景色に飽きあきして、過去の旅行写真を眺めはじめた人も多いのではないだろうか。WindowSwapは、世界中のさまざまな建物の窓から、外の景色を覗けてしまうサービス。シンプルなアイデアだけれど、クリックひとつで、フィリピンからイギリス、トルコからブラジルへと、次々と窓をホッピングできるのは結構楽しい。窓から見える景色も、風情ある街並みから緑豊かな庭、都会の喧騒など、さまざま。オープンソースなので、自分の窓も投稿できる。誰もがみんな、富士山や紅葉が見渡せる美しい窓を持っているわけではない。自分の部屋から見える代わり映えのない景色に息が詰まりそうになったら、旅行気分で、そっとぽちぽちクリックしてみてはいかがだろうか。

まちの情報はどのように可視化できるのか。ニューヨークのオープンデータの事例から考える。
コロナウイルス感染症の影響で、信頼のおける情報の重要性を、多くの人が痛感したのではないだろうか。都市の領域でも、市民に対してデータの透明性を担保するサービスやメディアが増えてきている。前回のポッドキャストでゲスト出演いただいた古澤えりさんに、ニューヨークの事例を教えてもらった。Zolaは、ニューヨークの都市計画局がゾーニングや土地利用の情報をインタラクティブな地図にして公開するサイトだ。視覚的に、それぞれのエリアが土地利用上どのようなカテゴリなのか、一目瞭然で分かる。「measure」ボタンで地図内の距離を測れる機能も良い。NYC OpenDataは、ニューヨークのオープンデータのポータルサイトとして長く運用されており、データの扱いに慣れていない人から上級者向けまで様々な形で活用できるようになっている。データを活用した様々なプロジェクトも紹介されており、Keeping Track Onlineというサイトでは、エリアごとの子供の健康指標が可視化されていたり、地域のリソースを具体的に知ることができる。

👭 Our Urban Diary

建築家ユージン・ソレールとの出会い by Mariko
インスタグラム経由で、建築家のユージン・ソレール(Eugene Soler)と知り合った。私が京都で行っているレジデンス・スペース「Bridge To」に興味を持ってくれたことがきっかけだった。風を視覚化した大規模野外インスタレーション「Kyoto Urban Wind Installation」などで有名な彼の作品は、私も京都で見たことがあった。京都市の姉妹都市であるパリでは、毎秋「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」という、一夜限りの現代アートの祭典を行う。ここに着想を得た京都の「Nuit Blanche Kyoto」で、去年、「ephemeral urbanism(その場限りのアーバニズム)」という作品を見た。白川を舞台に、建築インスタレーションとお茶会、能のパフォーマンスが融合した、その場限りの幻想的な経験だったことを覚えている。彼は現在、奈良に古い物件を購入し、自身でリノベーションをしながら新しいクリエイティブ・スペースをつくる計画を立てているようで、実際に物件に案内してもらった。建築系の学生が数週間単位で滞在しながら、日本の建築技法などを学べる空間になるようだ。彼の幻想的な建築インスタレーションと新しい場づくりに、今後も目が離せない。

LITTLE PEOPLE IN THE CITY by Yukako
先日、友人が一冊の素敵な本をくれた。彼女が持っていた本を、私があまりにも一生懸命みていたようで、「持って帰りなよ」とプレゼントしてくれたのだ。2008年初版の「LITTLE PEOPLE IN THE CITY」という写真集で、ロンドンをベースに活動するアーティスト・Slinkachuの作品集だ。彼は、ストリートにミニチュアの人形を設置することで、都市の様々な側面を切り取っていく。指先ほどの小さな世界で、都市の大きな問題を表現していたり、都市の中で見落とされがちな小さな違和感を、街にある素材を思わぬ形で見立てて表現してみせる。何より、シニカルでユーモアのあるセンスが魅力的だ。ホームページやインスタグラムでも彼の写真が見れる。添えてあるタイトルにも、是非注目してみて欲しい。

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次回の配信もお楽しみに。
石川由佳子 / アーバン・プロジェクト・ディレクター(WEB/instagram) 
杉田真理子 / 編集者・リサーチャー(WEB/instagram

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