【学生議論企画③】チームで目標の共通認識を取るには?
「活躍できる人しか、リーダーはできないの?」
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こんにちは、ビルド責任者の松野です。
今回も、夜な夜な学生同士でリーダーの視座で議論を行いました。テーマは「チームで目標の共通認識を取るには?」です。
はじめに
何故このテーマ?
学生リーダーたちの課題意識として最も多いのが、「メンバーのモチベーションを上げることが難しい」ということです。
以前議論した際に、「学生のよくある課題感」として①目標の共通認識を取る難しさ②権限移譲の難しさ③そもそも「頑張れるかどうか」は才能では?組織でのモチベーション向上には限界がある、という3つのテーマが挙げられました。
今回はその①について、リーダー経験のあるビルド生たちが自身の経験を基に場面想定をして解決策を議論しました。
ビルド生同士でナレッジシェアをするだけにとどまらず、リーダーという役職とは程遠い「社会人1年目」を想定し、自らが起点となって目標遂行のために認識をそろえるにはどうすればよいか?を考えてもらいました。
学生レベルのリーダーシップを越えて、社会人になってすぐの、リーダーという役職が付されていない状況での「フォロワーシップ」についてみんなで考えてみます。
場面想定してみた
今回は、ビルド生6名が集まり、「チームで目標の共通認識を取るには?」というテーマで議論してみました。今回は場面想定型の議論を行っており、通称「MBL(Master of BYLd Leader)」という企画として参加者を募っています。※MBAをもじりました
想定した場面は、以下のような「新卒1年目でKPI達成に向けて目標を追う状況」です。
◆
あなたは新卒1年目のスタートアップ新入社員です。
企業全体のKGIとして、売上15%UPを掲げています。そんな中で、あなたが配属されたマーケティング部門では、新規問い合わせ件数150件/月をKPIとして掲げています。同じ部門に配属された新入社員はあなたのほかに5名いて、自分以外のメンバーは「達成不可能ではないか?」とKPIの達成可能性に懐疑的です。あなたとしては、ストレッチな目標でありながらも新入社員で協力し合い、数値を達成したいと考えています。
この状況下で、自分以外の新入社員が、上司の提示したKPI達成に向けて目標に賛同してくれるようにするために、どのような行動をとることができますか?
リーダーとして普段どのように目標の認識をそろえているか、
ナレッジシェアしながら、上記問いに対する答えを提案してください!
◆
みなさんだったら、どう考えますか?
参加メンバー
●1班
■れいや|地域の協働子育てコミュニティ代表。すでに3年間リーダーを務め、高校生~おじいちゃん・おばあちゃんまで広い年代と関係を構築する。
■りま|大学内最大最古の国際系団体の日吉代表として、様々なイベントを開催。新歓では、目標を大幅に超える400名以上の新入部員を獲得。
■まゆ|国立大学女子バスケットボール部で、1年冬~主将に。毎年のように退部者が出ていた部活で、一人も退部者を出さず部員数も倍増させた。
●2班
■せーよー|大学二年から個人事業主として開業。補助金の申請書類作成代行を格安で請け負う営利の学生団体やバー、無人書店の運営を行う。
■ふくおか|1台1人乗りのレーシングカーを0から設計する部活にて、リーダーを務めた。日本新記録で日本一に。
■みゆ|フィリピンの語学学校のインターンで、労働環境の改善にリーダーとして取り組む。結果として、4ヶ月で時間外労働50%以上削減。
いざ、議論!
班ごとのアウトプット
1班
メンバーとモチベーションがずれた経験について、各自思い返してみた。
目標自体に自信がない人に対してどうアプローチするか考えたときに、プレイヤーとして活躍することが前提であるから、まずは自分が結果を出すべきだと思う。
同時に、信頼を獲得するために実際の仕事以外の時間(食事など)でメンバーとコミュニケーションをとることで解決したい。
会議内で信頼関係を構築するのは難しいので、場外で信頼関係を構築していきつつ自分がまずは成果を出すことが必要だと思う。
2班
今回は自分が役職としてリーダーというわけではなくメンバーと並列の関係なので、自分からメンバーへ動機付けをするのは違うと思った。だから、上司に根回しをして上司から動機付けに動いてもらうことを考えた。
ダメ上司のパターンとして2つあると思っていて、それぞれ2パターンの上司に対してのアプローチを検討してみた。
上司Aパターン|同じ抽象度で話してくれない場合:目標遂行のために不安に思っている箇所を書き出して、テキストでコミュニケーションする。
上司Bパターン|丸投げされてしまう場合:上司とのコミュニケーションを自分から取りに行って、上司が我々に情報を伝達しやすい雰囲気を作る。
班どうしのディスカッションをPickup
◆れいや:ご飯会のハードルを下げるには、何か代替案は思いつきますか?1班では仕事外で信頼獲得することを考えたのだけど、昨今ご飯に誘いにくい現状がある気がする(時代柄)。
・ランチMtgにするのは?仕事だと割り切りやすくなるんじゃない?→それだと、ノリとしては固くなるので逆効果では?
・トイレで横並びになるのは?横並びで1on1すると深いことを話しやすい。男子も女子もできる気がする。女子はメイク直しとかの時間があるから、そのタイミングでラフにコミュニケーションをとるのは一定ありかも。
・あとは、タバコミュニケーションで相手との意見交換が深まる可能性を挙げたい。タバコを吸いあう場面では、深い話をしやすくなるらしい。
◆1班の解決策としてまずは自分が達成しようと頑張る、という意見があった。ただ、これだけだと他の同期から「あいつ、気に入られようとしていないか?」という目線を向けられる可能性はあると思う。その中で、場外で信頼獲得するために仲良くなっておくことは良さそう。
・場外で信頼を獲得するうえで、業務における悩みや愚痴に近いものを共有するというのも1つ手段としてありそう。気に入られようとしているわけではなくて、みんなで頑張りたいんだ、自分もみんなと同じ目線で大変なんだ、って伝えてみる。自分は優れているわけではないよって。
◆みゆ:リーダーって自分が活躍していないとできないのだろうか、というのは1班の意見を聞いていると考えてしまったりする。自分は能力が高いわけではないが割り切ってリーダーをしていた。しかし、結構その状況に悩んだこともあった。
・MLBだと1回も試合出ていない人が監督なったりするのでべつにいのではと思う。ただ、ケースバイケースではあるよね。
・マネジメントの適性>>成果を出しているかという場合もあるので、活躍できるか?は必要十分条件ではないとは思う。ただ今回の場合だと、0ベースの新人なので、自分でまずは力を発揮しないと信頼を獲得しにくい気がする。
・自分のインターンの経験として、会社では、結果を出したら昇格して上流の思考をすることが仕事になっていくと思う。上流の仕事をしていくにあたって、どんどん現場の解像度が荒くなっていくことを体感した。現場の解像度を一度つかまないと、荒いままで机上の空論を現場の社員に向けて、つまりリーダーからフォロワーに対してアウトプットしてしまう。マネジメントの適性があるからマネジメントから‥‥というのは、そういう意味で言うと難しい。活躍の実績は無くてもいいかもしれないが、ある程度現場のことは知らないといけないよね。
・つまり、活躍すると客観的な承認を得やすいというだけではある。リーダーをするに値する、というのが分かりやすいっちゃ分かりやすいんだと思う。リーダーとしてもやりやすくなる。しかし、必須かどうかという話は違うと思う。活躍する人は結局、目的達成への意識が強い。強いと頑張るし、活躍しているように見える。意識が強いからこそ、リーダーとしていろいろ考えてやっていけるので、にわとりたまごな側面はある。
・自分がそこまで活躍しているわけではない中でリーダーしないといけない。ただ、上記の意見につなげると、自分がリーダーとして動きやすくなるためのいち手段=活躍することだと思った。
・活躍していないとリーダーになれないか否かについては、メンバーの成熟度による気がする。メンバーの成熟度が高い場合、自分が仕事しなくても自分が業務の整理やマネジメントに徹することができるのかもしれない。この状況だと、自分が仕事が出来たり、活躍した実績を持っていたりする必要がないのかも。
メンバーから~実際、普段どうやって目標の認識をそろえている?~
(再掲)参加メンバー
●1班
■れいや|地域の協働子育てコミュニティ代表。すでに3年間リーダーを務め、高校生~おじいちゃん・おばあちゃんまで広い年代と関係を構築する。
■りま|大学内最大最古の国際系団体の日吉代表として、様々なイベントを開催。新歓では、目標を大幅に超える400名以上の新入部員を獲得。
■まゆ|国立大学女子バスケットボール部で、1年冬~主将に。毎年のように退部者が出ていた部活で、一人も退部者を出さず部員数も倍増させた。
●2班
■せーよー|大学二年から個人事業主として開業。補助金の申請書類作成代行を格安で請け負う営利の学生団体やバー、無人書店の運営を行う。
■ふくおか|1台1人乗りのレーシングカーを0から設計する部活にて、リーダーを務めた。日本新記録で日本一に。
■みゆ|フィリピンの語学学校のインターンで、労働環境の改善にリーダーとして取り組む。結果として、4ヶ月で時間外労働50%以上削減。
過去にどうやってリーダーとして目標の認識をそろえようとした?
■れいや|言葉を交わし、経験を共にすることで共通言語を増やすこと。目標をみんなで話し合って納得の上で決める。
■りま|どのように目標を設定したのかによるのですが、私の場合は具体的な数値だけを設定するのだけではなくそこにビジョンを添えることで、何のための目標であるのかということをお互いに確かめ合いました。
■まゆ|ビジョンの共有。チームで達成したい最終目標に加えて、少し先の小さな目標を提示し続ける。
■せーよー|
■ふくおか|目標とそれに伴う背景をメンバーと一緒に考える! 前提:同じ言語で目標を語れる=目標の認識を揃えるだと思っています。
■みゆ|目標の設定の背景をメンバーに共有する。チーム全体の目標を個人の具体的なアクションに落とし込む。
施策がうまくいった理由/うまくいかなかった理由
■れいや|子どもにとっていいこととは何か、みたいな誰でも感覚があることを話し合っていたことと、メンバーの人数がそこまで多くなかったことがうまく行った理由だと思っています。
■りま|比較的うまく行きました!目標を設定するだけではなく、目標の意義まで皆が納得する重要性を感じていた。
■まゆ|モチベーションの維持につながったし、達成感・小さな成功体験を継続的に得ることにつながった。
■せーよー|
■ふくおか|一緒に目標とその背景を考えることで、お互いの目線感が目標という共有事項を通じて言語化され伝わるため
■みゆ|うまくいった理由:メンバーの「何をどうすれば達成できるか」を考える負担をなくすことで目標に向かいやすくなったから。ただ、リーダーが行動を指定することで短期的な結果は出しやすいが、メンバーの主体性はあまり伸ばせないかもしれないと思うので、徐々に一緒に考えていけるようにしたい。
おわりに
議論に正解はない
ビルド責任者の松野です。
今回も面白い議論が繰り広げられました。1班はメンバーに対して自分から信頼獲得をしていく方法を、2班は上司に対してアプローチする方法を選んでおり、全く異なる方向性で解決策を考えていますね。
ちなみに、解決策には正解はないと思います。ではなぜ議論するのか?
それは、マネジメントをするリーダーの役割を社会で担う前に、リーダーシップのN=1を多く知っておくべきだと考えているからです。社会に出てから、上司はコロコロ変わりませんし、実はリーダーのHowtoを実際に聞きだすのは難しいと思います。
学生の段階で、リーダーシップのタイプやそれぞれのナレッジを聞いておくことで、課題に対面したときに多様な解決策を携えて、場面に応じて柔軟に対処できるようになるのではないでしょうか。
メンバーより、今日の感想
■れいや|やっぱ、リーダー経験してる人と話すのは楽しい!!
■りま|リーダーはスキルも能力も完璧である必要はないという認識を確認できたことが私の中ではものすごく励みになりました。それから目標達成する上ではリーダーというのは「立場」でしかなく「自分がどうそこで役割や価値を発揮していくのか」の方が重要だということを実感しました。
■まゆ|他の人に自分の考えを表明して共感してもらう機会はなかなかないので、貴重な経験になった。
■せーよー|それぞれの意見が面白かったです。どんどん議論が深まるのが
■ふくおか|リーダーをうまく活かすためには、フォロワーシップが大事だと再認識しました!
■みゆ|色んなメンバーのリーダー観(特に仕事上での)が知れて面白かった。ケーススタディだったので議論しやすかったです。
今回も、読んでいただきありがとうございました。
次回も、お楽しみに!