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デザインの視点から中小企業を考える「東京ビジネスデザインアワード」とは?

グッドデザイン賞を主催する日本デザイン振興会では、自治体や行政機関などがデザインを活用して地域行政や産業を振興したり、地域社会の活性化を支援するための事業の企画立案と運営を行なっています。
今回は、今年で12年目を迎えた「東京ビジネスデザインアワード」(以下、TBDA)についてご紹介します。

現在デザイン提案を募集中のTBDA。立ち上げ時から「ビジネスデザイン」を掲げ、中小企業の経営とデザインについて考えてきました。


TBDAとは?

東京都内の中小製造企業と全国のデザイナーとの協業を通じた、オリジナルブランドやビジネスモデルの開発を目的とするデザイン事業提案のコンペティションで、2012年からスタートしました。

まず、ものづくりを主軸とする中小企業が持つ高い技術や特殊な素材ノウハウなど、オリジナリティの高い事例をテーマとして選定。それに対して全国のデザイナーから新規用途開発を軸としたビジネスプランのデザイン提案を募集し、マッチングします。

目的は、一過性のコンペティションではなく、その後実際に協業していくこと。新しいビジネスの実現に向けて、企業の能力と、デザイナーの優れた課題解決力・提案力とを相乗させるため、伴走・通貫型の支援を行うことが特徴です。また、知財戦略・デザイン契約、広報戦略、販路開拓、デザイン開発導入のためのセミナーやワークショップなどを包括的に実施しています。

ビジネスをデザインする

ここで、注目しなければならないのが「ビジネスデザイン」という言葉です。自社の特殊技術を活かしたかっこいい商品を作ってそれで終わりでは、ただ在庫の山ができてしまうだけ。商品企画という入口から、販売戦略という出口まで、デザイナーが設計しビジネス提案をするのがこのアワードのポイントです。

そのためには、企業の技術の良さを引き出しながら、狙う市場とターゲットまでを提案する必要があります。

これまで、企業テーマとして採用された中小企業の「技術」「素材」は110件以上。これに対するデザイナーからの提案数は、延べ1,300件以上を数えます。これまでに国内外で60万個以上を売り上げた商品をはじめ、20件以上の製品化に成功。現在も複数のプロジェクトが進行しています。

昨年度の審査委員の皆さんにも、ものづくりや中小企業のデザイン導入についてお話しいただきました。こちらもご覧ください。

これまでグッドデザイン賞を受賞した事例

東京ビジネスデザインアワードでは、1年間のアワード期間終了後、さらに1年間、事業化のための支援が続きます。

数々の事例が製品化を実現してきましたが、製品化後、グッドデザイン賞の一次審査が免除されるのも企業やデザイナーにとって大きな支援のひとつ。これまでにグッドデザイン賞を受賞した対象の一部をご紹介します。

さかなかるた(2020年度最優秀賞

SONAIR(2017年度優秀賞)

PageBase(2019年度テーマ賞)

METALFACE(2018年度最優秀賞)

Ikue(2016年度最優秀賞)

2023年度も10月30日まで、デザイナーやプランナーからの「デザイン提案」を募集しています。

募集期間は2023年9月5日(火)から10月30日(月)14:00まで。

また、過去TBDAからビジネス化した、チーム"METALFACE"(2018年度最優秀賞)のkenma 今井 裕平さんと技光堂さんをお迎えして、ビジネス×デザインの観点でアイデアを練り上げていったご経験や、実際に協業している現在のお話を伺います。

リアル開催のみですので、当時の応募企画書も大公開して、コンペに限らず、クライアントが選びたくなる企画書のまとめ方、企業目線で選びたい企画書のポイントなど、ここだけの話ありのイベントを9/21@六本木(東京ミッドタウン・カンファレンス)で開催予定です!皆様、是非ご参加お待ちしております。

イベント詳細は以下のリンクから!