介護業界必見!他業種から学ぶ、持続可能な経営と人づくりの秘訣
不況と言われる状況でも、どの業界にも圧倒的な成果を出している企業が存在します。そして、そうした企業の経営方針や戦略を学び、取り入れることが重要です。介護業界が他業界から学べることは多くあります。特に飲食業界は、人材の確保が難しく、定着率が低いという点で介護業界とよく似ています。ありがたいことに、そういった困難を乗り越え、成功している企業は、テレビの情報番組などで取り上げられ、その成長の仕組みを分かりやすく説明してくれるので、とても勉強になります。
今回ご紹介したいのは、「ねぎしフードサービス」という会社です。牛たん、とろろ、麦めしのセットで爆発的なヒットを生み出し、2011年には日本経営品質賞を受賞しており、「100年企業への人財共育と風土づくり」というビジョンで経営されています。このビジョンだけでも、社長の強い想いが十分に伝わってきます。
成長の仕組みはいくつもありますが、私の印象に残ったのは、その出店戦略です。人材を優先する出店という考え方から、人が成長しないと出店しません。勢いに任せて次々と出店するのではなく、質の高い店舗を運営し、地域社会に貢献するためには、人材の成長を待ってから出店するという信念があるのです。
サービスに関して、食事中のお客さんが席を外し、店外で電話をしている間、戻ってきた時に店員が「スープとご飯を温めましょうか?」と声をかけるなど、細やかなサービスが自然に行われています。こんなハイレベルな接客が自然にできるのは、感動的です。私自身、こんなサービスを受けたことも、見たこともありません。
接客の基本は「人」です。料理の味はどの店も力を入れてくるため、差別化が難しいです。だからこそ、この会社は「人づくり」に徹底的にこだわっています。過去にはスタッフの引き抜きに悩まされたこともあったようですが、お金で動くスタッフは、またお金で動くと考えて、「スタッフが自分たちで考え、自分たちのために働く店づくり」へと経営方針を転換して乗り切りました。
今では、各店長が経営方針や計画を自ら決めるという組織体制に変わり、若い店長の「責任は重いが、やりがいが圧倒的に違う!」という言葉が非常に印象的でした。長くなったのでまた次回に続けます。