辞めたくなる前に!新入介護職員の心を支える研修の重要性
介護事業所の新入職員を対象に行う研修があります。この研修の大きな目的は、介護の仕事に対するモチベーションを高く保つこと、そしてコミュニケーション力を向上させることです。きれい事を並べるのではなく、現代の社会状況や予想される未来について触れながら、「介護という仕事がこれからどのように変わっていくのか」「そのためにどんな意識を持って仕事に取り組むべきか」というメッセージを伝えています。
介護の仕事に対する価値観は人それぞれですが、介護業界がこれから社会でどれほど必要とされるのか、また介護が中心となって社会がどのように変化していくのかを共有することは重要です。同時に、「介護の仕事は大変だけれど、こんなに素晴らしい一面がある」といった仕事の魅力をしっかりと伝える必要があります。この熱意を持って研修を行うことが肝心です。
よくあるケースですが、新入職員が「想像以上に仕事がしんどいから辞めます」と言った後で介護の良さを伝えようとしても、手遅れです。それは、風邪をひいてから予防注射をするようなものです。「今は大変だけど、これを乗り越えたら…」と説得しても、「なぜ辞めると言った今になってそんな話をするのか」と逆に反感を買うこともあります。そのため、当然のことながら、風邪をひく前に予防注射をするように、実際の仕事に入る前にしっかり準備をしておくことが大切なのです。
研修の場を活用して、自分が人生でどんなことをやりたいのかを明確にし、それを仲間たちと共有することは大切です。以前の記事でも、個人のモチベーションを把握してから経営理念に繋げる重要性について触れましたが、新入職員にとってこれは特に外せないプロセスの一つです。ここを曖昧にしてしまうと、自分が頑張る理由がわからないままとなり、ちょっとした失敗で挫折してしまうリスクが高まります。
しかし、自分がやりたいことを実現するための一歩だと考えれば、失敗への捉え方も大きく変わります。これは、研修の中で必ず行うべき重要な取り組みの一つだと感じています。長くなったので次回に続けます。