ちびたの本棚 読書記録「ハロウィーン・パーティ」アガサ・クリスティー
またもや友人のアリアドネに助けを求められたポアロさん。女の子が殺された事件解決のため郊外に出かけていく。
今回は事件が起こってからすぐにポアロさんが登場する。「マギンティ夫人は死んだ」の誠実で実直な元刑事のスペンスに協力してもらう。
この作品では、元来のポアロさんの推理過程が丁寧に描かれていてうれしい。じっくりとパーティーの関係者ひとりひとりに聞き込みをしていく。たとえ相手が子供でも、大人に対するのと同様に紳士として礼儀を尽くす。でも知りたいことはしっかりと相手に語らせる。
それにしてもおしゃれなエナメルの靴で田舎道を歩くのは、さぞかし骨が折れることかと思うが、ポアロさんは決して自分の美学を崩さない。たとえ足が痛くなってもあくまでもおしゃれでスマートだ。
あんなにリンゴが好きなアリアドネが気の毒になった。このハロウィンパーティーの以前のように、彼女の部屋や車にリンゴがゴロゴロしている、そんな日常に戻ればいいなと思う。
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