あなたのいばしょ
今日も今日とて消えてしまいたい。
とはいえ、なんだかんだ死ぬのは怖いし、死ぬべきじゃないのも分かっている。如何せん、とこれまで何十回と各種いのちの電話に電話をかけたが、繋がったことはない。
午前3時、いつも通り厚労省の自殺防止サイトを彷徨っていたら、「あなたのいばしょ」というSMS相談窓口を見つけた。
あなたのいばしょ。温かくて素敵な名前だ。その名前を見るだけで、僕は涙が溢れた。
きっと電話と同じく忙しいだろうけど、だめもとでメッセージを送ってみた。すると、応答があった。
40分間、とにかく必死に、死にたい思いを綴った。友人や恋人、誰にも打ち明けられない、真っ暗な思いを。
周りの人に負担をかけたくない。
でも一人で希死念慮を抱えるには辛すぎる。
本当は誰かにずっと抱きしめられたい。
相談窓口の方は、ひとつひとつ僕の言葉を受け止めてくれた。誰かに甘えることに強い抵抗がある僕に、友人や恋人を頼るのは責められることではない、と言葉をくれた。
相談窓口の方は、ボランティアだそうだ。無償で他人の希死念慮を延々と聞くなんて、窓口の方まで心がだめになってしまわないだろうか。とても心配だ。
どこの誰なのか分からないけれど、午前4時まで、本当にありがとうございました。あなたに幸せなことがありますように。
ただ、調べてみたら、この窓口には色々ややこしい裏事情もあるやないや。
単に素敵なサービスなのか、裏で政治の力が動いているのか、僕には難しくて分からない。でも、庶民の端くれの僕は正直、十分メリットを享受できた。
相談することで、死にたい気持ちがゼロになったか、と言われると全くそうではない。
ただ、ここ(note)と同じで、自分の気持ちをどこかで誰かが受け止めてくれた、その事実が尊くて嬉しかった。
名の通り、僕は居場所が欲しかったんだと思う。
僕もいつか、誰かのいばしょになりたい。