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「栄養素の優等生」~意外と知らないタマゴの事~
タマゴ料理、お好きですか?
甘いものやしょっぱいもの、いろんな味付けのある「玉子焼き」、日本人にはおなじみの「卵かけご飯」、人によって固さにこだわりのある「ゆで卵」etc…。日本人の一人当たりのタマゴの年間消費量は約330個。タマゴを使わない料理を食べない日はほぼない、と言えるほど身近な食材ですね。
そういえば、「卵」と「玉子」。同じ意味、読み方でも漢字が2つ。この2つは何か違いがあるのでしょうか。また、どのように使い分けるのか、ご存知でしょうか?カラを割る前にちょっと考えてみませんか?
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生物学上の違い
一般的に、生物学上では、孵化を前提としたものを「卵」と書き、調理されたものや食材に使用するものは「玉子」と使い分けるようです。ただし、食材に使われるものでも、「魚卵」というように、魚類のものは「卵」と表現されます。「玉子」は基本的にはニワトリをはじめ、鳥類のタマゴに使われるようです。
ちなみに、まだ一人前でない人を「〇〇の卵」などというように表記したりしますが、それは「これから一人前になる」という事で、孵化にたとえたものになるので、こちらは「〇〇の玉子」ではなく「〇〇の卵」という表現になります。
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料理ではどう違う?
では、「玉子焼き」や「ゆで卵」といった料理の中での使い分けはどのようになるのでしょうか。
レシピに材料として記載される場合や、「卵かけごはん」といった、火を通していない、生のタマゴを指す場合は「卵」、玉子焼きのように火を通して調理したものは「玉子」という区別の仕方があるようですが、「温泉玉子」や「ゆで卵」があるように、実はこれは正確な使い分けは決まっておらず、「卵焼き」、「ゆで玉子」でも間違いではないのです。
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色が違うのはどうして?
余談ですが、お店で売られているタマゴには白色、赤色、ピンク色の三種類があるのはご存知ですか?
これらの色の違いは、一般的にはニワトリの羽の色の違いで変わってくるそうです。
白い羽は白い卵を、茶色の羽のニワトリは赤い卵を、白と茶色の羽がまだらなニワトリがピンク色の卵を産むようです。味にも違いがあって、白はさっぱり、赤はコクがあり、ピンクはまろやかな味わいだそうですよ。
ちなみに、色による栄養価の違いはありませんので、お好みで選んで大丈夫です。
タマゴ=タンパク質 だけじゃない!
栄養価の話が出たので、卵の栄養素についても調べてみましょう。
タマゴに含まれる栄養素といえば?と聞かれて、いくつ言えますか?
実はタマゴには、食物繊維とビタミンC以外のほとんどの栄養素が含まれているのです。
タマゴは「価格の優等生」と言われていますが、「栄養素の優等生」でもあるんですね。
タマゴに含まれる主な栄養素(Mサイズ1個可食部約50gあたりで算出)
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1つ食べれば必要な栄養素が充分とれる!というわけではありませんが、お手軽に栄養を補給できるのはうれしいですよね。
以前は、タマゴの食べ過ぎはコレステロール値に悪影響がある、とされてきましたが、実は近年の研究の結果、食事で摂取するコレステロールは体内のコレステロール濃度にさほど影響がないことがわかってきました。
また、タマゴを毎日1個以上食べる人は、食べない人よりも寿命が長いという調査結果もあるようです。
とはいえ、何事もほどほどが肝心。食べ過ぎたりしないように気を付けましょう。
⭐️健康管理士からのアドバイス⭐️
玉子の名前の由来(豆知識)
「たまご」という言葉が使われるようになったのは、室町時代以降だと言われています。
それ以前は、「殻(かひ)の子」という意味で「かひご」と呼ばれており、その漢字として用いられたのが「卵」のようです。ただ、「蚕(かいこ)」との音の区別がつかず、紛らわしいことから、室町時代以降はその丸い形状から「玉の子」と呼ばれる方が主流となり、それが転じて「玉子」となったようです。
普段何気なく料理で使っているタマゴ。
調理の前に、「さて、これは玉子と卵、どちらかな」と考えてみるのも、頭の体操になるかもしれません。