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相手に気をつかって無理に賞賛することは不誠実かもという話

はじめまして、山田(@masaofyamad)と申します。医師の臨床現場における情報のインプットやアウトプットをサポートするプロダクトの開発・運営を行う株式会社HOKUTOで、エンジニアリングマネージャーを務めています。

さて、皆さんはマネージャとして、評価や1on1の際にメンバーを励まし、モチベーションを上げようとする中で、次のような行動を取ったことはありませんか?

  • 進捗が遅れているプロジェクトの共有を受けた際、あえてポジティブな面だけを強調して褒める

  • 問題点や改善点には触れず、「今回は努力したから良し。次は結果も出せるはず」と、やや安易に結論づける

  • 実際の成果には結びついていない行動を、過度に称賛する

私自身、プライベートはもちろん、マネージャーになってからも無意識のうちにこうした行動を取っていました。しかし、最近は業務中はこのような"無理な賞賛"を控えるよう心がけています。
本記事では、相手への配慮から行う過剰な賞賛が望ましくない理由と、より良い対処法に関して、私見を述べたいと思います。

補足:
前提として、主に「マネージャ(評価者)↔︎被評価者間」のやりとりを想定しています。また、よりよい接し方も所属する組織の文化や関係性、各々の個性によりけりだと考えた上で、個人的な意見を述べています

目次


"無理な賞賛"がもたらす評価とのギャップ

私は、マネージャー(評価者)と被評価者間のコミュニケーションにおいて、"無理な賞賛"が望ましくない理由は主に2つあると考えています:

"無理な賞賛"が望ましくない理由
1. マネージャーと被評価者間で成果に対する認識のギャップが生じること
2. 無理な賞賛であることが伝わり、「(優しいが)誠実ではない人」と見なされ、オープンな関係性構築が困難になること

望ましくない理由1: 成果認識のギャップが生まれる

無理な賞賛がもたらす問題の一つは、評価者と被評価者間で成果に対する認識のずれが生じ、それが正式な評価の際に顕在化することです。

過剰にポジティブなフィードバックを受け続けると、自身の実力や成果について誤解が生じ、パフォーマンスを過大評価してしまう可能性があります。結果として、正式な評価の場で実績に基づいた評価がなされると、「想定していた評価と異なる」という感覚を抱き、モチベーションの低下や信頼関係の毀損につながりやすくなります。

望ましくない理由2: 誠実さの欠如による関係性への影響

二つ目の理由は、無理な称賛をしていることが往々にして相手に伝わってしまう点にあります。

無理な称賛は「相手を勇気づけよう」という意図が強いほど、相手にその不自然さが伝わりやすいものかなと思っています。特に、自身の努力や成果に対して厳しい評価をしている相手に対しては、過度な賞賛が逆効果となり、信頼関係を大きく損なう可能性があります。 

誠実さを欠いた評価は、短期的には問題が表面化しなくとも、長期的にはチーム全体のパフォーマンスや士気に悪影響を及ぼす可能性があります。

真の意味で相手の成長を促すためには、正確で誠実なフィードバックを提供し、共に課題を直視する姿勢が不可欠です。

無理な賞賛の発生メカニズム

良好な関係構築への誤った試み

私自身を例にすると、こういった無理な賞賛をしてしまう背景には、「良好な関係を築きたい」という思いがあるんじゃないかなと思っています。
しかし、その思いがかえってオープンな関係の構築を妨げることがあります。本音の共有や率直な意見交換ができる関係を築くためには、表面的な褒め言葉ではなく、誠実なコミュニケーションが必要です。

善意で相手を勇気づけようとする行動が、時には信頼関係を損ねる原因となり、結果的に深い対話を難しくしてしまうこともあります。無理な賞賛によって、相手に誤ったメッセージを送るのではなく、行動を正確に評価し、現実的なフィードバックを提供することが重要です。これにより、よりオープンで信頼に満ちた関係を築くことができるのです。

どうやって無理な賞賛を脱却し、オープンな関係を築くのか

誠実な関係を築くためには、まずプロセスと結果(成果)を明確に分けて評価することが重要だと思っています。これにより、相手に対して正確で有益なフィードバックを提供することができ、信頼を深めることができます。

1. プロセスを評価する

努力や取り組み方、問題解決の姿勢など、結果に至るまでのプロセスに対しては、しっかりと分けてプロセスであることを明示して認めることが大切です。たとえ結果が期待通りでなくても、プロセスに対して適切な評価を行うことで、相手の努力を認め、行動として良かったのか/悪かったのかを示すことができます。このようにプロセスを賞賛することは、「努力が無駄ではない」というメッセージを送り、さらなる挑戦や改善への意欲を促します。

また、ここでいう「努力を認める」というのは認識していることを示す行為を指しており、必ずしも肯定的でないことにも注意が必要です。

2. 結果にフィードバックする

一方で、結果に対しては誠実かつ具体的なフィードバックを提供します。成果が出た場合は、その成功をしっかりと認めることが重要です。しかし、期待通りの結果が得られなかった場合には、何がうまくいかなかったのか、どのように改善できるのかを伝えるか、あるいは課題を提示して考えてもらう必要があります。これにより、相手は自身のパフォーマンスについて正確に理解し、次に向けて具体的なアクションを取ることができます。

このように、"無理な賞賛"に気をつけながらプロセスと結果を分割して、それぞれに対して適切なフィードバックを行うことで誠実でオープンな関係性を築くことができると考えています。

まとめ

  • "無理な称賛"は中長期的に望ましくない結果を生みます

    • 評価などのタイミングで大きな認識のずれとなって跳ね返る

    • 不誠実なことが伝わって信頼関係の構築が難しくなる

  • "無理な賞賛"は、「良好な関係性を築こう」と考えると起きがち

  • "無理な称賛"から脱却するためには、プロセスと結果を分けてフィードバックすることが大事


終わりに

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今EMやエンジニアをしている方に少しでも役立つ情報があれば幸いです。
もしフィードバックやアドバイスがあれば、ぜひ教えてください。

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