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女性であることを考えさせられる作品

こんばんは。
本好きライターのりえです。

価値観をひっくり返す本も第7回を迎えました~。

今日紹介するのは、突拍子もない設定なのにも関わらず、深く考えさせられる作品です。

子ども、もらってくれませんか?」――彼氏の郁也に呼び出された薫は、その隣に座る見知らぬ女性からそう言われた。薫とセックスレスだった郁也は、大学時代の同級生に金を払ってセックスしていたという。唐突な提案に戸惑う薫だったが、故郷の家族を喜ばせるために子どもをもらおうかと思案して……。昔飼っていた犬を愛していたように、薫は無条件に人を愛せるのか。

Amazonより

彼氏の浮気相手の子どもをもらう、という突拍子もない設定にもかかわらず、主人公の薫と一緒に、もし自分だったら…と読みながら真剣に考えてしまう不思議な引力のある作品です。

薫とは考え方も生き方も全然違うはずなのに、薫の考えることがすごく分かる場面が多かったです。

薫はたぶんアロマンティックアセクシュアル(他人に対して恋愛感情も性的欲求を抱かないこと)なのかな、と読んでいて感じました。

そうやって勝手にカテゴライズするのも良くないのかもしれないけれど。

”女”であるというだけで、世間から求められる役割みたいなものって確実にあって、それに苦しんでいる人は実はたくさんいるのではないかと思います。
”こうじゃなきゃ愛されない””こうしないと愛していることにならない”と、愛し、愛されることに条件を提示されてしまうのは本当に辛い。

目に見えないけれど、世の中が作り出した愛の条件ってたくさんあるな、と思いました。

結末は意外だったけれど、それも含めていろんなことを深く考えさせられる作品でした。

では、また。

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さくら りえ@本を365日読むライター
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