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タイトルがもうすごい

こんばんは。
本好きライターのりえです。

価値観をひっくり返した本の第6弾です!
これは5年近く前に読んだ本ですが、今でも鮮明に覚えている作品です!

植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。二人の間に横たわる”歪な真実”とは?毎日繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、目隠しをされた”平成”という時代の闇が露わになるー”平成”を生きる若者たちが背負う自滅と祈りの物語。

Amazonより

文章のボリュームに一瞬怯んだけど(笑)さすがの朝井リョウさん。
やっぱりどんどん引き込まれてしまいました。

どうしてそんなに追い込むの…誰もが隠しておきたい人間の醜さ、汚さ、ずるさ…丸裸にして、決して許してくれない。
読んでいて苦しい…でも読まずにはいられませんでした。

競争する機会を奪われ、自分らしく、個性を大切に…平成に生まれ、そう育てられてきた若者たちの葛藤。
自分らしくって何?と自問自答を繰り返さなければいけない地獄。
自分らしく、を考える時、周りと自分との間にある”違い”に目をむけることになり、皮肉にもそれが”対立”を生む構造の元凶になりうるんですよね。

自分らしく、なんて考えなくても、生まれた時点ですでに誰とも違うのにね。
SNSの台頭によって、どうしても人と自分を比べる文化が生まれる。
キラキラした人生、みんなから羨ましがられ、憧れられる人生。
その人が本当に心から幸せかどうかなんて本人にしか分からないのにね。
それらしく見せた偽物がたくさん溢れるこの世界で、私たちは何を信じて、何を指標に生きればいいのか。めちゃくちゃ考えさせられました。

気になった方がいたら、ぜひ。

では、また。

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さくら りえ@本を365日読むライター
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