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文学フリマとそれに連続する諸々のレポート(検閲版)
写真は散歩した先にいた野良猫こっちはソロ活動の押しボタン
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十一月十一日、午前五時前起床。昨日は古本屋に行った後帰ってきたのが遅く、そこから夜ご飯を食べてM-1の三回戦の更新されていたのを見ていたところまで記憶があるけど、どうやら寝落ちしていたらしいことに気づいた。そういえば途中起きて電気を消した気もするけど、果たしてどうだったか疑わしく、しかし多分起きた時電気が消えてったっけアレ、執筆開始時点の二十二時でもう記憶が定かでない。少し前に本棚の空きが少なくなってから他に置き場所がなくなって、郵送でも本を買ったらとりあえず机の作業スペースを確保するためにベッドに置く癖になっていたが、(二十三字削除)、それぞれが分かれいくつかの山になって飾られていた。後ろ四割くらいの部分に斜めに毛布をかぶって寝たから体が固まって痛い。目が覚めてからそ頭の上のを横のに連結して退ける。ゆっくりと起き上がると風呂に入って、髪を乾かしながら昨日寝た後に何かなかったか携帯を確認。夜に食べたのがまだ腹に残っていて食欲はなかったものの、昨日の自分により朝と夜使った食器調理器具が全部そのままだったので渋々洗う。そういえば終わってからインスタントカフェオレをゆっくり飲んでいたように朧げに思う。朝ご飯と昼ごはんを兼ねて十時くらいに袋麺を作って食べた。日清の函館しおとかいうのに卵とお餅を入れて電子レンジにかける。中学の時からのお気に入りで、今年の夏休み後半の九月には何日も連続で食べていたくらい美味しい。この辺りから急に寒さが感じられて、食べ終わるとベッドの上で暖をとりつつしばし休憩。
文学フリマ自体は存在を小耳に挟んだ程度で別に興味はなかった。しかし、所属するサークルが出店することに決めた。決めたはいいものの店番の人手がいないというので、暇だからこき使ってくれてもいいですと具申したら判決は労働二時間、十五時から十七時まで。それと(二十八字削除)という学生批評、いつも(註 毎週行われているがたまに生活リズムが崩れたまま月曜をすっぽかすので正確には”よく”)参加させてもらってる読書会を主催するサークルの二つに顔を出そうかというのを目的に軽い気持ちで参加。家から会場までは(七字削除)くらいなのでまあ十四時に着くようにしようかなどと考えつつ、キングオブコメディのネタをサーフィン。それでまた寝落ち。大体帰りが遅かったのに五時前に目が覚めてしまっており、睡眠が十分でなかった。
起きたのは十二時で、仕事をすっぽかしてなかったことに安堵と残念さを覚えつつ、ギリギリまで毛布の中にこもっていた。これまで秋に入ったのに少し暑いくらいの日が続いて、そこから少しづつ気温が下がっていったが、今日はガクンとまた寒くなった。急いで支度をして、二つのブースに挨拶に行ったら昨日金使いすぎたし買った本でも読んでいようと、店主に曖昧な問いで尋ねてお薦めしてもらった(五字削除)をカバンに忍ばせていざ出発。
(二字削除)に出てから山手線で浜松町、そこからモノレールで会場を目指す。いつも通り空席が二、三あったので、松下竜一の豆腐屋の四季を披く。詳しい感想は他に回すが、やはり良い。とても心が洗われるようで電車移動の苦痛が和らぐ。山手線は途中で座れて、昨日のESCLスクリムの結果を見ていた。あまり乗り慣れていないので、次がどの駅かなんてわからなかったが、田町なる駅を聞いてなんとなく記憶にあるのが、これが三田キャンパスの最寄りだという。(二十字削除)が、正直最近に入ってから大学での生活というのが精神的に苦痛がひどく、(六字削除)も、いや差し迫った時には秋学期の今からでも休学しようか検討していたところで、来年ここに来ることは薄そうだなと思う。そしてそこまでに僕を追い詰めた悪の権化が存在する駅は居心地が悪く、拒否反応としてため息が出るばかりなので早く出発してくれと願った。(なぜかこの駅だけ停車時間が長かった。)次の駅で乗り換えてモノレールに向かったが、ホームに上がる階段が、上りの左は青、下りの右は赤で、その行き先を指し示す矢印は黄色の(二文削除)カラーと二連続の悪夢に気が滅入った。モノレールはもうすでにそこそこに人が乗っていて、入口少し空いている部分に滑り込んだが、車内はいかにも文フリにいきそうな容貌の人々四割、普通の人同じくらい、ほか少年野球の学童など。黒いシュシュをつけていて僕よりも年上のいい歳じゃないのかと思った金髪の人はスマホで文フリのサークルを調べていて、こんな(五字削除)みたいな人も来るのか、ということは三次元アイドルか二次元の腐コンテンツかその類も扱うようなイベントなんだなと新しい発見をした。そうみればもっと(八字削除)でやけに白く化粧をした(十一文削除)人もいた。
果たしてその金髪の人が降りて、その少し後ろくらいで下車。降りた人々は、オタク(男女、年齢は青年から中年過ぎまで)、オバサン、サブカル女。正直こんなものだと予想していなくて、それで開始二時間経っているものの、ホームは人に満ち満ちて人海がゴソゴソと歩みを進める。二限前の(二字削除)駅、(二文削除)側から来たホームの階段のような景色。この人々が織りなす空気感に嫌気がさして、また駅を出たところには待ち合わせをしているらしい人々がいたが、皆同じようなの。少し進んだところに会場入り口があり、そこには大きな看板があったが、禁止されているのでもないのに誰も自分を納めて写真をとらず、遠巻きにパシャパシャ。それらはきっとツイッターの海にでも漂うのでしょうか。導線に沿って進むもずっと人、会場に入るとさらに人数が増して、流れに入り込むことができないくらいの密集具合。まずはお世話になっているサークルの方の場所を確認して向かう。(十二字削除)改札の左手のエスカレーターで降りようとする時くらいの混雑。途中入ろうとする人や横切ろうとする人を通しつつ進むと、いつしか人混みに辟易した。そんな中では頭も全く働かなかったのか、二回目的地を間違えた。会場を横長の長方形と見るとその中に縦向きでブースがいつくも伸びているのだが、この人数ではブース間の距離が狭く、立ち止まって見る人の横を移動しようとするならば精一杯。一人で参加するのばかりではなく、それに両岸で人が立ち止まっていたりもするので所々で渋滞発生。都会育ちじゃない上に全く意気消沈の僕はただ受動的になるばかりで通る人がいては先に通してやろうとするも、それでもすれ違う時にリュックサップはぶつかるわ、我こそはという兵が突進するわでただ一刻も早く抜け出したいとだけ願った。ここには道徳はない。誰も自分を人間として見てくれず、お互いが不規則な移動をする“モノ”だった。
とりえあえず挨拶をするタスクをこなしたあと、金もなし、金を落とすほどのものはなし、金を落とすほどの場所でなしなのでそそくさと一時退散。会場の建物を出てすぐのところはオジサン・オバサンがたむろしていたので、ここはやはり気晴らしを兼ねて外に歩こうと思い会場入り口へ。両方向を見渡した後何もなさそうな方へ、柵に伝って歩いていく。人がいないことほどいいものなんてないと感じる。不意にヤニ臭い空気が漂ってきて左を向くとヤニカス展示場があった。そこからずっと進んで流通関係の倉庫、なんだと居並ぶ。誰もいないのを確認して大きな声を出してから少しだけ気分転換して、シフトの時間が迫ってきていたのを見て引き返す。ちょうどブースについたときにはシフトの人たちは変な白髪の初老人の対応をしていた。ああ、あの時僕を押し退けて前に進んだ後、どこかのブースで冊子を指差してこれ無料ですかと聞いていたあのエネルギッシュなお方である。後に同じサークルの人に聞いたところではどこかの出版社の副社長だかなんだかのお偉いさんだそう。はあやはりこれほど行動力に溢れていないとろくすっぽビジネスもできないよな、うんうん。それで先輩だという社会人と四年生の方々が来られて、確かに何度かあったことはあるけど名前は思い出せないなと思って特に僕は話さず、ブースの前を通る人を観察していた。(七十五字削除)などとは万に一つも思わなかった。会いたい人が今シフトにいないというので一度離れてから少し後にまた同じように来た。僕がシフトに入ってからは個人的なファンが長蛇の列を作り、終了時間まで握手対応に追われた。果たしてこのサークルの活動に参加するのは何ヶ月ぶりか知れなかったが、(五字削除)した人たちと多分初めて会ったはずの人と楽しく過ごさせてもらった。そういえば向かいのブースにおられた方が見覚えがある人っぽいなあとずっと訝しんで、確信が強くなるといよいよその名前を検索してみたが、やっぱり学生批評(三十削除)の方であった。真っ黒なコートに小ぶりの黒いキャスケット、足元には黒いショートブーツだったかと思うが圧巻の着こなしで、それでいてコーディネーションを征服していた。肩にかけていたこれまた黒の鞄はよく手に馴染んでおり、また側面には猫の爪研ぎの跡もあって、時としてくどくどしくなりえるものもそう感じさせない余裕があった。
片付けが終わった後、あろうことか自分が部室にしまう用の荷物を自分から持ってしまった。これで自分が部室まで行くことが確定してしまい、その後の打ち上げのお誘いをいただいてしまった。現時点で自分が喜ばれるような団体、個人はあると感じない。まして積極的に求められ、嬉しがられるものはないと断言したい。相手の好意を否定したくないしもちろんそんな意図は断じてないが、それでもやはり三、四割程度負の感情があると、少なくとも自分を相手に投影した時にはそう考えるほか自然な考えがない。何度か会っているので抵抗感なくは感じているだろうが、いつ自分のボロが出てそれに失望されてもおかしくなく、また基本的に数ヶ月ぶりくらいに会う。周りは個人的な用事で親睦を深めているのに、その中に自分が入るというのが重たい。迎える周りもこの人誰だっけかとなって然るべきだ。あとそもそも自分が他人の中で特段好感度が高いというのは推測するにありえない。しかし気分が良くない時は嘘をつくのが下手なのと、断る理由がなく、断るとして気まずいので諸々承知で参加させていただいた。
以下感想になるわけだが、(十一字削除)だったという話をしたい。正直この感動をなるべく鮮明なうちに残しておこうというのがこんなものを書き始めた理由で、途中につけた文フリで感じた多方面の人々への悪口を言うだけならTwitterででもよかった。それでこの人で一番強く印象に残ったのは言葉遣いの丹念さ、あるいは天性のセンスで、話した内容の割にというか内容のせいか、これが強く感じられた。普段どんな勉強をしているかはなんとなく香った程度だったが、そのようなものというよりも個人の性格が反映しているように思う。丁寧かつ繊細に、尚且つ会話としてのクオリティーが非常に高く、間ととり方やや語彙の選択、話の展開が見事だった。ここまでの才覚には初めて遭遇した。(六十九字削除)。現実にはこれほどの人はそういないだろうから、また自分が相手に求める基準が一つ上がって残念だが。(百十字削除)。ここまで賞賛はしたものの、文フリ後の社交ですごくいい思いをしたのも多少不快を与えたかも知れないのも、享楽に生きて宵を越せば記憶も持ち越さない人格なので、多分今後どのような付き合い方をしていく、というのもなく、予定があって気が向いたらサークルに参加するだけと変わらず、(二十字削除)などのレポートについては期待なさらぬようご勘弁を。(二十三字削除)、まあ数日経てば特に変わらず大学生をするだけ。きらりん☆レボリューションを見ながらやいのやいの言ってる生活を送るだけだ。
最後に、これは検閲版という形で掲載して無修正は有料公開する予定なのだが、自分が心に思うままに、純粋に正直に実直に言葉を選んだために色々と語弊を招きそうな部分がいつくかあるのと、表記上現在の言葉狩り社会では好ましく受容がされかねないと思う部分があるのと、個人的な情報が含まれている部分があるからである。だがあくまでもこれらは現実に起こった話ではないし、ましてモデルなどもないし、書かれたのは一千年も昔なのだから、何か気に食わないものがあっても黙っていること。