ホスピタリティ向上は誰のため?
患者様の満足度向上のために、
「ホスピタリティの向上」を掲げている薬局が
増えてきているように感じます。
ホスピタリティを身につけることは、
患者様のため
であることはもちろん、
そこで働くスタッフのため
でもあると考えています。
薬局につとめるスタッフが
心地よく仕事をするためにも
ホスピタリティマインドを身につけることが必要だと
改めて感じるできごとがありました。
はじめて行った薬局で…
先日、毎日前は通りすぎているけど、中に入るのは初めての薬局に
処方箋を持って行きました。
受付の事務さんはパソコンを操作しながら
「こちらです」とカタカタ。
私が
「くすりの在庫はありますか?」
と処方箋をわたすと、
もらった処方箋とパソコンを照らし合わせながら確認し、
調剤室の中の薬剤師さんに相談をしていました。
私はどこにいたらいいかも分からず、
4才のムスメを
なだめながら受付に立っていました。
3分くらい経った頃でしょうか…
薬はあったようで、
「薬はありますので..
こちら初めてだと思いますので、
保険証をお持ちでしょうか?」と言われました。
「あ、はい」と私は保険証を渡します。
そのときの私の表情は無表情でなんとも機械的。
無事薬はもらえて薬局をあとにしました。
薬局を出てからも、この機械的なやり取りが心に残っていました。
もし受付の事務さんの対応がほんの少し違ったら…
もし、この事務さんから
「この薬局で心地よく過ごしてもらおう」
という雰囲気を感じていたら、
私の表情や動作、言動が少し変わっていたかもしれないなと。
たとえば
アイコンタクトをしながら「こんにちは」と声をかけ、
「処方箋の受付はこちらです」とパソコンから顔をあげて指し示す。
「在庫を確認するので2,3分こちらで
お待ち頂いてもよろしいでしょうか?」
…
「お待たせしました」
など。
アイコンタクトとほんの少しの言葉かけで相手を安心させていたなれば…
私の心はゆるみ、その後に発する言葉も変わっていたかもしれません。
「わかりました。よろしくお願いします」と
薬局(中にいるスタッフ)が醸し出す雰囲気は患者さまにそのまま伝わります。
そしてその伝わった雰囲気に応じて、患者さまの表情・言動は
ほんの少しの違いでしょうが、変わってきます。
「ムスっとしている患者さまが多いなぁ」
「クレームが多いなぁ」
と感じることがあれば、だれか1人の接遇が悪いのではなく
なんとなく…言葉にはできないけど薬局全体で
ホスピタリティにかけるところがあるのかもしれません。
ホスピタリティを身につけ、
実践することは
患者さまのためでもあり、
スタッフが心地よく働くスキルだと考えています。
おわりに
医療ホスピタリティマインドを
身につけて、印象に残る薬剤師へ。
地域のみなさまに愛される薬局づくりを応援するための
薬局・薬剤師向け研修を行っています。