
剣道→?
#1
小学4年生で県大会団体戦優勝してからは
5年生〜6年生と一度も優勝することはなかった。
ベスト8に行くので
精一杯だった。
個人でも町の大会では優勝できても
市の大会に行けばベスト8止まり。
小学4年生で優勝した後に
父親に「1本取れる技を磨きなさい」と言われ
父親が休みの日、体育館を借りて
2人で稽古をしたのを覚えている。
周りの人は別の稽古場にも行き、
週3〜4日練習しているのに
自分は週2日の練習のみ。
練習は嫌いだった。負けてもめちゃくちゃ
悔しいとは思わなかった。
自分は剣道に冷めていて、
そこまで熱中できていなかった。
そんなこんなで、小学6年生が終わった時は
町大会まで優勝できて市大会では
個人ベスト8止まりの自分になっていた。
後悔も何もなかった。
中学では剣道はしないと決意した。

嘘寝のお陰でこんなに伸びた
2011年4月
中学生になる。
新しい人達と出会い、毎日ワクワク
楽しい日々を過ごすことになると興奮していた。
たぶん。半分は嘘かも

体験入部期間が始まった。
地元の中学は全校200人程度しかいない。
なので部活も
・陸上部
・野球部
・剣道部
・卓球部
・吹奏楽部
・女子バレー部
しかなかった。
自分の頭の中では
・陸上部
の選択しかなかった。
野球は丸坊主が嫌い。
あとは小学生からの経験者が多く、
自信がなかった。
卓球は自分には合わないと思った。
剣道は嫌い。
中学になると丸坊主にしないといけないので
それも嫌だった。
でも、先輩に可愛い人達がいたので
入るのも少しはありかな~っと思っていた。
小学4年生の時に県1.2位だった6年生の
先輩2人も、剣道部のキャプテンとして
県1.2位として在籍していた。
相変わらずカッコ良かった。
体験入部は陸上部と剣道部に行った。
期間は2週間あった。
その間の好きな日の放課後に行く。
体験入部に行った陸上部の記憶は
覚えていない。笑
剣道部に行った時は覚えている。
小学生の時に見た事がある人が殆ど。
みんな県優勝するまで強くなっていた。
あと、女子の先輩はより綺麗になっていた。
体験入部に来た同級生も皆、経験者だったので
掛かり稽古と言われる試合形式に近い
時間形式で交代する練習をした。
その掛かり稽古で、知っている先輩達に
稽古をつけてもらっていたが
交代する時になり、誰も相手がいなくなった。
周りを見渡すと1人だけ残っていた。
剣道部顧問だった。
入学してまもなかったが、
その時から剣道部顧問の怖い話や
噂は聞いていた。
ここは行くしかないと思い
気付いたら顧問の所へ行き、
稽古をお願いしていた。
でかい。びくともしない。
父親よりもどっしりと隙の無い構え、
これは強いな~と思いながらも
稽古をしている時は何故か楽しかった。
そこには怖くてびびったという気持ちはなかった。
部活を決める1週間前。
昼休み
剣道部顧問に呼ばれた。
「陸上部に体験いってるらしいな」
-はい。
「剣道は嫌いか?」
-まあ、あんまり好きでは無いですね
父親に厳しく、よく怒られたのもあったので
「今の代は強いが、次の代が
少し物足りない。お前が続けてくれればと思った。
今、県優勝している子も市大会で
優勝すら出来なかった子達だから
お前ならもっと行ける。もう一度考えて欲しい」
-はい。
顧問が大学の時、父親の大学に行き
ボコボコにやられた話も聞いた。
この時に、丸坊主が嫌だから
やりたくないとは言えなかった。
それと、違うスポーツをしてみたいという
好奇心の気持ちの方が強かった。
父親には剣道を続けなさいとは言われなかった。
部活のことについても。何も。
あれほど厳しかったのに。
母親からは「続けた方がいいんちゃうん〜」と。

陸上部に入部した。
新しいスポーツ人生が始まる。
続く。