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#2 黄色いぬいぐるみの逆襲

 昨日から、三浦しをんさんのエッセイを読んでいる。しかも第二弾。


 これは、恩田陸さんの作品でもやってしまったことがある。1作品目を読まずに、続きから買って読んでしまうという。

 今回まだまともなのは、読んでいるのがエッセイだからどこから読んでも、大きな影響がないところである。

 話は三浦しをんさんに戻すが、私が彼女の作品に初めて出合ったのは、高校生のころである。

 当時は、放課後部活もせずに(正しくは経済的事情で部活動をやる余裕は全くといっていいほどなかった。むしろ高校に行くのもやっとであった)勉強ばかりしていた。

 家でやることもあれば、図書室や図書館がその舞台の時もあった。

 『勉強の舞台』というと、部活動ができなかった自分の心が癒されそうなので、今更ながらそう表現してみる。

 通っていた公立学校の図書室は、新しい本を比較的揃えてくれる良心的な場所だった。新刊が発売されれば、ある程度早い段階で読むことができた。

 そして出合ったのが、こちら。

 この作品で直木賞も受賞したのを今でもよく覚えている。そして、まだ観たことがありませんが、映画にもなったんですね。

 映画の公開も2011年というから、私は、まだまだ学生。

 こうして、三浦しをんさんが生み出す言葉の一つ一つの魅力に惹かれていくのである。

 学生時代に読んだのは、『風が強く吹いている』『舟を編む』。そして、ここ1~2年でいうと、『ののはな通信』『愛なき世界』

 最近の読みかけ(すみません・・・)でよければ『エレジーは流れない』もそうだ。

 そこまでたくさん読んでいるわけではないが、そこそこ私の読書リストの常連である。

 そんな彼女のエッセイに、私は度肝を抜かされたのだ。

 タイトルにした『黄色いぬいぐるみの逆襲』のぬいぐるみというのは、あのポケットモンスターのピカチュウである。

 ピカチュウといえば、私の小学生時代を彩るアニメキャラクターであり、私だけでなく他の兄弟、友達をも虜にしたものである。

 あの、国民的キャラクターであるピカチュウを愛でている彼女の姿が、エッセイに登場するのである。

 私は作品を通して、三浦しをんさんという一人の作家、人間を自分の掌くらいの面積分には理解していたと思っていた。

いや 

違ったのである。


一人爆笑

 これは馬鹿にした笑いではなく、本当に一歩、彼女に近づいた喜びにも近い。年齢は、一回り以上も年上の彼女がより近く感じたのである。

 近年、Youtubeなどの動画アプリを通して、一般人を含め「Vlog」とか「GRWM」(Get ready with me)などと評した動画がたくさん出回っているが、このエッセイ集は、彼女の生活を言葉のVlogとしてまとめたものだと思う。

 言葉のVlogは、動画より面白い。彼女のエッセイは、言葉だから面白いのだと強く思う。

 さあ、ピカチュウには逆襲を受けた。スプラトゥーンのように、ピカチュウ色のペンキを塗られた世界で一人笑ったことを覚えておきたい。

 しんがりって言葉、今の若い人は知らない人もいるんでしょうか。三浦さんも作中で語られていましたが、そう思うと、私はもう若い部類ではなくなってきたかもしれません・・・・。


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家出猫
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