不安の解消・セルフケアは心強い味方
呼吸法や自律訓練法、漸減的筋弛緩法などで不安をコントロールする
リラックスしてください」といきなり言われても、なかなかリラックスができるものではありません。力を抜こうとしても、人の身体には自ずと力がはいってしまいます。
それでは、どのようにしたらリラックスができるのでしょうか?実は、一番筋肉の緊張がとれやすいのは、意識的に筋肉を緊張させた直後なのです。これを利用したリラクゼーション法が、『漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)』という方法です。
筋肉は緊張させてから力を抜くと、脱力しやすくなります。『漸進的筋弛緩法』は、これを利用してリラックス状態を身に着けていく方法です。
普段、私たちの体には自ずと力が入っています。何かがおきた時、すぐに動けるように筋肉が緊張して備えているのです。動物としての本能が残っているのでしょう。
ですから、そのまま筋肉を緩めてリラックスしようとしても難しいものです。しかし反対に、意図的に筋肉を緊張させると力が抜きやすくなります。
漸進的筋弛緩法は、そんな筋肉の特性を利用したリラクゼーション法で、アメリカのエドモンド・ジェイコブソンによって開発されました。
この方法では、身体の特定の筋肉に意識を向けながら、意図的に強く緊張をさせ、その後一気に力を抜いて脱力します。筋肉が緩む感覚を味わうことで、身体の緊張状態とリラックス状態の違いを身体にしみこませていきます。
漸進的筋弛緩法のやり方
基本は全身の筋肉を順番に意識していきますが、必ずすべての部位で行わなくても、緊張が強いところだけでも結構です。大事なのは、ひとつひとつの筋肉を意識しながら行っていくことです。
①できるだけリラックスできる環境で行いましょう。部屋の明かりは薄暗くし、アロマやヒーリングミュージックなどをかけてもよいかもしれません。寝転んでも、イスに腰掛けても結構です。楽な姿勢をとりましょう。
②準備が完了しましたら、まずは腹式呼吸で呼吸を整えましょう。お腹の下あたりに手をあて、時間をかけて息をゆっくり吐き切り、その後お腹を膨らますように鼻から自然に息を吸いこみます。(腹式呼吸の詳細は、『リラックスする呼吸法とは?』をお読みください)。
③腹式呼吸を数回行ってひと通り落ち着きましたら、まずは手からはじめていきます。片手ずつ行っていきましょう。親指を中にいれて包むようにしてこぶしを握りこみます。この時も呼吸を大事にしてください。息を吸いながら力を込め、吐くときに力を抜くようにしましょう。
④力を抜くときに、筋肉が緩んで緊張がほどけていく感覚を十分にゆっくりと感じてください。これを2~3回繰り返します。
⑤手が終わったら、腕(力コブを作る)、肩(肩をすぼめる)、背中(肩甲骨をよせる)、首(左右にひねる)、顔(全体をすぼめる)、お腹(手を当てて押し返す)、太もも(足を延ばす)、足(そらす)とすすめていきます。
⑥最後に全身をチェックして、緊張が残っていないかを確認します。
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