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雑木林 in トトロの森

先週末に散歩がてら、家の裏にある八国山緑地へ行ってきました。
となりのトトロに登場する、七国山のモデルとなった場所。
埼玉と東京の境にあり、名前の由来は、上野、下野、常陸、安房、相模、駿河、信濃、甲斐の八カ国の山々が眺望できたことに由来するそうです。

八国山入口

散歩していると雑木林という看板が目に入りました。馴染みのある言葉の割に、どういうものなのか分かっていなかったので調べてみることにしました。


雑木林の歴史

雑木林は、古くから人里に近い自然林を伐採し、その後に育つクヌギ、コナラ、エゴなどの広葉樹を残して作った人工林です。
昔話によく出てくる「山へしば狩りとは、芝刈りではなく、雑木林の下に生えてくる低木の刈り取りのことだそうです。
当時、それらは人々の重要な燃料や肥料として使われていました。
昭和30年代頃までは、雑木林で取れる薪や炭といったモノが、人々の生活を支える主な燃料でした。

雑木林の仕組み

人々は、下草刈りや適量の伐採を定期的に行うことで、雑木林から一定の燃料を得てきました。
そして、伐採された木の切り株からはすぐに新芽が伸び、また新たな林を育てていきます。
そこには、人が自然に手を入れて、共生していく関係があります。

逆に人の手が加わらなくなると、林はどんどん密生し、暗い場所でも生きていくことのできる常緑広葉樹の林に変わっていきます。
そうなると、林内に差し込む光が減って暗くなり、林床で生育できる動植物の種類も限られ、多様性が低下していきます。
暗くなった雑木林には、春を彩る草花も咲くことはありません。

雑木林の維持

薪や炭を燃料としなくなった現代では、雑木林はその役割を失いつつあるようです。
薪や炭は利用されなくなったとしても、雑木林には生き物の生息環境としてや、人と自然の身近な接点として大きな価値があります。
また、雑木林から得られる落ち葉などは、現在でも堆肥として農業に使われています。
よく手入れされた雑木林は明るく開放的で、春には里山の草花が咲き、初夏には鮮やかな新芽が芽吹き、秋には紅葉、冬には落ち葉を敷き詰めた冬枯れと、四季折々の景観で訪れる人々の目を楽しませます。

最後に

散歩中に見かけたきのこ達です。
前日に雨が降ったせいか、色々な種類を見ることができました。
ちなみに、キノコは植物とは対照的に、光合成を行わず、エネルギー源として光に依存しません。
ほとんどのキノコは低光または完全に暗い条件を好みます。

ではまた!

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