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映画感想文9: Nomadland

日付で言うと今日、時差が有るので
明日の朝ぐらいからLAでアカデミー賞の授賞式が始まります。

エヴエヴはまだ観てないですが
これで1971年から2022年迄の作品賞は
網羅した事になります。

勿論それ以前のものも、サウンドofミュージックとか
gone with the windとか
ベンハーとか
飛び飛びで観ていますが。
1970年のパットンに興味が持てなくて、遡り作業、止まっていますw

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つい最近観たミシシッピ・バーニングで
フランシス・マクドーマンドさんが
凄く良い女優さんだと再認識しましたが
印象に残ってるのはsearching for debra winger。ハリウッド女優として歳を重ねる難しさを語ってました。そんな彼女をオスカー最多女優たらしめたこの作品、気になってはいましたが、辛いかなと二の足を踏んでいました。貧しい生活、観るの苦しくないですか?ドキュメンタリーみたいとかいうし、取っ付き辛くて。

観てみたら全然普通の映画の造りでした。
でも分からないのは、あれを
辛い・苦しい・悲しい
事として描いているのか
別に普通の、そうゆう人達、
としたものなかが分かりませんでした。

何故なら選んでそうしている所もあるし、
いっつも思うんですが
ご飯の量とかが豊かで、
日本とかの方がよっぽど貧しく感じるからでしょうか。

けどアメリカは、競争が日本よりも過酷そうですし、マイケル・ムーアも描いていた、大企業に依存した人口的な街が経済の波のあおりをモロに受けたりする現象だとか、怖いですよね。国土の広さも有って、ちょっとしたウッカリが砂漠の生活では生死に関わりますし、格差も激しいですよね。

「悲惨な事」としてはいなかったです。

フルート吹いてみたり、蛇とかグロいのを怖がったり、主人公が割と知性も有り育ちも悪くない事をちょいちょい表現して来ます。だからやはり傷を負った事で大きく踏み外したみたいでした。

踏み外した?
いやでも別にこれでも良いじゃない。
みたいな問いが、毎秒描かれていた気がします。雄大な、美しい自然の中で暮らして。ちょっと憧れます。

経済の破綻、倒産、街が崩壊、夫との死別。
そうとうなダメージです。
ですが彼女、働く気は満々だし、でも便所掃除とかしなければならないのは、やっぱり年齢問題。そこも包摂しようぜと言っています。

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アメリカとか車とか経済とか仕事とか、
それ以前に、
生物とか地球とかを考えさせられました。
クリエイターがそう作っていました。

大切な人を失くして辛いと感じる感情、空腹を感じたり、仕事ダリいと思ったりする、そんな脳味噌すら要らない、ただの生き物に退化したい、生き物とゆうか岩とか木とかになっちゃいたい。

自殺迄は行かないけど、食物を摂取する為に働いて、何の為に生きるのか。
いや、人間として生きていたいとか
全然思わない。
でもこの美しい景色は、見逃せない
眺めていたい。知れて良かった。
地球の一部では在りたい。

そんな謎の状態に陥る経験を
この作品は提供してくれました。

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良く書くんですが、Jアニストンのどれかのromcomで、妹が先に嫁に行く事をボヤいてたら父ちゃんから
お前は昔から変わってた、と言われます。
褒め言葉で、陳腐な言葉で言うと
感覚が鋭いとか
思慮が人よりあれだとか
センシティブだとかそんな事だと思うんですが

物語の主人公は、特に欧米のものの主人公は
そうゆう人達です。
かれらのシニカルでアイロニックで、だけど人1番正義感・倫理観が強い目から見た世界でもって
私達に善悪(等)について問い掛けて来ます。
言ったら
ブレンダ・ウォルシュとか
アリー・マクビールとか
キャリー・ブラッドショーとかです。w

野比のび太も…割とそうかも。

この作品の主人公も然りで、決してマジョリティーに迎合しませんでした。1人でプラッとどっか行っちゃったりします。
協調性や思いやりが無い訳ではなく、寧ろ人1番。

だからこそ気付きが鋭く、
悲嘆や苦悩のダメージも
人1番なんです。
愛着も。

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