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人々の健康寿命をのばしたい。ヘッドスパ専門店「muladhara spa」永峰麻里の物語【誰かの物語vol.1】
商品やサービスには、必ず物語がある。現在地に至る紆余曲折や叶えたい未来を知れば、もっと好きになったり、もっとおいしく感じたり、五感が刺激されて、ともすれば人生さえも変えてしまうかもしれない。そして、また新しい物語が巡り生まれ、世代を紡ぐ。『誰かの物語』は、誰かを救う力に満ちている。そんな、誰かの想いが詰まった素敵な物語の数々をご紹介します。
今回は、ヘッドスパ専門店「muladhara spa」永峰麻里さんの物語。
“治療レベルのヘッドスパ”と呼ばれる「プーラ式ヘッドスパ」を採用
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神戸元町でヘッドスパ専門店「muladhara spa(ムーラ・アダーラ)」を営むセラピストの永峰麻里さん(以下、マリさん)。“治療レベルのヘッドスパ”と呼ばれる「プーラ式ヘッドスパ」を採用し、ヘッドスパをはじめ、ボディケアやフェイシャルケアなどを通して、訪れる人たちの心身の不調に寄り添っています。
ちなみに「プーラ式ヘッドスパ」とは、育毛をテーマにした書籍を多数出版している辻敦哉さんが考案したもの。頭皮やツボはもちろん、東洋医学や解剖学をもとにして独自に導き出した「波及ポイント」にまでアプローチするのが特徴です。
「頭の筋肉と首の筋肉の境目に位置する『波及ポイント』をしっかりとほぐすことで血流が良くなり、頭皮や首のこり、頭痛や眼精疲労の軽減が期待できます」(マリさん)
マリさんは「脳疲労」と表現しますが、ストレス・情報過多社会に生きる現代人は脳が疲れている傾向にあるのだとか。「脳疲労の蓄積が、不眠症や白髪や抜け毛といった髪トラブルの原因のひとつになっている」といいます。
「脳疲労がたまると、自律神経が乱れて頭皮がかたくなりがち。そうなると、髪や全身に血液や栄養が行き渡らず、心身に不調をきたしてしまいます。けれど、かたくなった頭皮をほぐしてあげれば、髪も身体も本来の健康な状態に戻っていきます」(マリさん)
「プーラ式ヘッドスパ」の評判を聞きつけて、兵庫県のみならず、他府県から足を運ぶ顧客も。男女を問わず、下は10代から上は80代まで年齢層は幅広く、「慢性的な頭痛が緩和された」「夜、寝られるようになった」「頭皮トラブルをケアできた」「頭や目、首が驚くほどスッキリした」といった感想が数多く聞かれています。
「中には、髪が生えたり白髪が減ったりした70代の方もいらっしゃいます。心身の不調を年齢や体質のせいにせず、諦めないで頭皮ケアに目を向けていただきたいですね」と、マリさんは笑顔を浮かべました。
コンプレックスを払拭するメイクの力に感動。進路を変更し、美容専門学校へ
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「心と身体を健康にするヘッドスパ」を掲げ、日々、人々の不調に寄り添うマリさんが美容健康業界を志したのは、高校2年生から3年生に進級する春休みのことでした。友だちの付き添いで行った美容専門学校のオープンキャンパスで、転機となる出来事が起きたのです。
「メイクをタッチアップしてもらったのですが、自分の顔の変わりように驚いてしまって。私は子どもの頃から外見にコンプレックスがあったので、メイクの力に感動したんです。あと、学生さんたちがとてもキラキラしていて、私もそうなりたいと思いました」(マリさん)
抱いた感動は冷めやらず、マリさんは大学受験から進路を変更し、美容専門学校への進学を決意。「親や学校の先生からは猛反対された」と苦笑いで振り返りますが、それでも意思は揺るがなかったそうです。
「外見にコンプレックスがあったため、ずっと自分に自信がなくて、それまでは何事もなんとなく選んでいました。『この道に進みたい!』と心から思えたのは、人生で初めてでした」(マリさん)
熱意で周囲を納得させたマリさんは、メイクだけでなく、ネイルやエステの技術まで学べる専門学校を選んで入学。2年のキャンパスライフを終えると、大阪の美容室に入社し、フロント業務の傍ら、メイクやネイルの施術を担当します。
「ただ、当時の美容業界は勤務時間が長く、いわゆるブラックな労働環境で、勤めて間もなくストレスフルな状態になってしまいました。肌荒れした顔を見られたくないから友だちに会う回数を減らすようになったりして、ストレスはたまる一方でした」(マリさん)
勤務先からフロント業務専任を求められると、施術がしたかったマリさんは退職することに。1年ほど大阪・箕面にある個人サロンでネイルとエステの施術を担当した後、次に勤めた会社で運命的な出会いを果たします。
私じゃダメですか?健康意識の高まりで「プーラ式ヘッドスパ」に共感
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その会社で出会ったのが、後に「プーラ式ヘッドスパ」を考案する辻敦哉さんでした。
「辻さんとは店長仲間でした。私のほうが先に入社したものの、歳が上の辻さんにはお世話になっていました」(マリさん)
マリさんは入社してすぐに新規オープンした京都店の店長を任せられ、施術から店舗運営、人材育成までさまざまな経験ができたそうですが、それらを得た引き換えに被った代償は小さくありませんでした。
「関西から東京に移り、そこでも店長を務めましたが、ストレスから鬱になってしまいました。指名してくださるお客さまの存在が励みになり、通院したり薬を飲んだりして何とか仕事ができていたのですが、ついに限界が来たのか、お店で倒れたこともあります」(マリさん)
最初に勤めた美容室ではストレスで肌が荒れ、今度は鬱に。マリさんは健康の大切さを次第に噛みしめるようになります。
「夜も寝られず、ご飯も食べられず、体調はどんどん悪化していきました。それなのに『大丈夫』と言い聞かせ、身体からのサインを無視していたんです」(マリさん)
「このままじゃいけない」。自身の体調を重んじるようになったマリさんは、オーガニックサロンからオファーを受け、移籍しました。代官山や自由が丘のサロンで働き、さらなる健康知識の習得に励んだそうです。そして、数年経って関西に戻ると、自宅でエステサロンを始めました。それから約3年後、辻さんから連絡が届きます。
「辻さんは2011年に『プーラ式ヘッドスパ』のサロンを埼玉の浦和にオープンされていたのですが、共に広めていく仲間が欲しいとのことでした」(マリさん)
「周りにどなたかいらっしゃいませんか?」と尋ねる辻さんに対し、マリさんは「私じゃダメですか?」と返したそうです。
「その数か月前に『ヘッドスパサロンを開業したい』と、ちょうどノートに書いていました。というのも、施術をしていると頭皮のかたい人が増えているのを実感していて、頭にアプローチしないと不調が改善しないように思っていたからです。それに、辻さんの人柄を知っていますし、書籍も読んでいましたので、『この人が考えたものなら間違いない』と確信がありました」(マリさん)
「プーラ式ヘッドスパ」を取得するための研修がスタートすると、確信はますます深まっていったそうです。「受ける立場より、施術する側のほうがほぐれているのがよくわかる」とセラピスト独特の言い回しで「プーラ式ヘッドスパ」を評します。4か月ほどで研修を修了したマリさんは、ヘッドスパサロンのオープンに向けて動き出しました。
「とにかく空間づくりはこだわり抜きました。日常の悩みを忘れてリラックスしていただけないと効果は薄まると考えていますので、自然と脱力できる空間に仕上げています」(マリさん)
外観は、誰もが訪れやすいスタイリッシュなデザイン。大きな窓から日の光が差し込むサロン内は明るく開放的な雰囲気で、木の温もりが感じられます。施術を提供する完全個室のプライベート空間にはアロマの香りが漂い、まさに非日常のリラックス体験を味わえます。
「『琴線に触れるサービスを提供しなければいけない』というのは、辻さんと出会った会社の社長から教わった考え方です。退職してしまいましたが、理容師免許の取得も勧めてくださいましたし、すべての経験が今につながっているので感謝しています」(マリさん)
「20代のときよりも心身ともに健康で、今が幸せ」。そう目を輝かせて笑いました。
夢は、人々の健康寿命をのばすこと。献身的な姿勢に宿る高いホスピタリティ
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そんなマリさんの夢は、人々の健康寿命をのばすこと。
「寿命がのびている中、いつまでもおいしくご飯を食べたり、自分の足でお出かけしたりするには、健康寿命をのばさないといけません。ヘッドスパで頭皮をほぐしたり、摂取するものを選んだりしながら、身体の内側から健康になっていただきたいですね」(マリさん)
サロンにはショップを併設していますが、オーガニックコスメや環境に配慮した商品など、マリさんが厳選した国内外のアイテムが並びます。
「人々の健康寿命をのばすには、私一人の力ではできません。そのため、セラピストが長く活躍できるような社会にしていきたいです。せっかく想いがあるのにもかかわらず、身体を壊して辞めてしまうセラピストがたくさんいますので」(マリさん)
今ではセラピストや美容室向けに研修を実施していますが、ヘッドスパによってひとりでも多くの人を不調から救いたいと考えたうえでの活動です。
「私は、セラピストの仕事の素晴らしさを信じています。人々の健康寿命をのばすことに貢献できれば、いずれ海外のようにセラピストの地位が向上するでしょう。そうなれば、長く活躍できる人も増えると思います」(マリさん)
高校生のときに美容健康業界を志して以来、一貫するのは施術への想い。顧客からの喜びの声が、マリさんを支えています。「健康寿命をのばすため、自分の心と身体を大事にしてほしい」。そう呼びかけ、支援を惜しまない献身的な姿勢には、高いホスピタリティが宿っています。
※記事で紹介した効果・効能については個人差があります。
・ヘッドスパ専門店「muladhara spa(ムーラ・アダーラ)」
所在地:神戸市中央区下山手通3丁目4-3-1 Grand Terrace Kobe Motomachi 東棟2F
営業時間:10:00~19:00 (最終受付)
定休日:毎週月曜日、第1・3火曜日
◆他の物語は、こちらからお読みください。
◆インタビュー特集『誰かの物語』掲載ご希望の方は、こちらをご確認ください。
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![ライター・小説家 権藤将輝(ゴンドーマサキ)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114724343/profile_75b4f943b60459bda3c391b975436c1a.jpg?width=600&crop=1:1,smart)