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「普通」✖️「私の強み」でオリジナルのキャリアを作る - その2<こたろうファーム編>

木下斉さんのVoisyによる「ジブン株式会社ビジネススクール」に入学してはや1ヶ月。Chaper6のテーマは「ABCD戦略」。
ABCDに学ぶ、ないものではなく、あるものだけを考える思考法-Asset Based Career Development(ABCD)」

前職「普通の英語講師」✖️「自分の強み」について書いたその1はこちら。

今回は現職「普通の農家」✖️「自分の強み」でどう差別化をはかれるか、についてフォーカス。
今までは「農家」✖️「英語」くらいしかないなー、と思っていたのですが、これを機に考えた「自分にあるもの」。
自分が元から持っていたものと今までの経験から身についたもの4つが現状の「私の強み」。


「普通の農家」✖️「コミュニケーション力」

その1でも書きましたが、元々の性格や3人姉妹3世代家族で育ったこと、山形・東京2ヶ所・アメリカ2ヶ所で暮らしたこと、などから
「人と話すことが好き」「人見知りをしない」「人当たりがいい」
という強みがある。
農家になる前は

農家って1人で作業して出荷して、ちょっと孤独な仕事かも?

というイメージもあったが、ここ那須高原で市場やJAに出荷せず、お客様に直接野菜を売る「直販農家」にはコミュニケーション力が必須であった。
特に無人販売所を始めてからは、無人・時々有人の販売所でのお客様との会話は売り上げUPのための大きなファクターとなる。
年間150種類以上のちょっと珍しい野菜も作るこたろうファーム。
ホテルやレストランの料理人さん、カフェやペンションオーナーさんといろんな会話をしてどんな野菜の需要があるかを引き出すのは、やはりコミュニケーション力である。
結局、農業も「コミュニケーションとって営業する」のが一番強いのだ。

「普通の農家」✖️「ネットワーク力」

那須高原のコミュニティというのはちょっと独特である。
移住してすぐの東日本大震災。震災後、業界を超えて横のつながりができて、「みんなで那須高原を盛り上げよう!」という大きなコミュニティができ、私たちにはたくさんの仲間ができた。
その仲間が現在のこたろうファームの「ネットワーク力」である。
農家・酪農家・ホテル・ペンション・レジャー施設・カフェ・レストラン・パン屋・アウトドア・・などなど、業界を超えた「つながり・ネットワーク」ができた。

震災直後の仲間の集まり


その後のコロナパンデミックでこのネットワークはさらに強くなり、那須高原には他にもいくつものコミュニティが点在する。
「野菜・英語のことならこたろうファーム」
という位置を確保できたのも、2回の苦境を仲間と共に乗り越えてきたからだ。
那須高原といえば観光地。
観光客や移住してきた人に、「美味しいレストラン、心地よい宿、ファミリーで楽しめる場所、素敵なカフェ、お土産の野菜、地元の日本酒、パン屋さんはどこかしら?」って聞かれたら、すぐにおすすめを教えてあげられるほどの情報を私は持っている。
ちょっと電話すれば、予約を入れたり、取り置きできたり。
「こたろうファームから聞いてきましたー、って言うと、何にももらえないかもだけど、笑顔で喜ばれますよ(笑)」
そして、こたろうファームをオススメしてくれる仲間たちもたくさんいる。

初めてきた人がちょっと地元感を味わえる、いい具合の近い距離感を感じる。これも私のネットワークが持つ力。

「普通の農家」✖️「SNS発信力」

農家はITリテラシーが低い人が多いと思う。
SNSの発信力も農家によって大きく違う。
新しいこと好き」
「毎日続けるのが苦にならない」
そんな私はこたろうファームのSNS担当。

公式サイトを作るとかBASEのショッピングページを作るのは夫の仕事。
もともと私よりもITにずっと詳しい(笑)
私の仕事は毎日のX ・Instagram ・Facebookでの発信。
本日の野菜販売情報、野菜の育成状況、畑の様子、収穫状況、オススメの料理の写真、を毎日数回投稿する。
XやInstagramを見て無人販売所に来るお客さまも多い。
簡単で美味しそうな料理を投稿すると、その野菜がよく売れることも多い。
「バターナッツはじまりましたー」や
「トウモロコシそろそろ終了ですよー」
の投稿を見て、「じゃ、行かなくちゃ!」と来てくれる人も多い。
「今が旬でたくさん取れていて、今週はこれを売りたい」
「今が一番美味しいから、今週はこの野菜推し」
そんな野菜は、料理をして投稿回数を増やす。
「食べてみたい!」そう思わせたい。

丸なすローザビアンカのステーキ

「インスタ見てますー」
「X見てて、ずっと買いに来たかったんですー」
なんて言われることも多く、やっててよかったー、と思う。
フォロワーが1万人とかいるわけではないし、エンターテイメント要素も無いし、炎上するような内容も書かないけれど
私の投稿を見て「こたろうファームの野菜を買いたい」と思ってもらえるように、毎日情報発信をすることが私の仕事。

「普通の農家」✖️「プレゼンテーション力」

コロナ前によくあったのが、ワークショップや料理教室での野菜の説明の依頼。こたろうファームが主催したものもあるけど、スーパーの顧客向けの「野菜の食べ方ワークショップ」やレストランでの食事会での「野菜の説明」や料理教室の野菜パートの担当なども引き受けた。
「人前で話すのが得意」
「ワークショップ全体の組み立てを考えたり、資料の準備をするのも好き」


「人前で話すのは苦手」という農家も多いと思う。ま、農家じゃなくても大勢の前で話すのは緊張するものである。
しかし、私は英語講師歴20年以上。少人数から100人くらいまで、2歳児から70代まで(笑)いろんな人の前で話してきた。
英語で自己紹介から英語プレゼンテーションのトレーニングまで、「話すこと」を指導してきた経験が、こんなところで役に立つとは(笑)

自分の野菜を自信をもって人に説明することは、一番の営業になると思っている。プレゼン力は会社員じゃなくても必要なスキルだと気がついた。

最近はあまり人前で話すこともなくなったので、先日木下さんのジブン株式会社Radioでインタビュアーを募集していた時に、思わず手を挙げてしまった。
インタビューを受けてくれた石原さん、ありがとうございました!
その時の内容がこちら。

農家として「野菜が美味しい」は基本である。美味しい野菜を届けられていて「普通の農家」なのだ。
同じエリアで同じ時期に仕上がった新鮮な野菜は、気候も同じなわけでだいたいは同じくらいに美味しい。
「こたろうファームの野菜が食べたい」そう思ってもらうために、自分の強みを使って差別化をはかる。

今週はインスタやXでバターナッツの食べ方を多めに発信している。

バターナッツと白猫こなっつ
バターナッツと小エビのグラタン
ハッセルバックバターナッツ

初めてバターナッツを買ってくれた方、今朝ポタージュ作って食べたら美味しかったと昼に追加を買いに来てくれた方、東京のお母さんに送ってあげると買っていく方、いつもの年より売れている。
こんな食べ方もあるよねー、次は何作る?なんて話をしながら。

さて、次は何の野菜を推そうかな。

9月から参加しているVoicyパーソナリティ木下さんのジブン株式会社ビジネススクール。発信することで自分の思考の整理や、論理的に考える勉強になっています。10月からの参加も始まってまーす!



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