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レジリエンスって何?→農業に欠かせない力だった、って話

「えー、台風こっち来る?!」
「タネ撒いたらゲリラ豪雨・・」
「近くの畑にイノシシ(または熊)出たってよ!」
「直売所で値下げ競争が始まったよー!!」
農家の日常にはびっくりがいっぱい(笑)。
新規就農して15年くらい。
毎年変わる気候、病気や害虫・害獣の被害も多くなってきた。
それでも農業を続けるには、前向きに楽観的に、「今の最善は何か?」「次にできることは何か?」を考えるしかない。

12月の木下さんの自分株式会社ビジネススクールの課題は「レジリエンス」「メンタルタフネス」について。
似ているようでちょっと違う単語ですね。
元英語講師としては気になるので、ChatGPTに聞いてみました(笑)

•レジリエンス: 回復力や適応力(立ち直る力)
• メンタルタフネス: 精神的な強さや持続力(動じない力)

これを見ると、農業を続けて身につく力は「レジリエンス」かな。ついでにメンタルタフネスも鍛えられますけども(笑)。
農業の「びっくり」にどう適応してメンタルタフネスを身につけていくか、4つの「びっくり」で解説します。


その1:「えー、台風こっち来る?!」への対応

「台風」は農家にとって大きな問題。皆さんも台風直撃のニュースを見ますよね。水没したり、強風で倒れたり、野菜や果樹が傷ついたり。
大切に育ててきた農産物が販売できなくなる。ハウスが倒壊する危険もある。
那須高原では、台風シーズンがトウモロコシ、茄子や露地トマトの収穫シーズンと重なる。
今は天気予報を見ながら、
強風対策、台風が来る前に取れる野菜は多めに収穫などの事前対策を欠かさない。
台風がそれて、那須を直撃しない場合も多くて、ただ疲れただけ。なんてこともあるけれど、事前対策大切です。

その2:「タネ撒いたらゲリラ豪雨・・」への対応

これは最近多いですよね・・今年の夏も猛暑で後半ゲリラ豪雨が多かった。
台風と違って、予測できないのが難点。
そしてここでの問題は、8月には秋冬用の露地の種まきが多いこと。
せっかくタネを撒いても、直後のゲリラ豪雨で流されてしまう、ってことが多かった。
ゲリラ豪雨への対策は・・あまり無い・・
と言うことで、ここで必要なのは「メンタルタフネス」
あきらめる潔さ、折れない心、そして、なんとかなるさのポジティブ精神。
さ、次いこー!

その3:「近くの畑にイノシシ(または熊)出たってよ!」への対応

数年前にうちの畑にもイノシシが来て、さつまいもの畑を荒らしていったことがあります。イノシシが走り回って掘り返しまくった畑を見て驚愕しました。
熊やイノシシには立ち向かえませんので(笑)同じ町内会にいる猟友会の方や役場に相談。その時はイノシシの罠を仕掛けてもらったけど、仕掛けた途端に出なくなった(見てた?)。
熊も毎シーズン出没情報が増えています。熊はとうもろこしが仕上がった頃、夏の早朝1人で畑に収穫に行くことも。
そんな時のクマ対策は「音」。
ラジオでも歌を歌ってもいいですが、私の対策は
「音声メディアのVoicy」木下さんのVoicyを大音量で流しながら収穫!
きっと熊も逃げていくかも(笑)
他にも、電柵を張る方法もあります。
同じ作物を全部同じ畑に植えずに、2ヶ所くらい分けて育てる方法も有効。

その4:「直売所で値下げ競争が始まったよ!!」への対応

「値下げ競争」そう、始まったらもう誰にも止められない(笑)
直売所での値下げ競争には参加しない。
みんなが持ってくるような野菜は持って行かない。
付加価値を上げるひと手間を加える。

小さな多品種農家が直売所で戦う戦略はこちらのnoteでどうぞ。

最近夫は新しい戦略に取り組み始めた。
「直売所のスタッフさんに簡単に調理したうちの野菜料理を差し入れする」
ちょっとだけ塩をふったサラダカブ、簡単に作れるかぶのポタージュ。
夫自ら準備して持っていく。
食べてもらえば、スタッフさんもお客さまにオススメしやすいはず。
スタッフ間で夫の株が上がることも間違いなし。

最後に:「レジリエンスの高さが農業力の高さ!」

農家初心者の頃は、自然災害や自分のミスで上手く野菜が作れない時には落ち込んだりしていた夫も、農家になって7〜8年経ってくると、彼のレジリエンスが高まりメンタルタフネスがついてきたのが見えてくる。
「先回りして台風の対策をしよう」
「病気が蔓延する前に手を打とう」
「雨が溜まる畑に溝を掘ろう」
と先手を打つようになる。
それでもダメなら、また次の手を考える。
ダメな時にはあきらめて、次の種まきをする。
夫は栽培技術を上げるためや野菜の営業に役立つようないろんな本を読む。仲の良い料理人さんに刺激を受けて、今年から料理も始めた。

2022年の6月にピンポイントにうちの畑の一部に大きな雹(ひょう)が降った。
レタスもキャベツも葉物野菜には穴が開き、カブやカリフラワーにも大きな傷がついた。もう販売できないほどのダメージで、野菜の定期便もホテルなどへの出荷もしばらく休むことになった。
とはいえ何かしないと、と思い、雹が降った次の日から
「雹(ひょう)にあたった野菜です。傷みやすいのでお早めに食べてください」
と表示して、無人販売所で売り始めた。
ありがたいことに、友人知人が続々と買いに来てくれた。
「やだー聞いてよー狙われたようにうちだけ雹が降ったのよー」なんて笑い話にして。
もちろん、予定していた売上額にはならないけれど、無いよりはまし。
防ぎようのなかった病気や虫の被害、ゲリラ豪雨の影響は「こりゃしょうがないな」とあきらめる。
自然のおかげで、「気持ちを切り替えて前に進む力」がついたかも。

自然の脅威を感じることの多い農業だけど、嫌にならずに農業を続けている理由のひとつは
「やっぱり畑は美しい」から。

サラダ用の葉物の畑


早朝の清々しい畑も

畑の朝


夕方の静かな畑も

畑の夕暮れ


「あー気持ちいい!」と感じさせてくれる。
だからまた明日も、寒いけど畑に行くんだな。

木下さんのジブン株式会社ビジネススクールは、12月からも入学可能!

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