主計将校:1914戦略と戦術その3(ドイツ編)
第一次大戦をテーマとした傑作ボードゲーム主計将校1914。
戦略と戦術その3はドイツです。
戦力は文句なくトップ。多彩なカードで他の勢力とは比較にならないほど選択肢が多いです。ドイツの選択によりゲームは全く変わりこのゲームの主役と言って間違いないです。
以下はオーストリアハンガリーとロシア編のその1
以下は仏伊、英米編のその2となります
ドイツ
東西にロシア、フランスから挟撃を受け英国には嫌がらせを受ける宿命です。
しかし単独での戦闘力は頭抜けておりサシでは負けません。
ドイツが東と西どちらで主攻勢を行うかで展開が激変します。
協商プレイヤーからすると「こっちくんな」
味方のAHOT(オーストリアハンガリー、オスマン帝国)からすると「ロシア叩いてくんねえかな」
そして英米からは延々と嫌がらせを受けます。
ドイツプレイヤーは延々と下位同盟に嫌がらせを受けるトップのような心境でしょう。
豊富で有能なカード群
ドイツのイベントと情勢カードの強力さは他の勢力と一線を画しています。
オープニングのやり方もその後の方針も多彩です。オープニングに有効なイベントだけで何枚あるかわかりません。
今まで記した主計将校の戦略と戦術は各勢力のオープニングの有力手を解説しその後の方針や特徴のあるカードを紹介するものでした。しかしドイツを色々有効カードや戦略が多すぎてそれを一つ一つ解説していくのは私の手に余るものです。
しかし他人のドイツプレイにこれは良いというのがありました。
凄まじいアグレッシブドイツに感銘
中でも感銘を受けたのがBGG(ボードゲームギーク)のPBF(プレイバイフォーラム)におけるある香港プレイヤーのドイツのプレイングです。
とても攻撃的で決断も凄まじいです。
このゲーム分かってきたなと感じていたのですがその慢心を打ち砕いてくれました。そしてまだまだ奥があるゲームだしプレイングも遥かに上がいるとわかり嬉しくなりました。
以下にリンク貼っておきます。
スマホで見る際は横画面にしてみてください。
皆ベテランプレイヤーで上手です。それを吹き飛ばす香港プレイヤーのドイツの凄まじい攻撃が展開されます。
用語は以下が分かると読みやすいと思います。
built:設立 status:情勢カード preparing a card:準備 sustaining:継続
reinforce:増強 recruited:招集 attrition:損耗
盤上再現で解説
リンク貼ってこれ読んでと言うだけでは芸が無いので盤上で再現しダイジェスト解説したいと思います。
セットアップ
1ラウンド、ドイツ手番
そして迎えたドイツの手番いきなりコンボ炸裂
プレイ小モルトケ:一枚準備:情勢カード:突撃大隊:設立ベルギー
準備していた戦闘の継続を捨て突撃大隊の効果(このターン設立した陸軍の隣接スペースで戦闘)発動
ブルゴーニュ攻撃:成功
ベルギー設立とブルゴーニュのフランス除去を同時に達成
仏は飛ばされたブルゴーニュに設立して2ラウンド目ドイツ手番
2ラウンド:経済戦争、東アフリカ軍 英米5枚捨て
そして仏伊はローマ、英はピカルディ設立して迎えた3ラウンドドイツ手番
プレイ:皇帝の戦い
ベルギーからピカルディ攻撃:成功!ブルゴーニュへ攻撃:成功!
カード5枚捨てしてピカルディ設立の英軍は盾の準備なし。ブルゴーニュは継続増強それぞれ2ずつ飛び交う激戦にて撃破。
3ラウンドはピカルディブルゴーニュの2コマ同時除去を達成。
仏がブルゴーニュ設立英がピカルディ設立、パリ防衛線を再構築して迎えた4ラウンド
プレイ:情勢カード:太っちょベルタ
コンボ体制が完成
5ラウンドドイツ手番開始時
イベント:陽の当たる場所:ベルギーからピカルディ攻撃:成功!:ピカルディ設立:準備済み戦闘継続カード捨て:突撃大隊の効果発動でピカルディからパリに攻撃:戦闘継続カードは太っちょベルタの効果で準備済みに戻す
パリは槍2本盾2枚の激戦再び、パリの仏軍除去
ピカルディー、パリが1ラウンドで撃破されピカルディに設立という凄まじいラウンド
無人のパリはフランスがドラフトして設立(く、苦しい)
ロシアがプロイセンに設立ウィーンのAHを撃破。東部戦線が一気に緊迫する。迎えた6ラウンドドイツ
イベント:ゴリリッツタルノフ攻勢:プロイセン攻撃:勝利!プロイセンで設立:準備の継続捨て突撃大隊の効果発動:プロイセンからガリシア攻撃:撃破!捨てた継続を太っちょベルタで回収
ロシアは陸軍2個飛びでドイツはプロイセンに設立の戦果
AHはウィーン設立。ロシアはポーランドに設立。
迎えた7ラウンドドイツ手番。
イベント:ラントヴェーア 情勢カード:マスタードガス:設立ガリシア
準備継続捨て:突撃大隊効果発動:ガリシアからポーランド攻撃:撃破!
ガリシア設立しポーランドを飛ばして7ラウンド終了
ウクライナからガリシアに攻撃でガリシアの独軍が撃破され迎えた8ラウンド
イベント:プロイセン東部第9軍設立:設立ポーランド:準備継続捨て:突撃大隊効果発動:ガリシアからウクライナ攻撃:成功!継続はベルタで回収
東の露軍は3ターンで4コマ飛ばされポーランドはドイツの手に
ロシアはロシアの動員で必死にモスクワ防衛網を張る
迎えた9ラウンドドイツ手番
東で暴れる間にあのカードを引いた模様
イベント:シュリーフェンプラン:ピカルディからパリ攻撃:成功!設立パリ
ついにパリ陥落、
ロシアがポーランドに陸戦。撃破されて迎えた10ラウンド。
再びロシアに例のコンボが
イベント:世界政策が軍備増強:ポーランド設立:ポーランドからペトログラードに攻撃:成功!準備継続捨て:突撃大隊効果発動:ポーランドからウクライナ攻撃:成功!
毎度毎度設立でカードを使わされマスタードガスで準備を削られる。流石のロシアも盾は残っていない。あっさり2コマ撃破を許す。
そして11ラウンド
経済戦争:クリスマス休戦
反撃を許さない無慈悲・・・
11ラウンド終了後得点ラウンド17点差の大差でサドンデス勝利
いかがだったでしょう。
イベントで準備して設立。
その設立で突撃大隊の効果発動して戦闘。
突撃大隊の効果発動に捨てた戦闘の継続はベルタで回収してまた次ラウンドの突撃大隊発動に投入。
1ラウンドで2コマ飛ばしを何度もやってます。喰らった協商からすると勘弁してくれでしょう。
もちろんカードの回りは相当良かった感じです。一度も通常の陸軍の設立と陸戦カードを使っていません。全て設立と陸戦をイベントで済ませています。イベントの引きがかなり良かったはずです。初手に突撃大隊を持ちベルタも早く手に入れた幸運もあります。
しかし鮮やかに決めるのは隙のないプレイングの素晴らしさです。
そしてドイツにはポテンシャルがあるということです。
突撃大隊に太っちょベルタ、カード捨てを発動条件にする情勢カードを多用しました。カード消耗激しく11ラウンドにしてドイツのデッキ残0です。
ドイツは途中から経済戦争使わず攻めまくりサドンデス勝ちを狙ったプレイです。この見切りも凄いです。
ドイツが東西に暴れまわる間AHOTはほぼノンプレッシャーで悠々と稼いでいました。
このプレイングを紹介したのはベルタと突撃大隊コンボが強いよと主張したいのではなく(実際強いんだけど)ドイツのポテンシャルはすごいと言いたいのです。
もちろん違うスタイルでもドイツは圧勝できる可能性があります。
ではドイツ何やっても勝てるのか中央同盟有利かというとそんなこともありません。
ドイツのプレイングはまだまだ深掘りできる深みと奥を感じます。
さいごに
ドイツの凄まじい勝利とポテンシャルを紹介しました。
まさにドイツとそれ以外と言えるのがこのゲームです。
ではドイツ以外の勢力はつまらないかというと面白いんです。
そこが主計将校1914の素晴らしさです。
でも未経験の人は是非一度ドイツを持ってプレイしてと言いたいです。
最終回。戦略と戦術その4、基礎編できました。