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主計将校:1914の戦略と戦術その2(フランスイタリア、イギリスアメリカ編)
主計将校1914は第一次世界大戦をテーマとした傑作ボードゲームです。
その戦略と戦術を記していきます。
その2はフランス・イタリア、イギリス・アメリカの西側二勢力です。
その1、オーストリア・ハンガリーロシア編は以下になります。
ゲームの戦略戦術と特徴的なカードについて記していきたいと思います。
ルールや用語の解説はありません。プレイ回数1〜3回くらい又はこのゲームやってみたい人を想定した記事です。
フランス・イタリア
フランスは西部戦線の主力です。
陸軍の設立が豊富でパリ近辺の設立イベントも多く防衛能力は高いです。ですがフランスの陸戦カードは4枚しかなく攻勢能力はさほどありません。しかしフランスが閉じこもっていると東でロシアがドイツにやられます。
イタリアは戦闘能力が低いのですが周辺が目標スペースだらけです。AHOTが楽に得点するのを牽制する役割があります。
オープニング
AHOT(オーストリアハンガリーオスマン帝国)とドイツの出方により変わります。
方針を自ら打ち出す勢力ではなく対応する勢力です。
AHOTが初手アドリア海設立の場合→ローマ設立
ドイツがブルゴーニュ攻撃→ブルゴーニュ設立
それ以外→ピカルディ設立
大別するとこの3パターンです。
もちろん設立にはイベントカードでも良いです。
AHOTアドリア海設立の場合はローマ設立しましょう。イタリア陸軍の設立が無い場合はドラフトするしかありません。英の地中海進出が順調なら早めにローマ奪還してくれる可能性はありますが危険な賭けでしょう。
1ターン目ブルゴーニュの仏軍は攻撃されると必ず飛ばされます。しかしドイツの初手にブルゴーニュ攻撃して即設立する手段はありません。必ず設立してください。放置して2ターン目にドイツのブルゴーニュ設立を許すと常にパリを脅かされます。そして奪回困難な障害地形です。
またブルゴーニュ攻撃に関連してドイツに厄介なカードがあります。「世界政策が軍備増強を推進する」です。このカードでドイツの初手ベルギー設立→ブルゴーニュ攻撃が実現します。ベルギーを取られブルゴーニュのコマが飛ばされるフランスにとって脅威のオープニングです。フランスにブルゴーニュとピカデリー同時に設立する手段はありません。次ターンピカルディかブルゴーニュのどちらかは必ずドイツに取られます。
ドイツAHOTが上記以外のオープニングならピカルディ設立です。とにかくドイツをパリに隣接させないようにプレイするのが重要です。
1ターン目イベントで設立する際は17号作戦ならドイツ軍を攻撃しましょう。成功すれば儲け。失敗してもドイツの準備を削るだけで戦果です。
フランス動員なら海軍は北大西洋に作りましょう。マルヌのタクシーは貴重な盾2アイコンで準備に回す方が優るかもしれません。
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フランスイタリアその後の方針
兎にも角にもパリ防衛です。
とにかく準備しましょう。何より大事なのはパリへの隣接を許さないことです。
パリ隣接を許したままドイツの手番が来ると危険です。最も危険なカードはシュリーフェンプランと陽の当たる場所です。この2枚の出は覚えておいてください。
単独でパリ防衛困難とみたら即英国に救援を求めてください。
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体制が整い次第ベルギーかドイツ西部を攻撃しましょう。
フランスが引きこもると独力でドイツを相手にするロシアが大変に苦しくなります。
フランス反攻の華はルノーFT軽戦車と逆襲です。
この2枚での削りはドイツを苛立たせ焦りを誘うでしょう。
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しかしフランスには陸戦カードが少ないという弱点があります。
情勢カード逆襲がさほど強くない理由もここにあります。
もしフランスの陸戦カードが無い時はイタリアを使いましょう。
アルプスでの反攻作戦です。しかしイタリアも陸戦カードとイベントが乏しいです。ですが意外に海軍に使い道あります。東地中海に設立するとギリシャ、ブルガリア、イスタンブールに設立できるようになります。先置きで目標設置を妨害できます。AHOTプレイヤーが油断していたらイスタンブール占拠もあり得ます。
イギリス・アメリカ
イギリスは最大の海軍国です。
実は陸軍の能力もかなりのものがあり情勢カードの強さもドイツに継ぐものがあります。
しかし序盤は海軍建設とフランスの救援に追われます。
勝負が終盤にもつれこむとイギリスの反攻が勝敗を分けるでしょう。
地中海を制覇するとバルカンから中東どこでも手が出せます。
AHOTにトドメを刺すのはロシアでなくイギリスです。
アメリカは脇役です。
序盤の貴重な手番はなるべくイギリスに使いたい所です。
オープニング
イギリス海峡設立
この一手です。
ロンドンを安泰にしベルギー・ピカルディへの援軍を可能する必然手です。
ただしイギリス海峡設立ができる強イベントが4枚あります。
できればイベントで設立したい所です。以下の4枚のうち1枚もなければ(他のカードがよほど良くない限り)マリガン推奨です。
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イギリス・アメリカその後の方針
速やかにイギリスは海軍3つを目指しましょう。
経済戦争と情勢カードの効果は海軍3つがターニングポイントです。
海軍3つ以上で効果アップ。海軍3つ未満で被害マシの経済戦争カードがあります。
また黄色い手の少女と連邦の支援という強カードの効果発動条件も海軍3つ以上です。
海軍3つ目を躊躇する間にドイツの経済戦争東アフリカ軍打たれたらかなりアツいです。
関連してイギリスの任務は経済戦争でドイツのカードを削ることです。
イギリスの経済戦争は強力です。可能な限り準備ではなくプレイしましょう。経済戦争はいつでも効果的なのですが仏露の攻勢直前が一番効くような気がします。
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フランスは防衛能力は高いのですがドイツの猛攻に耐えられない時はあります。その気配がしたらすかさず救援しましょう。
ピカルディ、ベルギーの戦闘系カードは豊富です。使い惜しみしてはいけません。パリが落ちては元も子もありません。
しかしイギリスにとって理想の展開はフランスに単独で耐えて貰って地中海進出です。
AHOTがバルカンやトルコに置いた目標トークンを掠め取るブリティッシュ仕草を目指しましょう。
その際にはセルビアのロシアとルーマニアのフランスが生きていると障害地形のブルガリア、ギリシャの攻略が容易くなります。
ブルガリア、ギリシャが補給切れになりやすいからです。
地中海を海軍制覇すると進出できる場所がいくらでもあります。
視野を広く広く持ちましょう。
イギリスがイタリアアルプスに設立しチロルを攻めるプレイを見たことあります。
イギリスの弱点は陸軍の設立と陸戦カードの少なさです。
黄色い手の少女と連邦の支援で補完できます。早めに引くのを祈りましょう。またマークⅣは戦闘して設立を実現できるカードです。戦況を変えうる1枚です。
またパリ陥落でも諦めずにピカルディ、ベルギーで暴れましょう。
ブルゴーニュがドイツの手に落ちなければパリ奪還は無理ではありません。
ベルギーかピカルディを奪還するとパリのドイツ軍は補給切れになります。
イギリスは他勢力が序盤中盤に消耗した後に攻撃する役割です。
見た目の能力以上に強力です。
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アメリカは無理して手番を使うほどではありません。
他に有効手が見当たらない時は設立してアメリカの1点を取りに行きましょう。
アメリカに手番を多く使うのはあまり手札が上手く回っていない状況です。
なるべくイギリスの手詰まりを起こさないプレイを心がけてください。
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おわりに
フランスはドイツの攻勢を耐えるのが最優先です。
しかし反攻しないと東でロシアがやられてしまいます。フランスが身動きできなければイタリアで嫌がらせすることを心がけてください。
イギリスはフランス救援、経済戦争、地中海進出と選択肢が豊富です。
故に優先度を判断することが重要になります。
アメリカはあくまで脇役です。あまり手数を投入しないのが望ましいです。
次はドイツの戦略戦術について書く予定です。
正直何を書いて良いのかわかりません。
自分の中でドイツはどうするべきかの回答がないのです。
ドイツは他勢力とは別ゲームのごとく複雑です。
ただドイツがゲームを左右しプレイして最もエキサイティングなのは間違いありません。
その3 ドイツ編できました