ロンメルがゴーグルを拾うときをプレイした
ロンメルがゴーグルを拾うときはBANZAIマガジン20号付録のウォーゲームです。
ソロプレイしました。とても面白いゲームです。
ゲームの紹介とプレイで得た教訓を書いていきたいと思います。
概略は上のリンクをご覧ください。
第二次大戦の北アフリカ戦テーマのゲームです。
英軍によるコンパス作戦からロンメル登場後の反撃41年3月までの期間のゲームというのが特徴です。北アフリカ戦として馴染みあるクルセーダー作戦やエルアラメインの戦いの期間は扱っていませんが面白いです。
またウォーゲームではあまり見ないルールが複数取り入れられています。ですが処理は軽くプレイアビリティも高いです。
ルールの特徴
ではあまり見ないルールとはどう言うものでしょうか。
私は補給、ボーナス、戦闘解決、モーメントの4点がこのゲームの個性的な部分と感じました。
補給
補給は補給源から補給線をユニットまで辿るという一般的なものではありません。
奇数ターン冒頭の戦略フェイズにおいてマップ上に補給マーカーを配置していきます。その補給マーカーから自軍側(枢軸軍は西側、イギリス軍は東側)のユニットは補給下に置かれます。所謂包囲やZOCで連絡線がつながらないことは補給判定では関係ありません。
補給マーカーは通常10個あります。自軍後方エリア(枢軸軍はマップ西端、イギリス軍はマップ東端)から海岸道路つたいに5へクス毎に配置します。つまり敵側に攻めこんでいくほど補給マーカーが多く必要となります。
この要素が次に述べるボーナスと大いに関係があります。
ボーナス
ボーナスは自軍ユニットに能力を与えたり特別なボーナスを受けることができます。補給マーカー一つにつき一つボーナスが取得できます。ただし補給に使用した補給マーカーの余りで取得します。補給線が伸びれば伸びるほどボーナスを取得する余裕が無くなり攻勢の勢いが落ちていくようになっています。
ボーナスボーナスと連呼していますがボーナスとは実際どのようなものでしょうか。以下全てではありませんがボーナスの簡単な説明と個人的な意見です。
工兵:ユニットにZOCが発生します。このゲーム基本的人権としてのZOCが認められていません。取得しましょう。
対戦車砲:本ゲームざっくり言うと歩兵が装甲と戦うと戦闘力が2に制限されます。その制限を町へクスでは取り払うボーナスです。守勢の側は取りましょう。攻勢時には捨てても良いと感じます。
トラック:海岸道路の移動が0.25MPになります。必須です。
順応、ベテラン:装甲ユニットは戦闘後前進の度に故障チェックが必要です。失敗すると混乱(ステップロス)します。これらのボーナスは故障チェックの成功率を上げます。攻勢時はとても欲しいボーナスですが補給マーカーが足りなくなってくると後回しにしたくなります。相手陣深く攻め込むほど装甲ユニットが損耗しやすくなることが自然に表現されています
戦車前進:装甲ユニットの戦闘後前進が2へクスになります。攻勢時は欲しいボーナスですが特に狙いがない時は捨てるのもありです
以下はアクティブボーナスです。一度使ったら次の戦略フェイズで再び取得するまで使えません。
機甲作戦、全速前進:強力です。攻勢時は必ず取りましょう。
戦力集中、奇襲:どちらかを選ばねばならない時は攻撃時は奇襲、守勢時は戦力集中と考えています。
この他にゲーム中に一度きりしか使用できない特別なアクティブボーナスもあります。特に枢軸軍のものは強力です。使用後捨てるイベントカードに性格が近いです。これについては後で述べたいと思います。
戦闘解決
攻撃側防御側お互いダイスを振り高い方が勝ちです。
戦力比は計算しますがそれはダイスの修正値となります。そして戦術値が重要です。戦術値の差がそのままダイス修正値になります。
例えば戦闘力4戦術値3のユニットが戦闘力2戦術値2のユニットを攻撃するケース戦力比2:1で+1、戦術値の差が1で攻撃側+2の修正でダイスを振り合うということです。
そしてダイス修正値は5までです。どんなに強力な部隊が貧弱な部隊を好条件で攻撃しても+5です。オーバーランや自動勝利がありません。出目によっては最強スタックで最弱部隊を包囲していても負けたり攻めあぐねたりします。
このゲームはステップロスしてユニット除去される際に包囲(連絡線が後方エリアに通じない)されているかどうかは重要です。仮に包囲されていなければ後方の潰走ボックスに送られ援軍として復帰することも可能です。包囲されていれば壊滅ボックス送りで復活不能です。
モーメント
モーメントは様々な使用法がありますが大きな影響力は先行権です。このゲームはターンの先行後攻は決まっておらずモーメントを保持している側が先行です。モーメントの能力(ダイス振り直し、ユニット回復、ボーナス追加等)をどれか一つ使用するとモーメントは相手に渡り先行権を失うというシステムになっています。よってモーメントをいつ使うかは特別なボーナスと関連して駆け引きの要素になるでしょう。
ルールちょっと注意するところ
補給切れ判定は連絡線等関係なし
故障判定での混乱は退却しない
トブルクベンガジへの増援配置は包囲されていてもできる
プレイの指針そして特別なボーナス
イギリス軍:6ターンまではガンガン攻める側です。そしてモーメントはいつ使うのか。トブルク攻撃の保険にとっておきたいです。トブルクは多くの北アフリカ戦ゲームの例に漏れず頑強です。イギリス軍敗退も有り得る戦力差で行われることも多いでしょう。その回復に使いたい。トブルク攻撃の出目に恵まれたらモーメント未使用もありでしょう。枢軸の特別なボーナスロンメル(これが強い)をモーメント取るのに使わせたいと思います。
枢軸軍:序盤は後退して部隊温存ととトブルク籠城がありますが籠城が良いと感じます。7ターンからは攻めに攻めましょう。装甲はスタックさせておいた方が得です。ボーナス機甲作戦と全速前進があります。バラすのは決定打まで我慢しましょう。包囲できるぞとドイツ装甲スタックをバラすと次ターンの突破力が落ちます。特別なボーナスカラビニエリ大隊は序盤のトブルクバルディアの延命に使えます。
特別なボーナス:両軍共に早めに使いましょう。補給マーカーを回す余裕は次第に無くなります。最高の使い所を求めていると負担になります。
デザイナーの和栗南華さんのプレイ動画です。とても参考になります。
最後に
このゲームマップが広すぎないところも良いです。北アフリカ戦特有の横に長細いマップですが90センチの机に収まります。またBANZAIマガジンは初購入しましたがゲームのルールはPDF公開されているしユニットは切りやすいしマップユニットチャートは見やすいしで様々な配慮を感じます。素晴らしい。
このゲームの魅力が伝わったでしょうか。
ソロプレイ一回で色々と述べてますが見当違いなこと書いていたら優しくご意見ご指摘くださると有り難いです。
早く対人でやりたいですぞ。
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