日記:タケノコぼこぼこ
春は筍が旬だ.
……ぜんぶ「シュン」と読めてややこしい.
3月の初物はあまくておいしいが,タケノコほり名人:イノブタが,さきに食べつくしてしまうので,見つけること自体がけっこう難しい.
それが4月ともなれば,ぼこぼこ生えているので,すぐに見つけられるようになる.
イノブタも食べ飽きるのか,初物より味が落ちるから食べないのか.
あまさこそ初物にはおとるが,まだやわらかく,えぐみも少ないので,ほるなら今のうちだ.
おいしいタケノコの指標は,頭の色である.
黄色いうちは,地面からかなり出ていてもおいしい.
緑になるほど,えぐくかたくなって食えなくなる.
タケノコ見つけるコツは,すりあしで引っかかりを感じながら,土のひびわれ・もりあがりを目で探すことだ.
地表にでている頭は氷山の一角だ.
地下にうまった本体の大きさは,ほってみないとわからない.
タケノコの可食部はいがいと少ない.
外側の皮と上下は,ゆでる前にばっさり切り落としてよい.
根っこのちかくまでのこしておいたほうが持つ.
しかし,ほってから時間がたつほどえぐくなるので,なるはやで塩ゆでしよう.
ほってすぐなら,そのまま味噌汁にしてアクをとればおk.
経験者にしかわからないと思うが,タケノコほりは労力と栄養とがみあわないにも程がある.
可食部はわずかだし,えぐみがあるので一度におおくは食べられない.
それでもタケノコほりに夢中になってしまうのは,人間の狩猟採集の本能にかなっているからだ.
からだのうちからくる要求にしたがって動いていれば,疲れも時間も忘れて集注できるし,飲まず食わずで働いていようが力はだせばでるのである.
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