一人介護のライフハック④薬の一包化サービス
2年前、母はがんの手術をしました。その時から私は東京の自宅を離れて福岡の実家で母と同居することになりました。コロナ真っ只中で在宅ワークでしたので住まいが変わっても仕事に支障はありませんでした。その時すでに2年後新しく福岡に法人の新拠点をを開設、異動することが決まっており、実家で開設準備の仕事ができました。
福岡にUターンできて有難かった。病気の母のほかに91歳の叔母(高齢者サービス付き住居住まい)、重度肢体不自由の姉(ヘルパーさんに助けられながら一人暮らし)も福岡にいるので、3人の介護が目前まで迫っている状況でした。
切羽詰まった状況でありつつも、仕事を続けながら、当時は認知症は無かった母と2年間一緒に暮らすことができました。小さな女同士のけんかもしましたが、母自身も楽しそうでしたし、思い出に残る2年間が与えられました。
薬の多さに管理が大変…
さて、母はがんの手術後、朝昼晩に大量のお薬を飲んでいました。さらに高血圧の薬やら貧血の薬やら胃薬やら増える増える。元気なころはしっかり自分で管理して、足りなくなる前に自分一人で病院へ行きました。
1週間分のピルケース(お薬カレンダー的な便利グッズ)を使い、毎週一緒に薬をケースに入れて飲み忘れないようにセットしました。
そのうちに薬のセットを忘れることが増え、私が1週間分セットすることに。それが意外と難しくて私もよく間違える。2人してちょっと心配なレベル(笑)。
今思えば、その頃から「薬をちゃんと飲むこと」に関心がなくなってきて飲み忘れが増えてきたんだと思います。そんな時、事故が起きました…
薬をシートごと飲み込んでしまった!
この瞬間、私は同じ部屋にいたのに。。。
そして、母は昨日まで自分で薬をシートから出して指でつまんで飲んでいたのに。。。
突然の出来事に驚愕!
すぐ気づいて、「これ、飲み込んじゃだめだよ。出して」と口を開けさせようとすると、逆に大慌てで飲み込んでしまった。
大変!どうしよう???
実は仕事でも誤飲のヒヤリハットを何度か経験していて(子どもの場合です)「どんな時も落ち着いている」ことが唯一長所の私なのに、動転して次に何をするべきかわからない。
慌てて「誤飲110番」に電話。
「呼吸はしていますか?」の問いかけに、ああそうだ呼吸はしている、と気づき少しずつ冷静になってきました。シートが喉元を通り過ぎたのか?母は平然として見えます。
「近所の救急病院に連れていくことにします!」と電話を切り、次はかかりつけの救急病院へ電話で説明。
「すぐ連れてきてください。できなければ救急車呼んでもいいですよ」と言ってくださる。救急車待つよりタクシーで行ったほうが早いと判断。飲み込んだものと同じ薬をポケットに入れ(医師に見せるため)、急いでタクシーで病院へ行き、内視鏡で取り出してもらい、食道は傷もなくホッとしました。
飲み込んでから内視鏡で取り出してもらうまで約1時間。早く処置してもらえて良かった。喉元から数センチ下あたりに引っかかっていたので、すぐ取り出せたようです。
「こんなに大きくて(1,5センチくらい)四隅がとがっているものをよく飲み込めましたね」とお医者さんもびっくり。病院で怒られるかと思いきや、逆に励まされて帰ってきました。
昨日までできていたことは、ある日突然できなくなる
子育て支援をしている私、よく乳児のお母さんたちに「子どもはある日突然、昨日まで届かなかった高いところに手が届いて、口に入れてはいけない電池とかタバコとか飲み込んでしまうから、気を付けて」とおまじないのように言い言いしていました。
あー、だめだ。人様に注意していたことがブーメランで自分に返ってきた。イタタ…
まさに「昨日までできていたことは、ある日突然できなくなる」ってこういうこと。
薬の一包化サービス
この事故をきっかけに、前に近所の方から教えてもらっていた調剤薬局での薬の一包化サービスを利用することにしました。
近所の方のアドバイス
「外注できる事は迷わず外注すること。自分でできると思っても、頑張らないこと。」
肝に銘じた出来事でした。
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