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できるビジネスマンは話が短い!

「できるビジネスパーソンの要件は?」と聞かれたら、あなたはわかりやすく説明することができるでしょうか。「頭脳明晰」「決断が早い」「リサーチ力が高い」など、いくつかあるであろう必要条件のうち思いつくままに挙げることは比較的簡単かもしれません。しかし、相手にとって必要十分で納得感のある回答を即応できるかどうかとなると、一気にハードルが上がりますね。
そこで今回は、心理カウンセラーとして多くのビジネスパーソンに話し方を教えている桐生稔氏による著書『10秒で言いたいことをズバっと伝える できるビジネスマンは、話が短い! 伝わる話し方30分実践トレーニング』から学んでみたいと思います。


ビジネストーク、難しくありませんか?

オンラインであれリアルであれ、新人ビジネスパーソンが営業に出る際、最初に超えなければならないハードルと言えるのが、取引先担当者とのいわゆる営業トークではないでしょうか。
本題に入る前に軽い雑談があることで場が和み、無理をお願いしたい場合でもすんなりと受け入れてもらえたりすることを、先輩の横で感心しつつ学んだ経験が多くの方にあるかと思います。
一方で、些細な失言によって相手が心を閉ざし、「あ、今失敗した……」という苦い経験をした覚え、一度や二度じゃないと思います。さらに言えば、話し下手な人のみならず、話し上手のベテランがどうでもいいことを話し過ぎ、本題がおろそかになるケースなども目にしますよね。特にエグゼクティブクラスになると、人の話は手短にさせるのに自分は長々と語り倒す人、案外多いと感じませんか? まぁそういう時は、お説拝聴を決め込むのがベターではありますね。
というわけで前置きが長くなり過ぎましたので本題へ。心理カウンセラーとしてスクール運営、企業研修などを行なっている桐生稔氏による回答は実に明解です。
できるビジネスマンは、例外なく『シンプル』であるというのです。
「発言も行動も、すべて簡潔でわかりやすく一切無駄がありません。
どこを目指すのか、何がやりたいのか、何が言いたいのか、常に明確でハッキリしています」

仕事として相対している方の時間を確保した上で、こちらが何かを売り込みたい、依頼したいと思うから営業を行うのですから、その意向をシンプルかつ明解に伝えることが求められている。というのはまさに、「できる」ための必須条件だと感じますね。

「できる」ために自問自答する共通テーマ

「シンプル」であることは非常にわかりやすく、間違いない回答だということをスティーブ・ジョブズから学んだという人が、IT系・クリエイティブ系のビジネスパーソンには多いことと思います。そして、そこまでは異議なしだけど、じゃぁどうすればいいのか? という問いも生まれますよね。
桐生氏は、できるビジネスマンがいつも考えている共通のテーマがあるといいます。それは「正しい問題は何か?」ということ。
具体的に、次のように説明しています。

ピーター・ドラッカーが言う「経営における最も重大な過ちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ」のごとく、正しい問いを設定し、それに答える。
ただただシンプルに、それだけに集中しているのです。
できるビジネスマンは無駄なことに時間を使いません。
実にシンプルに「正しい問いを設定し、それに答える」
日々そのことに挑み続けているのです。

タイム・イズ・マネーを体現するためには、「設問を間違えてはいけない」というのはまさに金言ですね。誤った方向に努力しても正解にはたどり着かないですし、むしろゴールは遠ざかってしまいます。

できるビジネスマンは話が短い

「シンプル」であることが美しいのは重々承知だったとしても、実際に営業の場に立つと、成果をあげたいがためについやってしまう過ちにも言及しておきましょう。桐生氏曰く、成果が上がらない人の行動パターン3つは次の通りです。

1. あれもこれも全部やる
2. 言いたいことを全部伝える
3. 必要/不要の区別がつかない

「いや、そりゃそうなんだけど」と、つい言い訳を重ねてしまいそうになりますが、情報過多で話が長くなり、その結果話がまとまらず、要点が見えなくなる……と、冷静になって客観的にみれば問題に気が付けるのですが、現場に立つと緊張もしますし、とにかく伝えたい思いがいっぱいで空回りしてしまう。その結果、相手は時間を無駄にしたと感じるし、当然成果に結びつかない。わかってはいても、なかなか難しいものですね。
桐生氏は改めて「できる」ための要件を簡潔に説明します。

たくさんの情報をいかに正確に伝えるかということよりも、いかに大切なことをシンプルに伝えるか。
これが21世紀を勝ち抜くビジネスマンの命題と言えそうです。

本を要約する力をつける

話したいこと、伝えたいことをどのように伝えるか。ビジネスの現場でなら、シンプルで過不足ないセールストークができると間違いなく喜ばれます。そんなできるビジネスマンの特徴をわかりやすくするとこうなります。

○常にシンプルで、話が短くて、無駄がない
○言いたいことが明確でわかりやすい

実にわかりやすいですね。さらに桐生氏は、これまでの経験からできるビジネスマンにはある共通の特徴があるといいます。

できるビジネスマンは、例外なく「多読家」である

歴史、文学、小説、ビジネス書。新聞から経済誌に至るまで、1日1冊は必ず本を読むという方もいらっしゃるというのです。確かに、多くの知見に触れたいという気持ちは誰しもあるだけに、速読の本が沢山あることも頷けますね。
しかし、すべて読破して頭に叩き込むなんて、相当な記憶力と情報処理力がないと右から左に抜けてしまいそうですよね。薄い書籍でも何万字も文字数がありますから、まずどうやって本を読むのかから疑問です。
では、どうしているのか……

それは、要約しているからだというのです。

要約とは、伝えたいポイントを特定することです。タイトル、目次、見出し、太文字の文章から、著者が言いたいことは何か? 自分なりにまとめる作業です。パッと見て一瞬でそのページの言いたいことを把握する。この力が異常に強いのです。

なるほど、1冊の書籍がさまざまな事例を引きつつ展開される中で、コンテクスト(文脈)となる主要な論旨のみを引き出してくる力があれば、物事を明解に噛み砕き、説明に足る説得力のある言葉を紡ぎ出すことが可能になるというわけです。桐生氏がこれを一言で説明すると、次のようになります。

要約力=多くの情報から一瞬でポイントを特定する力

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言いたいことを10秒でまとめる

「要約力」が重要なキーワードであることはわかりました。これが「できるビジネスマン」に求められる能力であることは疑いようがないですね。これは営業のみならず、例えば会議の場で資料を一読すれば要点が掴めるようになると、自身のみならず参加者各々にどのような発言が求められているかがピンとくるようになり、そのフォローアップができると会議は見事に意見集約に成功します。
つまり、自身がうまく立ち回れるだけではなく、ファシリテーターとしてクライアントの意見を引き出しつつまとめたり、全体の流れを導くことができ、「じゃぁ君に任せるよ」と、白紙委任状をいただけることにもなるわけです。
自分の意見のみならず、相手の意見までも「それはつまりこういうことですね」と要約し、納得させてしまう力。優れたビジネスパーソンは、確かに持っていますよね。
そして、相手が重要人物であればあるほど、とても忙しいのは必定です。会議の合間、短い時間で要点だけを説明してくれてと言われるケース、実は非常に多いですね。

要約した上で、簡潔に説明する。まず「要約力」を磨いた上で、短い言葉で説明する力を身につけることが「できるビジネスマン」に求められているわけです。桐生氏はこれを「言いたいことを10秒でまとめる」力とし、トレーニングによって向上させることができるようになるといいます。

「できるビジネスマン」になるために、無駄な情報を徹底的に排除した上で、訴求したいポイントに削ぎ落とし伝えるための「言いたいことを10秒でまとめてズバっと伝えるトレーニング」として桐生氏がメソッド化し、テキストとしてまとめたのが書籍『10秒で言いたいことをズバっと伝える できるビジネスマンは、話が短い! 伝わる話し方30分実践トレーニング』です。気になる方はぜひご一読ください。

第一章の全文を無料で公開しています。
こちらも是非チェックしてみてください!


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