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人を動かすプロになるための名著2冊

「変化を嫌う人を動かす」これは「人を動かす」と同義だ。

なぜならば、人間には現状維持バイアスというものが生来的に備わっているからだ。程度の差こそあれ、誰しもが変化を嫌ってしまうものなのだ。

人を動かすにはどうすればよいのか?

だとすると、この問いに答えることはとても難しい。
なぜならば、人間の本能に抗うことを意味するからだ。

この難問に対する解答として、見事なアプローチをとる本がある。それは「一瞬で人の心が変わる伝え方の技術」だ。本書の内容の言及したnoteはぜひ読んでみてほしい。

普通であれば「どのような押し方をすると人は動くのか」を考えそうなところであるが、本書は「人が動くにあたり足かせとなっていることは何なのか?その障害を取り除くにはどうすればよいのか?」というアプローチをとるのだ。発想の転換。まさにコロンブスの卵。

今回、新たに紹介する「変化を嫌う人を動かす」も、同様のアプローチスタンスをとるのだが、負けじ劣らじの名著だった。この2冊を血肉化できたらば、人を動かすプロになれると断言できる。

「伝え方の技術」では人を動かす様子を「車のアクセルを踏むのではなく、サイドブレーキを下ろす」と比喩します。

つまり、サイドブレーキ(=変化を阻害する要因)を取り除かなければ、どれだけアクセルを踏んでも無駄というわけです。

「変化を嫌う人を動かす」では、人を動かす様子を、「弾丸は火薬による推進力だけではなく、空気抵抗を弱める作りにより、軌道がぶれることなく遠くに飛ぶ」と比喩します。

つまり、速度が早ければ早いほど(=変化が大きければ大きいほど)、抵抗も大きくなるから抵抗を弱める仕掛けをつくらなければ、大きな変化をおこすことはできないというわけです。

どちらの比喩も、言い得て妙。天才的。

人が動かないのは、押しが足りないわけでも、アイディアの魅力が足りないわけではないのです。

しかし我々は、動かない人を前にすると、さらに押してみたり、アイディアを磨き込むことに傾注してしまう。

こういった行動を、本書では「燃料」と呼びます。

この「燃料」にはいくつか問題があります。特に大きい問題は「燃料は高い」ということ。

燃料はすぐに燃えてなくなります。燃料は注げば注ぐほど(=変化が大きくなる)と比例的に抵抗も強くなります。その抵抗に対抗するために、さらに燃料を投下する。終わりがないですね。

なぜ人は「燃料」に傾注してしまうのでしょうか?

それは、人間が「事象を状況要因ではなく、内的要因の結果である」と捉えてしまう性(さが)があるから、らしいです。つまり変化がおこらないという事象を目の前にしたときに、内的要因(=意欲・意思)の問題だろうと思いこんでしまうみたいです。

さらには、「燃料」はわかりやすいけど、相手が変化を拒む真の理由はわかりにくいのですね。相手ですら言語化できていない、明確に意識できていないかもしれないことが多い。それならばと、わかりやすい「燃料」に傾注してしまうわけですね。

「燃料を注ぐこと」はもちろん大事かもしれない。しかし、それ以上に「変化を拒む真の理由(=抵抗)をケアすること」が大事なのです。

では、その「抵抗」とやらは、どんなものがあるのでしょうか。4つほどあるらしい。

■惰性
自分の知っていることに固執しようとすり強い欲求。
■労力
変化を起こすために必要なエネルギー
■感情
起こそうとしている変化そのものが引き起こす思いがけない否定的な感情
■心理的反発
変化させられまいとする人間の衝動

変化を嫌う人を動かす

この4つの「抵抗」がなんなのか。どうすればケアできるのか。それは次のnoteで。

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