「どの会社」で働くかが大事はうそ。ほんとに大事なのは「どの〇〇」で働くか。
しゅんしゅしゅんです。
「エンゲージメント高く働きたいすよね?」この質問に対してさすがにNOとは言えないですよね?
「いや、わたしは惰性で出社したいんだ。熱量低く何とか生き延びながら仕事できればいいの」なんて人いるかな?まあ少ないでしょ。
エンゲージメントを測定する8つの質問があります。
①私は、会社が掲げる使命に対して心から貢献したいと考えている
②仕事上で、自分に期待されていることを明確に理解している
③チームメンバーと価値観が共通している
④仕事で毎日、強みを発揮するチャンスがある
⑤チームメンバーが私をサポートしてくれる
⑥優れた仕事をすれば、認められることがわかっている
⑦会社の未来は明るいと強く信じている
⑧仕事では常に、成長が求められている
この8つの質問に極めて肯定的に回答できたらエンゲージメントが高い状態だってことらしい。8つの質問を眺めていると、思うでしょ?「そりゃエンゲージメント高く働けるにこしたことはない」って。
ちなみに、2018年の全世界的な調査で、この質問ほぼすべてに極めて肯定的な評価をした「高エンゲージメント従業員」と質問のほとんどに中立的ないしは否定的な評価をした「惰性で出社している従業員」の比率が判明したらしい。それぞれの従業員のイメージはこんな感じ。
高エンゲージメント従業員は16%
惰性で出社している従業員は84%
うーむ。残念ながら納得感がある…
じゃあどうすりゃエンゲージメント高まるのかっていうと、それは「どの会社で働くかではなく、どんなチームで働くか」ってことらしいす。
ここでいうチームは線や箱形をした組織図ではなくて、組織図に記載されていないくらいの単位のもの。膝を突き合わせて毎日のコトにむかって一緒にやってるメンバーのこと。
エンゲージメントは企業全体の文化でも個々人の資質でもなく、チームの力に左右される。
だから企業としては、企業文化、個人といったシーソーの両端ばかりに注目するのをやめて、中点で仕事を支えているチームにフォーカスすべきだ。
なんてことがこの本に書かれています。
仕事に関して盲目的に信じらている9つの嘘について書かれている本なのですが、一つ目の嘘として、「どの会社で働くか」が大事はうそで、本当に大事なのは「どのチームで働くか」だといってます(この本は超絶おすすめ)
(※ちなみに、これの立証としてエンゲージメント調査の「ばらつき」があるとのこと。どの会社で働くかによってエンゲージメントが決まるのであれば8つの質問に対する回答は同じ会社のすべてのチームのすべてのメンバーでおおむね同じになるはず。でも会社間のばらつきよりも会社内のばらつきのほうがはるかに大きいと。これ面白い話ですね)
「どのチームで働くかのほうが大事」ってなんだかすごい理解できます。ほんとそうだと思う。
その会社が何をやっているか、その会社全体としてどんな文化をもっているか、どんなブランドをもっていて、どんな行動規範をもっているか、人事制度や福利厚生はどうなのか、こんなことを気にしながら会社全体を評価しながら、働く場所を選ぼうとしてしまいます(就職や転職や部署間の異動規模のときに)
でも、いざ仕事をしはじめると、そういったことはあまりに遠い。現実の仕事世界を構成する日々のプロジェクトや締め切り、進行中の活動ややりとりとはあまりにも無関係だ。
現実世界の毎日は半径数メートルの密なチームメンバー(やプロジェクトメンバー)との関係で構成されている。
自分に期待されていることを知っていて、毎日強みを発揮できている。自分の担当職務が誰かの担当職務に関わり、メンバー同士で各自の強みを補っているように感じる。左右の肩越しに誰かがのぞき込み、寄り添ってくれる。あなたの信頼を裏切らず、あなたの仕事に対して何らかの反応を示し、あなたの価値観に賛同してくれる。心理的に参っていれば手を差し伸べ、行き詰った時はアドバイスをくれる。こうしたチーム経験の質こそ、従業員経験が備えるべき質なのだと、たしかに思う。
チームへのエンゲージメントなくして会社へのエンゲージメントは生まれない。いや、エンゲージメントは会社に対しては生まれず、チームに対してしか生まれないのかもしれない。
まさに「何をするか」ではなく「誰と働くか」だ。
ここで思うことは、エンゲージメントに対してチームリーダーが与える影響力ははかりしれないということ。従業員エンゲージメントの主役は社長や経営陣ではない。人事でもないし、部門長や部長や室長でもない。
(※大企業とかだと中間管理職である課長・マネジャーはもちろんだけど、その課長・マネジャーがみている部署の中にある、2~4つくらいの組織図にはあらわれない実務遂行単位のチームのリーダー(係長とかチーフといった肩書になるだろうか)もここでいうチームリーダーです。)
チームリーダーにとってプレッシャーでもあるし、朗報でもある。なぜならメンバーのエンゲージメントは自分のコントロール下にあるということだから。離職率を会社のせいにしてるリーダーはお門違いが甚だしい。それはたぶんお前のせいだということ。
人事は全社的な人事制度施策とか個々人の能力開発的な研修ではなく、リーダーや現場のチーミングをサポートする施策に力を入れるべきだし、社長や経営陣がエンゲージメントを高めるためにやるべきことは、メンバーと雑談的な会話を増やすことではなく、常に従業員よりも山の先に登って、目指すべき光や旗を立てて、夢を見せるか。経営陣の仕事はここにある。
ベンチャーは組織が小さくて組織自体がチームだからカルチャー作りに投資すればいいと思う。しかし図体が少しでもでかくなって50人や100人を超えてくると、現場は無数のチームで動くこととなる。その時に、エンゲージメントを保ち、向上させるカギは、個々人の育成や会社全体のカルチャーの更なる強化でもなく、チームリーダーにあるのだ。
中間管理職であるマネージャーやプロジェクトリーダーによるチーミングがいかに大切で、拡大中の組織に足りないか。制度を充実させてもさせても組織のちぐはぐが大きくなっていくあるあるの根源はここにあるのだろうと思ったりする。
チームには地球最大級の力があるね。
チーム論が大好きなわたしです。
チームについて書いた過去のnoteもぜひ。
■ チームビルディングに悩んでいる方はこの5冊(+2冊の漫画)を読むと、世界が明るくなる。
■ チームの文化には地球最大級の力がある
■ チームの文化には地球最大級の力がある、そう信じてチームビルディングしようぜ。
■ オンラインサロンとかフリーランスとかで強いチームを作る難易度は高いのでは?会社組織だからこそ強いチームを作りやすいのかも。チームの幸せが享受できるのは組織人の良さ。
■ 構成メンバーの能力なんかではなく、その相互作用の強さで、強いチームを見極める。
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