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徒然なる僕。
2019年10月30日 19:24
橙々とした叢雲を掻い潜る月光下、銀色流るる川に竿のぶら下げたのがひとりふたり。やれ鱸が跳ねる、鯉が口をぱくぱくさせる、水面の無に立ち騒ぐ原は竿から伸びた釣り糸で。おっと、こりゃあ大物だぜ、月色の艶を纏った竹竿のしなり、足をぐっと踏み込んで恍惚。えいやっ。竹の節がぎしぎし。腰を低くして引き上げると、ずるずると暗闇の釣れに釣れて、引きずり込んで、星に舞い、月に謡い、蒼い魚の流れ星。お猪口に淡水、酒をつ
2019年9月14日 17:58
うつらうつらする。名月はもやわたしはぼんやりと横に空気の流るる音を聴く音の流るるはもやの中にあるから、うつらうつらする。あなたのかおあなたのてあなたのこえ もう、うつらうつらする。さいごのあなた月見だんごのようにつめたくてやわらかくてあまいあまいゆめをわたしにみせてああ、うつらうつらする。なみだはおちないもやになって月をかくすのうつし