トーマス・カーライルの「衣服の哲学」とは、どんな本?
前回からの続きです。
前回も申しましたが、次々に偶然が起き、
この本を絶対に読むべき!!
と、いうどこからかのメッセージ!!
決して安いとはいえないが、一大決心して、日本のアマゾンに注文いたしました。そして、いまか今かと待ち続けて、、、、
(と言っても、たったの10日間くらいでしたが)
日本からついに届きました!!
表紙はこんな。
ま、見るからにブックオンデマンド(注文があったら作る本)
なので表紙は皆同じみたいです。そこで文句は言うまい!!
これが日本語で読めるだけでも、有難い!!
そしてこれが、最初のページです。
この右のポートレイトは、あの、ホイッスラーが描いてます。
この絵が有名ですよね。
いきなり話がそれますが、(私の)クールべは、当時ホイッスラーのガールフレンドと3角関係になったんですよー。(苦笑)
ま、そんなゴシップは置いといて、、、、と。
カーライルの「衣装の哲学」の本の話!
結論から参りましょう。
これ、、、、
メチャクチャ、ふざけた本なんですよ。爆笑
あ、誤解しないでください!!褒めてます!!面白すぎたので!!
まず、最初の序文の序文をまんま書き写してみました。
この編者というのがカーライル本人で、ドイツ人哲学者トイフェルスドレック教授から論文が送られてきた。と。
つまり、この本というのは、カーライルがドイツ人哲学者の学説を読んでの、感想と解説なのです。
しかし、実は、、、ですよ。
これがトリックで、このドイツ人哲学者というのはでっちあげ!
架空の哲学者が衣服について語る内容をカーライル自身が述べているという、入れ子構造!!になっているんです。
つまり「衣服の哲学」という論文=本当は自分が書いている=が、いかにすごいか!と、自分で自分を絶賛!している本だった。笑
もう、これがわかると、この序章!!すでに相当ふざけてないですか?笑
てっきりお堅い本だと思って覚悟して、くそまじめに読み始めたので、いきなりゲシュタルトの崩壊! アタクシ的には、もう、やられちゃいました!
まず、このドイツ人哲学者の名前ですが。
トイフェルスドレック教授
長過ぎて、覚えられなかったのですが、
注釈で判明したのは、これ、悪魔の糞っていう意味らしいんですよ。笑
え???
糞ですと?? 爆笑!
もうこれだけで、この本を買ってよかったと思いました。笑
もちろん服に関する奥深い考察もたくさん出てきます。
そちらが基本的にはメインなので。苦笑
というように、文体がいわゆるアカデミック?堅くて濃いのですが、そのテーマは、シンプルに言うと、
衣服は宇宙で、みんなそれをまとって生きている。
そして、この社会は衣服なしでは、機能しない。
よって、その服を作り出す裁縫師は、創造主もしくは神に近い存在らしいです!!(うふふ)
そしてまた、この本は、このクソ哲学者の衣服に対する考え方を紹介するだけでなく、論文を読む事になった経緯(架空)やこの哲学者の性格、恋愛、人生(架空)などについて、異常に詳しく、もう、どうでもいいような事、たとえば、教授のビールの飲み方がどうのこうの(もちろん想像)、とかまでシリアスに書いてあるんです。
しかも、その例が、哲学者にありがちなギリシャ神話や、聖書、ゲーテやシェイクスピア文学からの引用で溢れており、このあたりは翻訳者の方の言葉のセンスも多大に影響してるとは思いますが、私には、ユーモアだらけで、かなりツボでした。
それにしても、なぜこの本が、新渡戸稲造の愛読書なのか?
彼は衣服に興味があったのか? なにか武士道に関係あるのでしょうか?
まあ、ゴーギャンはわかります。もともとふざけてますから。笑
(褒めてますよ)
彼は当時、かなり変な服を着てたみたいで、タヒチに最初に行った時、現地の人はゴーギャンが島の別の種族だと思ったらしいです。笑
彼は自分の絵の中にもこの本を描いているんです。これです。
この手前にある本。
英語のタイトルが「Sortor Resarts」Carlyleと書いてあります。
直訳すると「仕立て屋のリメイク」っていう意味ですね。
(まるで、私の事やん!!と、再度、感激!!!笑)
よって、この素晴らしい本との出会いを記念して、
このゴーギャンの絵をプリントアウトして、表紙にしてみました。
タイトルは手描き!!笑
自分がバカ笑いしたところや、服に関する奥深い考察に付箋をはっていってたら、こんなになっちゃいましたよ。
あまりに面白かったので、皆様にも是非!とおすすめしたいところですが、アメリカ人の夫にも勧め、彼は英語で読んでましたが、「僕には、そんなに面白くない」っていうんです。
私には、こんなに笑えるのに????と、不思議でしたが、ま、読者によって差があるって事ですね。
なので、決して、皆様にはおすすめしませんが。
私としては、もうこれだけは、何があっても絶対に手放したくない本となりました。
この翻訳の宇山直亨様、出版してくださった日本教文社にこの場をかりて、多大な感謝をいたします。
今回は、そんなお話で、ございました。
お読みくださって有難うございます。
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