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複雑な開発こそやりがいがある。チームで目指す不動産DX
こんにちは。GOGEN株式会社です。
GOGENメンバーの「語源」を探る社員インタビュー。
今回は、ソフトウェアエンジニアの佐藤柾史をご紹介します。スタートアップのCTOとしてサービス開発を担当し、大手外資系企業でフロントエンジニアとして経験を積んだ後、GOGENに入社しました。エンジニアの視点から見たGOGENの魅力、チームの雰囲気についてもインタビューしました。
佐藤柾史 MASASHI SATOU
早稲田大学大学院理工学部で並行制約プログラミングの研究をした後、株式会社douzoに入社。CTOとして、共同購入型越境ECサービスの開発を担当する。決済サービスを提供する大手外資系企業では、フロントエンドエンジニアとして、サービスの開発、メンテナンスを手がけた。2023年、GOGENに入社。
プログラミング言語の研究を経て、越境ECを手がけるスタートアップへ
ーー佐藤さんがエンジニアを志したきっかけを教えてください。
大学に入ってから、コンピュータサイエンスに興味を持ち始めました。コンピュータでコードを書いて、プログラムを動かすことが純粋に楽しいなと思ったんです。学部を卒業する時点で就職も考えましたが、もう少し研究を続けたいと考えて、大学院に進学しました。
大学院では「並行制約プログラミング」という、かなり特殊なプログラミングパラダイムの研究をしていました。また、並行制約プログラミングの考えを用いた新しい言語の開発に携わっていました。研究のために使われることが多い言語なので、一般のユーザーが目にすることは少ないかもしれません。
ーー最初に入社したのは、どんな会社でしたか。
知人の紹介で、学生時代からインターンとして働いていたスタートアップ企業に誘ってもらい、卒業後はそのままCTOとして就職しました。越境EC(エレクトロニック・コマース)などのサービスを手がける会社です。例えばタイに住んでいる人が、日本でしか販売されていない商品を欲しいと思ったとき、旅行者に購入してもらえたら便利ですよね。当初は、そんなニーズに応えるお土産の購入代行プラットフォームを開発していました。
コンピュータサイエンスの研究をしていたとはいえ、サービスの開発に使われるのはまったく別の言語です。シリーズAの段階にあるスタートアップで、入社当時のメンバーが3〜4人だったこともあり、「とにかく動くサービスを作り上げよう」というマインドで、勉強しながら走り続けていました。
私は2020年に大学院を卒業したのですが、就職した途端、新型コロナウイルスの流行が始まったんです。旅行系のサービスが軒並み影響を受ける中、私たちのサービスも例外ではありませんでした。
方向転換を余儀なくされ、大変な時期もありましたが、逆境の中でもとにかくプロダクトを作り上げる「泥臭い」精神が鍛えられたと感じています。システム設計は、こだわればいくらでも時間をかけることができますが、スタートアップでは、開発にかけられる時間も、予算も限られています。制約がある中で何もないところからサービスを立ち上げる力が身につきました。
外資系大企業での開発を経て、「あえて複雑な業務に挑戦したい」とGOGENへ
ーーその後、別の会社での仕事も経験されています。
前職の会社に籍を置きつつ、決済系アプリを手がける外資系企業に出向して、1年間フロントエンドエンジニアとして働きました。大企業なので開発体制も整っており、チーム開発の方法を学びました。
ただ、社内公用語が英語だったんです。社内には外国籍のメンバーも多く、社内ミーティングや、チャットもすべて英語で行われます。私はもともと英語が得意というわけではなく、しかもフルリモートでジョインしたので、初めのうちはコミュニケーションに苦労しました。2カ月ほど語学スクールに通いましたが、あとは「やるしかない」という感じで。1年間でそれなりにコミュニケーションがとれるようになりましたし、「英語しか使えない環境に放り込まれても生きていけるな」という自信がつきました。
ーーGOGENの存在を知ったきっかけは?
前職での仕事にも少しずつ慣れ、時間がとれるようになったので、副業をしようと考えました。Wantedly で副業先を探していたら、GOGENのページを見つけたんです。GOGENの開発環境は、私が前職で使っていたのとほぼ同じ技術スタックだったので、即戦力になれるだろうと考えました。
不動産業界は未経験で、まったく知識はありませんでしたが、必要な知識は仕事を始めてから学ぶつもりでした。不動産関係のサービスを立ち上げるには、関連する法律や法令を含め、複雑な業務ドメインを理解することが必要です。「どうせやるなら、業務が複雑なほうがやりがいがある」と考えました。
ーー大企業よりも、スタートアップに魅力を感じていたのでしょうか。
もちろん、大規模なチームで学んだこともたくさんありました。一方でスタートアップは、最小限の社内手続きで、アイディアを素早く形にできるところが魅力です。私の性格的にも、メンバーの顔が見える少人数のチームで仕事をするのが合っているのではないかと思いました。
GOGENの「若さ」に惹かれて正社員に
ーー当初、GOGENではどんな働き方をしていましたか。
2023年の2月から、本業の仕事が終わった後、夜の3〜4時間を使って、「レリーズ本人確認」の立ち上げを担当しました。その後、現在開発中の別のプロジェクトにも携わっています。
ーーGOGENの印象は?
スタートアップですが、開発体制や社内ルール、福利厚生などもかなりしっかりしているな、と感じています。このフェーズのスタートアップとしては、正社員としてコミットしているエンジニアの層も厚いです。
ーー佐藤さんが正社員になったきっかけを教えてください。
前職の会社に所属して3年経ったので、そろそろほかの分野で新たな経験を積みたいと考えていました。ほかの会社からもオファーをいただき、正直迷っていたのですが、GOGENに決めたのは、組織としても、働く人たちも「若い」ところに惹かれたからです。面談を通じて、私のスキルや経験が必要とされていることを感じ、2023年の7月から正社員になりました。
ーー正社員になってからはどんな業務を担当していますか。
引き続きレリーズ本人確認の開発を担当するほか、別プロジェクトのマネージャーとして、業務委託メンバーの管理なども行っています。レリーズは、不動産業界のDXを実現するという壮大な構想を掲げており、現在は「最初の一歩」として、各部門の担当者とコミュニケーションをとりながらデータ設計をスタートした段階です。
和気あいあいとした雰囲気の中、チームで課題を乗り越えていく
ーーGOGENの魅力はどんなところにあると思いますか。
少数精鋭のチームで、とにかく優秀な方が多いですね。スタートアップで働くには欠かせない要素だと思いますが、メンバーが皆、指示を待つだけでなく、自走できる能力を持っていると感じます。レリーズ本人確認のプロジェクトは、不動産業界特有の法律、法令の複雑さから、当初の予定よりも開発に時間がかかったのですが、力を合わせてひとつずつ課題を乗り越えました。私自身、これまでは一人で開発を進める環境に身を置くことが多かったので、気軽に相談できるエンジニアの先輩や仲間の存在が心強いです。
ーーエンジニアチームは、どんな雰囲気なのでしょう。
和気あいあいとした雰囲気ですね。GOGENではチームビルディングにも力を入れており、ふだんはリモートワークですが、会社の方針で週に2回は出社して、オフィスで顔を合わせて仕事をします。分業が進んだ大企業では、フルリモートでの開発も珍しくないですが、この段階のスタートアップでは、顔が見えるコミュニケーションで一気にプロジェクトが進むことも多いと思います。
リモートワークの日も、毎朝30分ほどバーチャルオフィスに集まり、仕事の打ち合わせをしたり、ワイワイ雑談をしたりしています。仕事以外でも、皆で飲みに行ったり、デザインチームのメンバーも誘ってオンラインゲームを楽しんだりしているんですよ。エンジニアチームだけでなく社内全体のコミュニケーションの垣根が低く、気軽に声をかけ合える文化があると思います。
不動産業界のDXという壮大な構想のもと、エンジニアとしての可能性を広げる
ーーどんな人が、GOGENのエンジニアに向いていると思いますか。
これはほかのスタートアップでも同じですが、やるべきことが決まっている環境で、ゆるゆる働きたいという方には、正直あまり向いていないかもしれません。開発の体制を含め、まだ発展途上のことも多いので、「何でもやってみよう」「自分でどんどん手を動かそう」という一定の覚悟は必要です。その上でほかのスタートアップとの違いがあるとすれば、資金調達が順調で、開発にもしっかりと予算を割くことができるという点だと思います。
まだレガシーな部分も多く残っている業界で、不動産取引のDXという大きなチャレンジができることは、多くのエンジニアにとって興味を惹かれる、やりがいのある環境だと思います。好奇心が旺盛で、自分の手で難しいシステムを作り上げることに興味がある方なら、働きがいを感じられるのではないでしょうか。
ーー佐藤さんが、今後仕事の上で実現したいことを教えてください。
GOGENのエンジニアとしては、レリーズが掲げる壮大なプラットフォーム構想を形にし、実現することが大きな目標です。私自身のキャリアとしては「頭から尻尾まで」サービスをひとりで作り上げられるエンジニアを目指し、スキルセットを広げて成長していきたいと考えています。
代表取締役CEO・和田浩明から佐藤さんへ
現状、エンジニアチームでは最年少の佐藤さんですが、そんなことは全く感じさせず、チームを引っ張っていってくれる存在です。フェーズの浅いスタートアップでは、多かれ少なかれプロダクトの考え方や方向性が変わることも多いのですが、ポジティブに変化と向き合いながら、良いものをつくろうと尽くしてくれる佐藤さんの存在感は、これからますます大きくなるでしょう。彼はまた、スタートアップの苦しさもよく知っていると思うので、その知見を存分に還元してほしいなと思う一方、成功体験も積むことができるよう、ともに頑張っていきたいと思います。
※2023年9月時点での情報に基づく記事です
(取材・文/高橋三保子)