これが映画だ!秋の特別篇
#おすすめ名作映画 チャオ・パンタン
さて、明日(既に今日)は、ちょいと朝早くより用事があるので、『これが映画だ!』第四回を記した後、これをぶっ通して記している。寝ようとも思ったのだが、タイミングを逸してしまったのだ。“#おすすめ名作映画”というお題に、あれやこれや考えていて徹夜を決め込んでしまったのである。
映画…それは大衆文化であることは間違いない。それから、ビデオ→レーザーディスク→DVD→Blu-rayと大衆から個の楽しむ文化へとコンパクト化していったわけだが、その節目、節目でごっそりと作品を拾い上げるわけだが、当然拾い上げるその手から、するりとこぼれ落ちる作品たちもある。私が今回紹介する作品は、こぼれ落ちた作品であり、しかし紀伊國屋書店(これがまた問題、それは後で記す)が拾い上げてソフト化したものである。
その作品が『チャオ・パンタン』、フランス映画である。多分知らない人のほうが多いのではないだろうか?1960年代から頭角を現し、数多くの作品の監督や製作者として、話題を提供し続けてきた仏映画界の重鎮クロード・ベリが監督を務め、過激なコメディアンとして有名だったコリューシュを主演に迎えたフレンチ・ノワールの逸品。アレクサンドル・トローネルの美術、そしてブリュノ・ニュイッテンの撮影が、さりげなく描き出すクールに湿った裏パリの情景も麗しい。
noteで連載中の『これが映画だ!』では、粗筋は記さないのがお決まりなのだが、此処では記すことにしよう。
ガソリンスタンドの夜間給油係をしているサンベール。ある雨の晩、訪れた若者べンスサンと知り合い、ふたりは親子関係にも似た淡い友情を育んでいく。だが、麻薬の売人をしていたべンスサンは度重なる不手際からボスに睨まれ、やがて手下に殺されてしまう。友を失い、復讐のため、仇を捜し始めるランベール。彼にはそうしなくてはならない理由があった…。
この作品、私はレンタルビデオの頃、レンタルDVDの頃も借りたし、棚にあるのを確認している。しかし、それから何年経ったのであろう。中古でもいいから…と探してみたら、そう苦労なく見つかったのだが、1万2千円という値段に目が飛び出る思いであった。Blu-rayなら、少しは納得できるというものであるが、DVDが、しかも売価も税込5040円…。
先ほど発売元が紀伊國屋書店と記したが、こちらが問題なのである。本来は書店である発売元が、薄利多売のようなことをするわけがない。つまり、少ない枚数を販売して、版権を返しているようなのである。これではオークションなんかに出れば、二倍三倍でも欲しい人はいるだろう。御多分に漏れず交渉の末、私も二千円引きの一万円で購入した。知る人ぞ知る名作で、DVDになっていない作品、DVDにはなっていてもBlu-ray化されていない作品も沢山ある。例えばDVDすらなっていない(日本市場で)作品には、『ミスターグッドバーを探して』『ジーザスクライスト・スーパースター』などがあるし、DVDからBlu-ray化されていないものでは『ラストショー』『グッバイガール』などがある。
もし、古い日本映画を探すのならば、海外レーベル“クライテリオン”などがお勧めである。あの『七人の侍』は本家東宝より“クライテリオン”の画質のほうが良かったりするのである。
話は逸れてしまったが、秋の夜長『チャオ・パンタン』は最高である。『チャオ・パンタン』について教えてほしいという方は下記のメール・アドレスに直接連絡して頂きたい。
godzillastationjp@yahoo.co.jp