あなたの存在は容量が大きすぎるから
以前の職場で、メールでしか会話しない人たちがいた。営業だが、直接二人が話すのを見たことがなかった。
もう5年以上の因縁だったそうで、私は二人の間を取り持ったり、右往左往したり、時には振り回されもした。
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データというのは、テキストデータ→音声→動画の順で重くなっていく。1次元→2次元→3次元もそう。カラーや白黒でも、データ量は変わる。
どうしても連絡を取らなければいけない時に、心理的に負担が少ないのはテキストなのだろう。容量が少ないから。それでもキライなアイツが書いた文章だと思うと、すぐに消したくなるんだろうけど。
実際に会って話すと言うのは、それだけ脳にも衝撃を与えるのではないか。情報量が多いから。キライな人の声は、耳に入れるのも嫌なのだろう。
私は実際に見て聞いて触ったものの方がよく覚えられる。読書は得意ではなく、授業で音で聞いて覚えていた。だから、独学は向かないのである。
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私の処理能力はとても遅い。きっと、皆が100MBでしか受け取っていない情報を、500MBぐらいに重く受け取めているんだろう。
私は好きな人に会っても、キライな人に会ってもヘトヘトになる。それだけ、会うというのは脳にとってインパクトが大きいのだ。
それでも、実際に好きな人に会えた方が幸せで、小躍りして脳も喜ぶ。彼の好きな色、言葉、声や癖、彼の情報で脳の容量は埋まっていく。
失った恋が身を切られるように痛いのは、この想いが自分の一部になっていたからだろう。ぽっかりと容量が空くのだ。この穴を何で埋めよう。
だけど、容量は空けておいたほうがスッキリ動くから、君の声も、顔も、想い出も消していくね。心のDELETEキーを押すのだ。
ワクワクするもので満たそう。私を大事にしてくれる人のためにこの容量を使おう。
そしてまた愛する人に会おう。
サポートいただけましたら、勉強会や本の購入にあてたいと思います。よろしくお願いします。